絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の二十
「十色黄金土産」
(といろの・こがねいろ・みやげ)
滝の洞窟
岱 「((((;゜Д゜))))なんだよ、あれは・・・。」
山 「ですから・・・金魚です・・・。」
岱 「まぁ・・・問題ねぇな・・・。お土産だと思えば・・・・・・。」
蘭 「お土産・・・・・?」
五尺くらいありそうな金魚である。
『大海王』で水に浮いたまま、『暴王』で菩薩像を掴んだままの岱。
岱 「絡繰弾丸・・・入れ替え・・・・・完了。」
少し水際に顔を出した金魚に向けて砲撃を。
山 「は・・・まさか・・・撃ってしまうのですか・・・。」
岱 「ふふふふふ・・・いかんなあ・・・人間様に逆らっちゃ。」
蘭 「・・・・・あんた・・・絡繰じゃ・・・。」
岱 「おーい!!おまえら!!眼閉じてろ!!」
蘭 「え?」
山 「芽?」
岱 「『閃光王』!!」
3寸ほどの弾丸が金魚に、ごちんと当たる。
その後、凄まじい閃光が当たりを包む。
蘭 「なるほど・・・目くらまし!?」
岱 「一丁、あがり!!」
巨大金魚にも鎖を巻きつけ、菩薩像が沈まないようにし、引き上げる。
岱 「ふふふ、大きい獲物だ。」
蘭 「食べるの?」
岱 「(`д´)喰うか!!」
と、黄金の菩薩像を渡す。
岱 「ほらよ。これで任務完了だろ?」
蘭 「そうね。依頼して良かったわ。」
岱 「(´゚艸゚)まぁ、報酬さえあれば。」
蘭 「(^−^*)それは大丈夫よ。」
岱 「さて、帰るぜ。」
山 「あの・・・・・眼が眩んで・・・なんにも見えないんですけど・・・・・。」
蘭 「(´・ω・`;)・・・。」
そしてそして、帰りの道中は・・・・・。
岱 「くっ・・・・・でかすぎた・・・・・。」
そう、金魚を背負っているわけで・・・。
そして、その金魚はどうするのか・・・・・。
黄金城
岱 「よぅ!!」
萌 「そなた、いつになったら秘伝忍法帖を持ってくるのぢゃ!?」
岱 「まぁまぁ、そう言うな。今日は土産の『金魚』を持ってきた。」
萌 「金魚とな・・・?」
岱 「そうだ。」
萌 「その名の通り、黄金の魚なのかぇ!?」
岱 「なんだ・・・知らんのか・・・?」
凛 「姫様・・・縁日などには行かれなかったですか?」
萌 「ああ・・・あの小さい魚か・・・。しかも黄金ではないのなら・・・。」
岱 「爺さん、今だぜ。」
蹴 「黒子衆!!持って参れ!!」
蹴田の合図で、黒子衆十人で抱えて持ってくる。
萌 「おお!!なんたる巨大な・・・・・。」
岱 「ま、城にあっても面白いだろう。」
萌 「さっそく、黄金で・・・・・。」
岱 「 (´゚ω゚):;*.:; おい!!」
凛 「とりあえず、早く水に入れた方が・・・・・。」
舞 「(´・ω・`)なんだ・・・食べるんじゃないんだ・・・・・。」
凛 「え・・・・・。なんか今、怖い事言いませんでしたか・・・・・。(汗)」
岱 「さーて、夜に備えて、わしは帰るとしよう。」
茶店『涙雫』
星 「ぶつぶつぶつ・・・全く!!兄貴はおなごには弱いんだからっ!!」
椿 「お星さん・・・あまり呑まない方が・・・よろしいのでは・・・。」
星 「たまにはいいのっ!!」
序 「いらっしゃいませ、お蘭様」
星 「あれ?」
蘭 「こんばんは。」
星 「もう用事は済みまして?」
蘭 「どうでしょ?」
星 「え?」
蘭 「ん?」
星 「だって・・・・・今夜は・・・・・確か。」
蘭 「あら?私・・・言いませんでした?」
星 「へ?」
お蘭の家
岱 「もしもーし!!なんか
誰も居ないんですけどおお!?」
星 「ああ・・・そういう事なんだ。(笑)」
蘭 「今回は嘘は付いてないけど?(笑)」
続く。
おまけ。
惑 「あら?お真さん・・・こんなとこでも?」
真 「あら、お惑姐さんこそ。」
惑 「ここの寺は、孤児がたくさんだからな・・・。
ほんの少しだけど、食費の足しにしてくれたら・・・・・ってね。」
真 「私も同じで御座います、せめて食べ物だけでも・・・。」
惑 「なんでも、どこかの謎の人が大金を置いていくらしいけどね。」
真 「それらしき、怪しい女性を見たような気もします。」
惑 「で、それはなんだい?」
真 「これは玉蜀黍と申しまして、
この毛をかき分けて・・・・・皮を向いて被りつくんです。」
惑 「そ、そうか・・・う、うまいのかい?」
真 「この中から飛び出る白い汁の絶妙な甘さが・・・・・。」
と、一本食べてみる。
惑 「へぇ・・・生でこんなに甘いんだ。」
真 「茹でるか、焼いて食べるとおいしいですけど・・・。
私は生も捨てがたいです・・・・・うふふふふふ。」
惑 「そ、そうか。」