第六の箱
51「羽」1208 一枚の羽が天から降ってきた。 真白な羽が。。。 人は「作り物」だという。 例え誰がそう言おうが私が持っている羽は、 天から降ってきた。 「作り物」じゃない。。。 私の信じる羽。 羽は今にも散ってしまいそう。 私は待つ。 再び羽が降って来るまで。。。。。 |
52「扉」1209 たとえ宴が有ったとしても目を覚まさないだろう。 たとえ大木が目の前で崩れ落ちても驚愕しないだろう。 たとえ砂漠で水が湧いたとしても飲まないだろう。 たとえ鳥が囀っていても聞きはしないだろう。 ひとつ、またひとつ扉が閉じていく。。。。。 自らは開こうともしないまま、 扉は閉じていく。。。。。 全ての扉が閉じた時、 その獣は。。。。。 閉ざされた扉の中朽ち果てるのか、 全てを破壊し飛び出していくのか。。。。。 |
53「革命」1216 繰り返し脳にフレーズを叩きこみ、、 麻痺して行く感覚。 恍惚の中で遺伝子は叫ぶ。 麻痺した中で、極限に追い詰め覚醒を願うのか? その殻を破り、新たに進化するのか? 狂乱とも言える遺伝子の叫びは 眠りについていた遺伝子すらも呼び起こす。 じわじわと湧きあがる新たな遺伝子。 革命。 |
54「支配者」0102 いつのまにか、覚醒した。 己の下に跪き、奴隷の存在に。 無論、それを奴隷とし、支配と感じるのは己の中の皇帝。 時折、姿を見せる皇帝。 皇帝の存在を嫌う民衆。 それでいて皇帝は、全てを統括せし者。 いづれは自分も服従、支配されると、 その恐怖に、今は、、、、、。 今は、ただ、、、、、。 離れている事しかできない。。。。。 獣をも統括せし支配者。 その君臨は、、、、、。 |
55「糸」0102 自分を取り囲むように糸の雨が降る。 掴みたい糸に届かない手。。。。。 まとわりつく無数の糸。。。。。 また、糸は糸同士で絡み合う。 そしてまた斬れてゆく。。。。。 複数の糸が絡み合う。 隣りにすらなかった糸までも。。。。。 絡み合う。。。。。 |
56「楽しさ」0306 わかりますか? アナタが好きだと言う事じゃなく アナタを好きでいて楽しい私が。 先があるとかないとかじゃなく その道をまっすぐ歩く私が。 誰かに言われたわけじゃなく 私の想いで歩いてる。 その楽しさを アナタがくれているって事。 |
57「銃」0308 必殺の銃。 アナタが欲しいのならあげる。。。 ただし、銃の存在そのものが私の存在を気付かせる。 それはアナタが銃を依頼した事の証明。 証明された時点で銃を撃たないければならない。。。 こころして使うがいい。。。。。 その銃の存在をアナタが知った時、 アナタはきっと引き金を引きたくなる。 もし、銃を撃つ事ができなかったとしても、 その銃の存在そのものが すでに引き金を引いているようなもの。 すでに必殺。。。。。 それで全てを終わらせる。 その勇気があるならば、銃は必要無い。。。。。 だが、銃は確実なる破壊をもって 未来を作る。。。。。 破壊をもって。。。。。 |
58「イカサマ」0308 隠し持っていた「A」のカード。 それで揃ったフォアカード。 例え怪しかったとしても、 イカサマはバレなければイカサマではない。 それは実力。 たとえ、イカサマだと思われても、 それで結果がいいならいいのである。 全てをこめて実力と。。。 それでいい。 黙って実力の違いを見ていればいい。 |
59「降臨」0329 道端に落ちている誰も気にも止めない小石。 歩くたびに「邪魔」だと感じ始める。 一つずつ、意識が拾って行く。。。。。 そして、関係のない小石まで拾って行く。 積み上げて聳える石の塔。。。。 崩す瞬間が解放の時。。。 ただ崩れるだけでは解放はされない。 全て消え去るくらいの、白き怒涛で 流す。。。。。 全てが白に染まるまで。。。。。 |
60「影移し」0329 私は影で笑う。。。。。 光の中では笑わない。。。。。 光あるが故の影の中で、 光あるが故の影の理由を笑っている。 光源はただ照らしている。。。 全てが光だと信じて。。。。。 光あれば影あり。。。。。 己自身の作り出した影の存在を 影自身の中で笑う私の存在を 気づかずに。。。。。 じきに迫る影の反乱に 食われるまで 照らしつづける。。。。。 |