ST:02
魔法裁判







魔法裁判。

 「封印魔法免許未取得者による封印魔法使用」
 「危険認定魔法マホプラウスの使用」
 という件である。

 クロスは封印魔法免許を持っていないため、
 S級魔法の使用が認められていない。
 さらに、マホプラウスは危険魔法とされている。

 マホプラウスは集束魔法である。
 例えば、魔物が数体がベギラマを唱えてきたとしよう。
 それを全て集束しまとめて放出することのできる魔法である。
 が、熟練されてない者が、集束した魔法力を制御できずに暴発し
 集束してしまったがために、辺り一面を灰にしたという事件もある。
 ゆえに、マホプラウスは封印魔法の中でも危険魔法として存在する。


 この件でクロスは裁判にかけられることになった。。。。。



署長  「と、いうことで私が見たのは確かにマホプラウスでした。」

ヒメ   「しかしですね!あの時は生徒を守ろうとしてやったことですよ!?」
弁護士 「では、その際のマホプラウスの暴発によって
      生徒が危険にさらされる場合もあったわけですよね?」
ヒメ   「被告は充分その魔法を使いこなす実力を持っています!!」
弁護士 「封印魔法免許を持ってないのにですか?」

ヒメ   「魔法を取得しても、免許を取らせないのは
      魔法警察が決めたことですよね。」
弁護士 「そうですが、免許も取れてないのに、使いこなすほど
      どこで魔法を使用していたんですかね?」
ヒメ   「!!そ、それは」

弁護士 「とにかく、この件は「危険である」という魔法を無免許の者が
      魔法を使用したという事が問題なのです。
      別の魔法でもよかったはずです。」
ヒメ   「では、S級のメラゾオンを前に
     フバーハでも使えというのですか?

      被告の使える魔法の中でマホカンタ(魔法反射)もあります。
      ですが、メラゾオンをマホカンタではじききれますか?
      爆発系イオナズンですらマホカンタに対して
      ある程度しか有効ではないというのに。」
弁護士 「マホカンタで、絶対防げないわけではないでしょう?
      魔物の魔法力をその瞬間に判断したとでもいうのでしょうか?」

ヒメ   「あの咄嗟の時の中で確実に生徒を助ける魔法は
      マホプラウスしかなかった。。。。。
      そして、人命を何よりも優先したということは関係ないのですか?
      裁判長!!」


裁判長 「例えばです。ケガ人がいたとしましょう。その者を医者のもとへ運ぶ。
      緊急をようするかといって、馬車免許を持たないものが、
      才能があるからといって、人の行き来する街道を
      高速で走らせていいということですか?
      もし仮に、マホプラウスで集束した魔法が暴発してしまったらどうしますか?」
ヒメ   「・・・・・・。」


裁判長  「被告人。何か意見はありますか?」

クロス  「ま、判断つうか、あの一瞬で俺が思いついた回避方法が
      マホプラウスだけだったって事なんだよな。。。。。
      そして、仮にこの街が魔物の襲われ、
      敵がまとめてS級魔法を使ったとして、
      事実上魔法警察以外の、S級魔法の使えない一般人は
      黙って死ねと。そう言いたいんだろう?」
裁判長  「被告人は、言葉を選択して使用すること。」

アラシ  「裁判長!!」
裁判長  「ん?魔法警察アラシ巡査長。なにかね?」
アラシ  「私の意見ですがかまいませんか?」
裁判長  「許可します。」

アラシ  「私は魔法警察巡査長という階級も頂き、
      S級魔法も免許を持ってます。
      たしかに、我々魔法警察側にはある程度の階級のものは皆そうです。
      それでも、そんなに人数が多いとは思いません。
      そんな少ない人数の中、我々だけで、まして「マホカンタ」の上級である、
      封印魔法「魔法完全反射」マホカンティムが使用できる者は
      そうそうおりません。 では一般の市民しかいない場合。
      どうしたらいいのだろうと、日々思っております。」

署長   「!!」
ヒメ   「そういえば、魔法警察署長殿は「マホカンティム」が
      使用できるはずですよね?なぜ、アナタが・・・・・・」
裁判長  「そこまで!! 本日はこれで閉廷とする。」
ヒメ    「!!」

 強引な閉廷であった。。。。。

 閉廷してすぐ、署長がアラシ巡査長に耳打ちした。

署長  「アラシ君。」
アラシ 「はい。」
署長  「困るな、私が不利になる意見を言ってしまっては。
      余計なことを言わず、タダ傍観しておればよいのだ!!
      何も問題なければ、このまま巡査部長にもなれるのだ。。。。。
      いいな。。。。。」
アラシ 「・・・・・・。」
署長  「返事は?」
アラシ 「は、、、、、はい。。。。。」


 今回の裁判は、被告クロスに弁護士としてヒメが、
 対立側の弁護士と、魔法警察代表で署長、
 そして当時の現場を知る参考人として
 アラシ巡査長がいるのである。。。。。

 クロスは魔法警察に捕まったままである。。。。。


 その夜。 街の食堂。

テッケツ「くそ、、魔法警察側の落ち度を隠す感じだな。。。。。」
ヒメ   「アラシさんのおかげで、いいとこつけそうだったけど、
      立場危ないんじゃないの?」
アラシ 「(;^_^A 普段から警察のやり方で気にいらないところが結構ありますし。」
ヒメ   「こちら側の意見もわかるけど、ほんと立場やばくなると昇進にも響くわよ?」

アラシ 「それは困るんですよね。。。。。私の目標はもっと高みですから。。。。。」

テッケツ「しかし、ほんと警察だけ色々使えるのはズルイな。。。。。
      いずれ、免許が俺たちにも取れると祈って隠れて練習してるがな。」
ヒメ   「あら、こないだの森での戦いで、使ってたのは誰かしら?」

 結局、市民の傭兵などは、命を賭けて戦っているわけであり、
 免許がどうとか言ってる場合ではないので、
 魔物との戦いはほとんどやりたい放題なのが現状である。
 だがここ近年。警察のスパイが傭兵として混じってることがあり、
 迂闊に使えないのである。

テッケツ「なんで、ああまでも取り締まるんだ?」

アラシ 「全てを解除すると、やはり魔法警察を超える術者が出現します。
     やはり世の中才能に恵まれた者はいますからね。
     魔法警察でも封印魔法免許はあれど、
     S級魔法を取得してない者もいますからね。
     魔法警察の持つ「封印魔法免許」なんて、審査なし
     ですからね。。。。。」
ヒメ   「結局、メンツを保つためにも、魔法を制限してるんだよね。。。。。
     たしかに、S級魔法使い犯罪者が増えたら。。。。。」

テッケツ「でも、そういうのたくらんでるやついるんじゃねぇの?」
アラシ 「でも、魔法警察の魔方陣はSS級とも言われてます。
      さすがにそこへは私では入れません。。。。。」

ヒメ   「SS級って、マダンテ(最強攻撃魔法)や
    ギガジャティス(最高破邪魔法)
なLVってこと?????」


アラシ 「そうですね。。。。。噂ですが。。。。。」


 SS級とはもはや現時点で使い手はほとんどいないとされている魔法である。
  (SS級魔法一部)
  マダンテ:魔法力そのものを数倍に増幅させ放つ魔法。
        使用者のMPは全て吸い尽くされてしまうが、そのダメージは
        S級魔法でも及ばない。
  ギガジャティス:魔法による効果、属性を全て打ち消してしまう魔法。
        S級魔法にマジャスティスがあるが、
        それでもかなりの破邪魔法である。
  パルプンテ:魔法力が何か証明できない力に変換され、
        術者でさえ何がおこるかわからない。。。。。が、
        それを制御したとき、何かが得られるとの伝説がある。
  アストロス:アストロン(鋼鉄魔法)と違い、鋼鉄化しても自分の意思で
        自由に行動でき、その身体はいかなる攻撃も受け付けず、
        その鋼鉄の拳は一振りで魔物を葬り去る破壊力とも言われている。


テッケツ 「どうするよ?ヒメさん。。。。。クロスを助けなきゃ。」
ヒメ    「あ、クロスを助けるというか、今回はクロスが正義だと思ったからよ?
      もし、クロスが悪に走るなら、けってーてきにヤるわよ。」
テッケツ 「Σ( ̄□ ̄;)。。。。。」
アラシ  「私は人の目もありますので、これで。。。。。」

ヒメ    「S級使えるんだから、モシャス(変化魔法)で変身したら?」
アラシ   「(;^_^A あれ、めっちゃくちゃ難しいんですよ?
       伊達に封印魔法になってませんよ。。。。。」
テッケツ 「だろうな、、、、悪用できるもんな。。。。。」

 ヒメは考えた。まず、なぜ警察はああまでして封印魔法にこだわるのか。。。
 封印魔法は我々の知らない所で何かに使われているのでは?と。
 また今日も頭を抱える夜になっていた。。。。。

ヒメ    「ああ゛!! もういいや。寝ようっと。
      おいで、イヌゴン!!」

 ペットの子犬を呼び、明日に備えた。。。。。


 そして、一日は過ぎていった。









続く。














テッケツ 「結局、裁判はなんだったんだ?」
 

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