第拾弐の箱


120『黒眼白道』080704

道を違(たご)うた、謀(たばかり)の罪人(つみびと)の罠に
足を捕らわれ・・・伸ばした手すら喰われる・・・

道を歩んだ、憚(はばかり)の旅人の道は
闇に捕らわれ・・・翳した指すら喰われる・・・

私は『眼』・・・『眼』は私・・・
閉ざされた黒い中の迷人(まよいびと)を見つけて
伸ばす手に垂らす糸を導こう・・・

そして黒い眼を下さい・・・

やがて黒い眼を下さい・・・

滴る血(なみだ)の紅(いろ)さえ見えず・・・

それで現在(いま)を照らす『眼(ちから)』になれるのなら・・・


私は『器』・・・『器』は私・・・
限られた光の中の真酔人(まよいびと)が見つけて

そして白い道を下さい・・・

やがて白い道を下さい・・・

悩める光(ひと)の喜(こえ)さえ聞かず・・・

それで現在(いま)を越える『眼(ちから)』になれるのなら・・・
119「焔(ほのお)」080701


灼熱が我が影を糧にするなら焔よ舞えろ・・・

轟炎が誰が影を灰にするなら焔よ焦がせ・・・

閃熱が我が眼を盲(やみ)にするなら焔よ咆えろ・・・

煉獄が誰が眼を水にするなら焔よ溶かせ・・・

この身を雷が穿つのなら己の頭骨を持ち

満月が映える我が墓で誓おう・・・

この身を理が潰えるのなら己の錆刀(なまくら)を捨て

満月の届かぬ我が墓で眠ろう・・・

焼き祓えた亡骸(むくろ)を十字に磔(はりつ)け共に逝こう・・・

斬り払えた亡骸(むくろ)を無残に踏付け何処(いづこ)に逝こう・・・

焔が焼き尽くすのは他ならぬ我が途(みち)故に

焔が喰い尽くすのは他ならぬ我が骸(むくろ)故に・・・
118「かごめ」080625


唯、凍りつく朝日目覚める地の上に・・・

囲む囲む、籠の中の『真実(とり)』は何時出会う・・・
 
夕暮れの線路は、永久に平行(すす)む・・・

夜明けの晩に『過去(つる)』と『未来(かめ)』が滑った・・・

 謀(たばか)りを忘れられた畑の『実』は紅に熟す・・・

後ろの正面・・・『誰』?
117 「巻き戻せない」080503


絵文字のみのメール

意味の解らないメール

そんな事で笑い合ってたなんでもなかったと思ってた

そんなあの頃



深すぎる話

なんでもない話

そんな事で悩みあってたずっと続くと思ってた

そんなあの頃



心に隠した言葉が

そんな場所さえ薄くさせた



もう戻らない


戻るなら今すら飛び越えて

こんな涙の源すら無かったあの頃へ
116 「ペットボトル」071209+(作成日不明)

キャップをとってたったひとくち。
ただ「おいしい」それでよくない?
アレよりコレよりも「おいしい」「まずい」

キャップをしめてほっとひといき。
ただ「のみたい」それでよくない?
味とか炭酸あるとかないとか。

いろんなモノがつまってたって
変わったモノがつまってたって
全てまぜてできてるんだから。
ひっくるめてのインスピレーション答えてみて。

キャップをとってたったひとくち。
ただ「おいしい」それでよくない?
ただ「のみたい」それでよくない?
キャップをしめてほっとひといき。

キャップをとってもうひとくち。
115「存在すること」071209+(作成日不明)

あたりまえだと思ってない?
いつも在るって思ってない?
なくしてからじゃ遅いんだよ?

いつも在って何も感じないって
何もなくてもいいってことじゃないんだよ?

それが在ってあたりまえって安心してたら
「本当は大切だった」って後悔しかうまないよ?

いごこちのいい場所の大切さ
もうすこし考えてみない?
114「みつめよう」071209+(作成日不明)

悩むって大事なこと
どうして悩むのかって、大事なことばかりだから
悩むって生きるってこと
どうしたら一番良いかって進もうとしてるから

どうしたらいいのかわからないってことは
どうにかしようって考えてる、そのプロセスが大事
どっちにしたらいいのか悩むってことは
ホントはどっちも大事だってわかってるから

どんなに悩んでも何もわからない
そんな時は目の前だけみてみよう
今、生きてる瞬間をみつめてみよう
悩んでて見落としてることあるから
113「刃」071207


行く道、違う(たごう)事無かれ
蒼い闇に漂う笹舟(ふね)は
遠からず近からず

眼(こころ)が憶えているはずの影が
紅き光に薄れぬように
笹舟(ふね)まで見失わぬように


行く道、違う(たごう)事無かれ
黒き先に向かう旋風(かぜ)は
強からず弱からず

眼(こころ)が見据えてるはずの道が
白き時に掠れぬように
旋風(かぜ)まで吹き止まぬように


いつか対(あ)える眼(こころ)を
いつか交(あ)える刀(こころ)を


今はまだ、絡み行く蜘蛛の足を

今はまだ、降り注ぐ雷神の嘶きを

今はまだ、廻り行く歯車の悲鳴(こえ)を



今はまだ、振り下ろす事抗う蜘蛛の足を

止(とど)まる事無く歩(ゆ)く信念(こころ)を

斬り裂く事無く震える切先を
112「契約」070613

我が律する世界で契約した怪盗よ。
如何なる場合でも画を盗め。
社会が悪と呼べど、その信念は正義。
たとえそれが人のためでも
契約破棄は許されぬ。

契約を破った怪盗よ
抗う全てを抜け逃げのびよ・・・
黒と赤の蛇が狙う恐怖に
怯えながら走るがよい

咬めば咎め人として
削れぬ十字架の刺青を刻もう。


我が法る世界で契約した怪盗よ。
如何なる場合でも画を盗め。
道徳が悪と呼べど、その信念は正義。
たとえそれが命を救っても
契約破棄は許されぬ。

契約を破った怪盗よ
抗う全てを抜け消えうせよ・・・
光と闇の蛇が刻む罪悪に
悶えながら眠るがよい

咬めば咎め人として
杯すら覆す破壊を刻もう。
111「覚醒」070525


死に石に沈み入る意志に・・・

地に木々に聴き入る意志に・・・

血に傷に染み入る意志に・・・

意は木々に葉を宿す・・・


手に刻めし意志に・・・

眼に傷めし意志に・・・

背に目覚めし意志に・・・

画は日々に刃を宿す・・・


果て無き線と線は
交わうことなかれど・・・
永久に律する

渦巻く線と線は
見紛うことなかれど・・・
永久に罰する

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