ST:01
魔法の音色













     桜散りゆく季節。。。。。
     
     一陣の風と共に走り去る。。。。。魔導列車。。。。。
     魔導超伝導システムを搭載した「列車」である。
     ついに去年、完成したのである。
     
     魔導列車の発達により、大陸内の交通はよくなる傾向を見せているが、
     まだ、線路がほとんどないので主流の街にしか駅もなかった。。。。。

     

     とある大陸。魔導列車の線路は1本しかない。。。。。

     今日も唸りをあげて列車は滑走する。。。。。


     ガタンゴトンガタンゴタン。。。。。。


少女  「あー。列車だー。」
母親  「そうよ〜。魔導列車よ〜。」
少女  「まどーれっしゃーーー!!」


     魔法石の魔法力をさまざまな動力に変換するシステム・魔導超伝導システム。
     近年の発達は目をみはるものがある。

     数年前はごくごく一部しかなかった。
     人々は「魔導アイテム」という魔導士が魔法力を具現化した特殊能力や、
     魔法石自体しか目にすることはなかったのだ。。。。。


母親  「魔導列車かぁ。。。。。魔法も科学の時代がいつかやってくるのかな。。。。。」
少女  「まほーも、かがくのじだいがやってくるのだー。」
母親  「(;´д`)・・・・。」

     


    大きな国では、小型ではあるが魔導飛行機も飛んだりしているらしい。
    
    きっと人々の生活の中に「魔導超伝導システム」は浸透していくことだろう。

    
    一部の人は「魔法は衰退する。」と言う者もいれば、
    「魔導は魔法だ!」と言う者もいる。。。。。
    魔導超伝導は科学に踏み入ったわけであり、
    そういう意味では進化であり衰退でもある。



    その魔導列車に1人の青年が乗っている。
    魔導列車は運賃がまだ高いので、利用する人はごく一部であった。


放送  「次は〜MT、MTでございま〜す。」
青年  「とうとう着いたか。。。。。」

    すぐ近くの席に老婆が乗っていた。
    
老婆  「あれあれ、お若い人が乗っておるのは珍しいねぇ。」
青年  「らしいですね、運賃は高めですからね。
     でも、僕は自分の夢のために来ましたから。。。。。」
老婆  「夢? それはいいことだねぇ。」
青年  「ええ、魔導交響楽団に入るんです。」
老婆  「あれあれ。兄さん、魔導士じゃったのかぃ。」
青年  「ええ。と言ってもまだ音楽魔法とか一般的なのしか使えませんが。。。。。」
老婆  「はて?この先にあったかのう?」
青年  「MTの街に公演に来てるんです。弟子入りできたらいいなと、
     来てみたんですが。。。。。」
老婆  「なれるといいのぅ。いつか有名になったら、このババにも
     聴かせておくれ。。。名前はなんというんじゃ?」
青年  「アルテッツァといいます。」



     その後、アルテッツァ(通称アル)はMT駅で降りる。

     違う車両から、2〜3歳くらいの女の子が降りて来た。
アル  「あれ?1人で。。。。。? まさかな。。。。。」


     そして、魔導交響楽団の公演のある場所を目指す。
     場所はその街の魔法学校である。

     公園を横切って行こうとすると、何やら笛の音が聞こえる。
     
アル  「ん?あれは・・・・・?」

     見ると少女が笛を吹いていた。。。。。
     何人かの人がそれを聞いている。。。。。
     アルもつい、聞き惚れてしまった。。。。。


中年  「さすが!!シーマちゃん最高だぜ!!」
女性  「なんか、仕事の疲れも取れるね〜。」
シーマ 「ありがとうございます!!」

     笛の少女の名はシーマと言うらしい。。。。。

アル  「いい、音楽だったよ。」
シーマ 「ありがとう。あら?見たことない人ね。」

アル  「ええ、遥か北から来ました。魔導交響楽団に入れてもらおう、、なんて
     甘い夢を持ってますけど。(笑)」
シーマ 「あなたも音楽を?何も持ってないような。。。。。」
アル  「ええ、僕は楽器が「魔導アイテム」なんですよ。。。。。」


     アルはシーマに話した。
     魔導交響楽団は「楽器が魔導アイテムであることが必須」だと。
     魔法はなんでもよく、楽器に具現化できる事が条件だというのである。

シーマ 「へぇ、そうなんだ〜。」
アル  「重い楽器を持ち歩いて世界を旅するわけにはいかないんじゃないかな?」
シーマ 「そうね。」
アル  「キミの笛は?」
シーマ 「私の笛は、普通の笛よ。魔法も今、学校で習ってるけどね。」
アル  「魔導交響楽団は目指したりしない?」
シーマ 「そうね、、、、私には、この公園のステージがお似合いかもね。(笑)」
アル  「そうか、、、、音楽はどこでだってできるものだしね。」
シーマ 「え、公演始まっちゃうんじゃないかな?」
アル  「あ、そうだ!!」

     アルは先を急いだ。

アル  「またいつか聴きに来るよ!!」

     アルは走りながら叫んだ。

シーマ 「ありがとう!!アナタもいい楽団員になってね!!」

アル  「ありがとう!!」



     アルは魔法学校へと走った。。。
     思ったほど遠くはなかった。。。。。


アル  「ここか、、、そう言えば、さっきの子もココに通ってるのかな?」

     結構な人が来ているようである。
     と、さっき駅でみた女の子を見つけた。
     キョロキョロしている。


アル  「どうしたんだい?」
少女  「ママがいないのー。」
アル  「一緒に来たの?」
少女  「ずっといなかった。。。。。」

     少女の話を詳しく聞くが、やはり3歳の子では理解できない。

アル  「どうやって探してるの?」

     少女の耳にイヤリングがしてあった。
     それが母親の物らしい。。。。。
     そのイヤリングが教えてくれると少女は言う。

アル  「こ、、これは魔導アイテム。。。。。まさか、母親を探す気持ちに
     このアイテムが呼応してるのか?????リ、、リリルーラか・・・・・?」

     少女の服についてるバッジを見つけた。

アル  「こ、、これはルージア幼稚園の!!、、、、ルージア!?」

     ルージアとは、この大陸より遥か北にある寒い国である。
     そう、アルテッツァもその国、ルージアから来たのである。。。。。

アル  「じゃ、、じゃあ、僕と同じ時に乗ったのか・・・・・・?
     しかし、魔導アイテムが教えてくれた?????どういうことだ?
     母親がこの学校に????? それとも交響楽団なのか?????」
少女  「おなかすいたぁ。。。。。」
アル  「ええっ!? いまから、公演なんだけどなぁ。。。。。」


     と、そこへ。

シーマ 「あら。」
アル  「あ、、、シーマさん、、だっけ。」
シーマ 「年齢は私と同じくらいだと思ってたのに、子供いるんですね。。。。。」
アル  「ち、、違うよ!!」


     事情を話す。。。。。
     なんとかわかってもらえたようだ。。。。。

シーマ 「とりあえず、公演見てきたら? この子、私が預かっておく。
     公演終わったら考えましょうよ。その間、ゴハン食べさせておくから。」
アル  「え?いいのかい?」
シーマ 「公演のチケット、、、高いんでしょ?見なきゃもったいないよ?」
アル  「・・・・・。じゃ、お言葉に甘えさせてもらうよ!! 絶対後で来るから!!」
シーマ 「うん。」




     そして、アルは交響楽団の公演を見に行ったのであった。。。。。














続く。

























シーマ  「はいはい〜。何食べるの〜?」
少女   「ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ。」

シーマ  「( ̄□ ̄;)ええええええっ!!寝てるし!!」

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