W アナザー


第04話 『鋼鉄の意志』





             サナは久々に学校へと行く。

             いつもの重い足取りでなく、どこか跳ねるほどに。


             校舎へ入る前に、火逗 翠(カズ・ミドリ)と顔を合わせた。


翠  「サナ!!おっはよ〜!」

サナ 「ミドリ〜おはよ〜♪」

翠  「なになに?なんか、嬉しそうだけど?なんかあったの?」


             早速、その表情から読み取られる。


サナ 「う〜ん・・・。まぁ、なくもないけど。」


             もちろん言えるわけが無い・・・というか
             『悪の組織』とか『変身した』とか言ってもさすがに誰も信じないだろう・・・と。


翠  「あ・・・もしかして・・・彼氏でもできた〜〜?」

サナ 「え・・・ちょ・・・なんでそうなるわけ!?」



             なぜかユウマの顔が浮かぶサナであったが・・・。

             その時ちょうどサナの携帯が鳴る・・・。
             『スタッグフォン』の方である、恐らくユウマかマリアからのメールである。


翠  「なにそれ!? 変わった携帯・・・・・あ・・・買って貰った?」

サナ 「なんで全部無理矢理結びつけるかな・・・(汗)」

翠  「私も早く彼氏欲しいな♪」


             ちょっと違うけど、全然違うわけでもない・・・いや・・・違う・・・と
             サナの脳内で、不思議な思考が渦巻いていた。


             着信したメールを見た、ユウマからであったが
             『テスト送信』 とだけ書いてあった。

             あまりにも味気の無いメールに、どこか彼らしさを感じた。


翠  「そっか、サナも・・・。それで楽しそうなんだね。」
サナ 「違うってば!!全然関係無いわよっ!!」



             このありふれた普通の大学生の生活も、
             なぜか自然に楽しい。

             決してゆとりがあるわけではない・・・
             ただよく解らない不安も、カタチの見えない未来も

             今は『それを純粋に楽しめる』

             多分、そんな位置なんだろうなと。
             少し不謹慎なのかな・・・とは思っていた。





             授業を終え、昼食をベタに屋上で取っていた。

             ポケットからギジメモリ『スタッグメモリ』を、スタッグフォンに挿した。

             一瞬でクワガタに変形して、その辺りを飛び回る。

サナ 「これって、『作る』ってどうやるんだろうな・・・。」

             不思議になぜかサナに懐くスタッグが、とくに違和感なく馴染んでいた。

             様々なメモリも・・・。

サナ 「ドーパントメモリ・・・ガイアメモリ・・・か・・・。」


             ポケットから4本のガイアメモリを取り出し眺める。

サナ 「ジョーカー・・・メタル・・・トリガー・・・アクセル・・・。」

             とりあえず、この書いてある属性の英語綴りはテストで間違えなくて済むかな・・・
             なんてちょっと馬鹿な考えも浮かんだ。



             ふと、スラッグが突然変な方向へと飛び出した。

サナ  「ん?何かあるの?」


             屋上の端の方に、粉々になったのであろうメモリが落ちていた。

サナ  「えーっと、この骨骨模様はドーパントメモリ!? なんで学校に!?」

             ドーパントメモリの特徴である骨のモチーフを象った破片が落ちている。

             そう、自分の『日常』である範囲の『学校』にドーパントが・・・と。





             そして、屋上から見下ろす先に・・・・・ドーパントメモリで変身した異形の怪物が!!


サナ  「ユウマ君にメールしないと・・・・・スタッグ!!」

             呼ぶと素直にスタッグはサナの手に戻った。

             すぐにユウマに電話をかける。


サナ  「ユウマ君!!ドーパントドーパント!!」
ユウ  『え?ドーパントが!?』

             電話口の向こうではマリアが「学校じゃないのか?」と言うのが聞こえる。


サナ  「いいから、変身変身!!」

ユウ  『解った、怪しい敵には無闇に近づかないように。』


             サナがWDAを腰に付ける、すぐにユウマにもWDAが現れる。


ユウ  『変身!!』

             ユウマがメモリのボタンを押す。
             選んだメモリは・・・

             『ルナ!!』


サナ  「あ、黄色のメモリ・・・・・こっちはもちろん・・・・・。」

             サナもメモリのボタンを押す。

             『ジョーカー!!』


             光に包まれ、黄色と紫の姿をしたWアナザーが現れる。


サナ 「Wアナザー!!ルナジョーカー!!」

             ルナメモリの『月の記憶』が、サナの頭に流れ込む。


サナ 「なるほどっ、手が伸ばせたりするんだ。」



             屋上から、校庭の木へと手を伸ばし一気に降りる。

             一瞬の出来事で誰にも見つからずに済んでいる。

             降りた先も、木々が茂っているので見つからないだろう。



             それよりもあのドーパントは何をしているのだろう?
             サナは近づいた。

             何か校庭の方の様子を伺ってるように見える。



サナ 「はいはい、ドーパントさん?そこまでよ?」

             Wアナザーの存在に気づいたドーパントは、すぐに殴りかかる。
             どうやら、直接攻撃型のようである。

             その太い腕をしたデザインが、何かを物語っている。


サナ 「!?な、なにコイツ、攻撃が痛い・・・・・。」
ユウ 『サナ!攻撃を直接受けずに、武器でガードするんだ。』
サナ 「お、OK。え〜〜っと。」


             サナは灰色のガイアメモリを取り出し、ボタンを押す。
             『メタル!!』

             少しドーパントと間合いを取り、『ジョーカー』を挿し替える。


             『ルナ!!』『メタル!!』

             左半身から、ジョーカーの紫が消え、メタルの灰色が現れた。
             その背中には、メタルシャフトと呼ばれる棍が装備されている。


サナ  「よーし!!ルナメタルぅ!!

             攻撃をメタルシャフトで受ける。

             それでも持ってる腕が痺れそうなダメージだ。

ユウ 『こういう敵は、離れて戦うんだ。』

サナ 「OK!!」

             隙を見て、腹部にメタルシャフトの一撃を見舞い吹き飛ばす。

             そして、『ルナ』の能力で、鞭の様にしなやかに伸びるメタルシャフトでひたすら叩く。


サナ 「へぇ〜、棍まで伸びちゃうんだ。」

             さすがにそれだけの攻撃の雨に、ドーパントは耐え切れない。


サナ 「あれ?もしかして、このまま倒せちゃう?」


             サナはルナメモリを抜き取り、マキシマムスロットに挿す。
             『ルナ!!マキシマムドライブ!!』

サナ 「いくよっ!!」

             伸びたメタルシャフトがドーパントの身体にグルグルと巻きつく。


サナ 「スパイラルストライクっ!!」

             そのまま上空へ持ち上げ、メタルシャフトを引っ張る。
             コマ回しのようにドーパントは、回転しつつ脳天を地面に叩きつけられる!!



             変身が解け、人が現れる。
             足元には、ドーパントメモリが落ちている。


サナ 「あれ?メモリブレイクできなかったか・・・コレは預かっておきますよ。」


             と、サナは倒れてる人間を見て驚いた。
             理系担当の教師、牧野であった。

サナ 「な、なんで・・・・・?」


             牧野は瀕死の状態だったがために、病院へ運ばざるを得なかった。
             会話する事ができないほどであった。










             ここまで身近にドーパント、引いてはガーデンの手が伸びている。

             サナは改めて、自分の戦いの意志をはっきりと持った。


             自分でできる事を・・・・・。















             続く。



























































おまけ。


             「今・・・・・二つの心が一つになる!!」

             「決めろ!!ガイアメモリ!!決めろマキシマムドライブ!!」

             『サイクロン!!』 『ジョーカー!!』

             「4本のガイアメモリで、変身だ!!」 『ルナ!!』『ヒート!!』


             「DX Wドライバーアナザー!!

             「そして・・・DXメタルシャフト!!

             「決めろ!!鋼鉄の一撃を!!」『メタル!!マキシマムドライブ!!』



                 続々登場、DXウェポンシリーズ!!」



   






サナ  「ああ、サイクロン・ジョーカー・ルナ・ヒートしか付かないんだ・・・・・。
        メタルは別売りなんて・・・商魂たくましいのね・・・・・。」

マリ  「DXウェポン『シリーズ』だってさ・・・・・。」

ユウ  「まぁ・・・商魂たくましいって事で。」

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