第伍の箱

41「抱擁」1119

抱かれてる温かさは当然の事、

なによりも嬉しいのは、
包まれているという事実。
包んでくれる、その想い。

自分を見つめている、その想い。
42「風」1119

遠き地に降り立ち。

彼(か)の大地の風を起こす。。。。。
彼(か)の風の声が届かないなら。

せめて風だけでも。。。。。

この地に。。。。。

風を。
43「心」1123

失って気づくもの、、、、、。
失って気づくのではなく、

それは普段、ある事が当たり前の様に
自分に溶け込んでいる大切なもの。。。。。

失ってから気づくのではなく、
失う前にもう一度、、、、、。

自分の心を。。。。。
44「遠き星」1123

今、呼べど叶わぬ想い。
届いていないようで届いてる想い。。。。。

今、呼べど感じぬ想い。
感じていないようで感じる想い。。。。。

今はただ、同じオリオンの下にいる。
それだけを、かみしめて。。。。。
45「杯」1123

杯に溢れんばかりの水。。。。。
ほんの少しの水でも溢れてしまう。。。。。
たくさんの水。。。。。

だが、杯は動かせない。。。。。
ただ触れるだけで、溢れてしまう。。。。。

触れず、じっと眺めて見るだけ。。。。。
ただ、じっと。。。。。
水が消え行く末を。。。。。
46「線」1123

線と線。
「交差」離れし二つの線が、交わり合う。。。。。
確かに交わり合う。。。。。

そして、離れて行く。。。。。
合い見舞える事なく。。。。。

「平行」いつも同じ距離で、見つめ合う。。。。。
常にせめぎ合う。。。。。

永遠に同じ距離で。。。。。
だが、永遠に交わる事はない。。。。。
47「手」1123

まだ届かない場所。。。。。
まだ届かない位置。。。。。

手を伸ばせば届く位置なだけに、襲う虚しさ。。。。。

いつか手が届くとき。。。。。

私がそこにいる。。。。。

ひたすら手を伸ばす。。。。。

いつか、きっと。。。。。
あの場所へ。。。。。
48「剣」1130

胸に剣の刺さってる者がいた。。。。。
自分の剣を負い目に感じて生きている。。。

刺さった剣を哀しみとしてるのは、本人。
なぜ、刺さった剣を抜かないのか?
なぜ、刺さった剣を見せるのか?

人の剣を抜く前に、自分の剣を抜こう。。。。。
自分の剣すら抜けない者に、他人の剣は抜けしない。
自分の剣を抜かないのなら、貫通するくらい
自らの手で深く刺せ!!
剣ともども受けとめて、それが自分だと。。。。。

傷を傷だと言っている間は何も進まない。。。。。
人は他人(ひと)の傷なんて見てもしかたない。

気づけ、傷は傷ではない。
自分である。。。。。

人の傷を見つける前に、
やるべき事があるはず。。。。。
49「眼(まなこ)」1203

眼を閉じていて、白を黒だと言われても、
たとえ白だと知っていても、
黒だと合わせてみる。。。。。

あえて眼は閉じたまま。
黒だと言われるなら、
今は、それは、黒でもいいのかもしれない。
50「凪」1204

風と風が駆け抜けるその刹那の間。
その全ての止んだ静寂の中、
わだかまりを全て吐き出す。

その最高の刹那の中に、、、、、。

誰にも邪魔のされない、
風の無い世界の中で、何を想う?

また、風は吹き荒れるというのに。。。。。
また、風が止まる保証はないのに。。。。。

それでも、また、
その刹那はやってくるはず。。。。。
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