ケガのワナ

ケガをしたと瞬間ヤバイとも思うが、いい話のネタだと思うワナ。

学校早退で先生の車で病院にいくのだが、なぜかヒーローな気分になるワナ。

病院で名前を呼ばれて立ったが、違う人の番であり、ひっこみつかなくて、
トイレ行くふりをしてしまうワナ。

当然だがケガの理由を聞かれるが、恥ずかしい原因なために、
少々事実をゆがめて話してしまうワナ。

レントゲン室はなにげに恐怖感があるワナ。

レントゲン写真を見せられて「ココがね～。」とか言われるが、自分にはどこに異常が
あるのか全然わからないワナ。

「ネンザでとすね。」と言われて、よかった思う反面、
骨折とかに妙なあこがれがあって少し残念なワナ。

それで入院して、好きなあの子が見舞いに来るあたりまでシミュレートしてしまうワナ。

それどとろか「片足切断」になったら困るなあってとこまで発展しているワナ。

たいしたケガではないと思うのだが、松葉杖を持たされて、うれしはずかしなワナ。

逆に思ったよりひどく「今から縫います。」との声に心の準備ができないワナ。

次の日学校行くのが妙にワクワクするワナ。

教室に入るなりイキナリ、心配の嵐でちょっと嬉しいワナ。

でも、ケガした理由は聞かないでくれのワナ。

唯一原因を知っている佐藤よ頼むからだまっててくれのワナ。

好きなあの子に「大丈夫？」と言われるのをひそかに待っているワナ。

こっそり授業中に「大丈夫？」って小声で心配してくれるあの子に惚れ直すワナ。

みんながやたら親切なワナ。

会う人会う人がやたら理由を聞いてくるのだけはカンベンなワナ。

どうせなら「手」をケガしたなら歩くのは苦労しなくてすんだのになのワナ。

手ならそれはそれで不便だな、と無駄なシミュレートしてしまうワナ。

どうにも、ギプスの中がカユイワナ。

定規で掻こうとして、傷口に当たってしまいモンドリうってるワナ。

ギプスを取ったらスゴイ垢なワナ。

一ヶ月で治って嬉しい反面残念なワナ。

治ったとたんみんなの態度は普通なワナ。

妙なトラウマで飛び跳ねたりできないワナ。

え？　グキッ？　またやっちゃった？のワナ。