絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の二十ニ
「食食食食食食」
(ごうしょく・かいしょく・くいつくし)
城下町
惑 「お、絡繰の旦那。儲かってるかぃ?」
お惑は城下町に出店する露店などを全て仕切っている。
今日も露店で、餃子なるものを作っている岱の姿があった。
どうやら、生活費を稼いでるらしい。
岱 「おお、お惑姐さん。ぼちぼちでんなー。」
惑 「なんだ、この苺餃子ってのは・・・・・。」
岱 「ああ・・・。不評だ・・・。某紫色のくのいちが、うまそうに食べてたから、お土産にしよう。」
ひとつ差し出され、一応食べてみる。
惑 「ん・・・・・。辛味が全然だな・・・。」
岱 「((((;゜Д゜))))そこなんだ・・・つっこむところ。」
真 「あら、お惑姐さん。」
惑 「ああ、お真さん、なんとなく会う気はしてたけど。(笑)」
突如現れたお真の視線の先に、お雪が居た。
真 「お雪さ〜ん、今からそちらに向かおうとしてたんですよ。」
雪 「(*´ー`)あ、もしかしてできました?」
真 「ええ、なかなか、立派な黒しょ・・・・・。」
ばきっ!!
雪 「あら、焚き木が急にへし折れてしまいました。」
真 「(´・д・`;) ・・・。で、この黒・・・・・。」
ばきっ!!
どうやら、会話をかき消すために、丸太を握りつぶしているようである。
真 「(´・д・`;)あ・・・な・・・なんでもないわ。」
惑 「ちょ・・・すごい・・・剛力・・・ぼそっ。」
岱 「かわいい顔して・・・腕は絡繰なんじゃないのか・・・・・。ぼそっ。」
そろそろ閉店なので、残った餃子を出す。
岱 「ああ、そこの二人もこれ食べていいぜ。」
真 「あら、頂きます♪」
雪 「(*´ー`)私も〜♪」
つまんでいく二人。
雪 「これ、うちのお店でも出したら絶対売れますよ?」
岱 「そうか?こっちの苺餃子はどうだ?(笑)」
雪 「(^−^;)・・・・・。」
岱 「んお?よく食べるなあ、お真さん、こっちの巨大餃子も食べるか?(笑)」
真 「やだ・・・こんな大きいのお口に入らない♪」
岱 「(:。)ミ`;;:゙;`(;゚;ж;゚; )ぶっ。」
惑 「(´゚艸゚)」
雪 「こっちの巨大なのも、一見火が通ってるのか心配ですが、全然大丈夫ですね。」
岱 「はっはっは。炭火使ってるからな。あ、涙雫にお土産で持っていくか?
巨大餃子はさすがに結構余ったからな。」
雪 「(´・−・`)あれ?いっこも無いですよ・・・?」
さっきまで十数個あったはずだが・・・・・。
真 「(^−^*)ごちそうさま。」
岱 「((((;゜Д゜))))全部!?」
真 「(^−^*)こんなにすごいの・・・初めて♪」
岱 「くコ彡`;;:゙;`(;゚;ж;゚; )ぶっ。」
お真は何事もなかったかのように、姿を消した。
岱 「((((;゜Д゜))))かたかたかた・・・・・。」
男 「姐さん!!てぇへんだ!!屋台が!!」
惑 「な、なんなんだい!?」
男 「まぁ、来てくださいよ!!」
と、走ってその屋台に向かう。
遠めに見る限りでは、特に変わった様子もない。
惑 「?????」
男 「あの餡蜜の屋台です。」
一人の男が座って餡蜜を食べているだけである。
惑 「?????」
露店の店員が告げる。
店 「姐さん・・・・・餡蜜が無くなりました・・・・・。」
惑 「なんだって!? あれほど、材料は切らすなと言ってあるだろ!!」
店 「まぁ、一刻で五十人前なくなるとは・・・・・。」
惑 「ええええええええ!?ご、五十人前!?」
と、その一人の男にその叫びが聞こえた。
「おお?拙者が食べ過ぎてしまったか?」
その男、『渥美鉄ノ進』(あつみ・てつのしん)
酒は呑めぬが、甘味を果てしなく愛する漢である。
鉄 「すまぬ、姐さんや。
あまりにも旨く、他の人の分も食ってしまった・・・・・。」
惑 「ああ・・・そのお客さんだったのかぃ。
想像を超えていたから、驚いただけさ、良い喰いっぷりだね。」
鉄 「甘味であれば、いくらでもいけるぞ!!
と、こうしては居れぬ・・・・・お勘定!!」
店 「へ、へい。二万五千になりや・・・・・。」
鉄 「うむ、安いな。馳走になった。
では拙者、先を急ぐ故に、これにて・・・・・御免!!」
惑 「ま、まいどあり・・・・・!!」
鉄 「むぅ、少し塩辛いものが食べたくなったでござる。」
だが、もう財布にはそこまでの銭が無い。
鉄 「こんなこともあろうかと・・・・・。」
懐から印籠を取り出して、中を開ける。
すると、隠し銭が入っていた。
鉄 「はっはっは、なかなか便利じゃな。」
茶店で『みたらし団子』を頼む。
頼 「ん?????あれは・・・どこかの城主の紋・・・・・?」
その様子を見ていた、お頼。
ちょっと気にはなったが、食事を済ませ、戻る。
頼 「ふー、今日も依頼は無しかぁ・・・・・。
こんなんやと、うち餓死してまうで?」
と、しっかり飯を食べておいて・・・・・。
だが、昼寝を終わった後に、依頼が入るとは思いもしなかったのである。
続く。
おまけ。
皆 「( >д<)、;'.・ いっきし!!」
佑 「あれ?姫、風邪ですかな?」
皆 「(*´σー`)いやいや、あたしくらいになると
世間の漢の間では、噂で持ちきりなんよ。」
佑 「(*´ー`)喰いっぷりとかですか?」
皆 「そうそう、団子の後に、汁粉と、雑煮と、焼き餅って・・・・・。
どんだけ餅食べるねん〜〜〜〜みたいな?
って馬鹿。」
佑 「(*´ー`)・・・・・。」