第参の箱

21「道化師」0810

道化師。

その滑稽な化粧は素顔を隠す。
その化粧の涙の下はわからない。
その動き一つも芝居?

芝居だと思ったらそこまで。
本性すら「道化」なら、「道化」が「道化」では無い。

みずから「道化」を現す事で、
人が笑うなら、それでいい。

例え、素顔は泣いていても。


それが「道化」。


化粧の下を見せてはいけない。

「道化」が「道化」を失ったら、
道化師は消える。

「道化」を「道化」として見ると、
そこには、、、、、、、、、もう。
22「服」0811

服。

その服よりあの服が似合うと言ったのは誰?

それを決めるのは、他人じゃない、

身に纏う本人。

もし貴方が纏うなら、
「他人のため」ですか?
「自分の好み」ですか?
答えは出ているはず。

服を着るあの人もきっとそう。
決めるのはその人。
貴方じゃない。

あの人が選んだ服ならば、
自身を持ちなさい。

他にいい服があっても、
それは、関係無い。

それがいい服だと思ってるのは貴方。

なぜなら、その服は、
選ばれなかったのだから。

たとえ煌びやかでなくても、
貴方らしさでは、どんなドレスもかなわない。
選ばれた理由、、、、、
そこが、、、、、、、、、、。
23「グランドクロス」0811

惑星は十字に並んでいた。

ある時から、惑星は回り始め、離れ始めた。

特に一つは、かなり遠方を回っている。

多少のすれ違いはあれど、
惑星は並ばない。

いくつもの時を重ね、また惑星は十字に並ぶ。
その次に並ぶ日を夢見て

ここぞとばかりに惑星たちは輝きを増す。

限られた十字の隊列の時に。

刹那であるからこそ、輝く?

いや、そんなものではない。

本当に繋がっていると言う事。

距離が離れていても
時間が離れていても

輝きは消えない。

24「人形」0814

少女は人形を買った。

少女の中では大切な存在。

でも、人形は実際には話さない。
心もそこには、、、、。

少女がそれでいいならば、
あえて他人の領域では無い。

例え、どんな未来があったとしても、
決めるのは少女だから。
25「流星」0816
一つの流星が落ちた。


それを見に行った円卓の騎士たち。

再び会い見舞える事となったが、

円卓の騎士たちは何も語らなかった。


再会するには、悲しすぎたから。。。。。


離れていた騎士たちを流星が

再び紡いだのかもしれない。。。。。

そして円卓の騎士たちは再び

語り合うのかも知れない。。。。。
26「箱」0816
箱のフタを触れなかった。
触れてしまうだけで、
中身が全て、流れ出てしまいそうだから。

誰も触れなかった。。。。。

しかし、その箱は開かれる。
一人が開いたら、皆開いてしまう。。。
全てを流すまで。。。。。

箱の中には「事実」が存在した。。。。。
認めたくないものだとしても。
箱には入っていた。。。。。
27「時計」0816
つい、こないだまで回っていた。。。。。
時を刻んでいた。。。。。

今はもう動かない?
でも私は時計を見ようとはしなかった。

時計がもし、止まっていたら。。。。。と。
考えたくなかった。

時計を見ないわけにはいかない。。。。。
私は時計を見た。。。。。
時は止まっていた。

止まっている事は知っていた。。。。。
ただそれを認めたくなかった。
時計はいつまでも動いていると思っていた。
こないだまで動いていたから。
ずっと動いていて欲しかった。。。。。

時計は止まってしまった。
たとえ誰が望んでも、もう。。。。。
時計は。。。。。
28「戦場」0823
兵士は戦場で戦っている。
傷つきながらも必死で戦っている。

安らぎを与えようと、兵士を戦場から離そうとした。

ふと思う。

兵士は戦場で戦うからこそ兵士なのでは?

戦っているがために安らぎを与えたい。

ただその結果として
兵士が兵士でなくなったとき、
私はどうするのだろう?
29「猫」0905
誰でもよかったわけではない、
でも、猫は拾ってくれる人を選んだわけではない。

ただ、偶然が重なり合い、人は猫を見つけた。
拾って帰るも自由。
とりあえずエサだけ与えるも自由。

猫もずっとエサを貰えるとは思っていない。
人もずっとエサを与える気もない。

先の事はわからない。
でも、今はそうしている。
人も猫も。。。。。
30「伝統」0905
本当は変えてはいけないものかも知れない。
その伝統の「もの」としては、
だが、新しい「もの」としてなら
別に変えてもいいのではないか?

ただ、誰もその「もの」がある意味根本から変わったとは
気づかない。。。。。
進化したならそれでいい。。。。。

伝統の「もの」を人知れず変えてしまった
ある意味の罪悪を、
変えた者が背負うだけ。

伝統は死んだ。
だが、そこから新しい「もの」ができていく。

伝統にとらわれる必要は無いのかもしれない。
そこから新しい伝統は作られる。

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