絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)


其の十六
「騙騙詐欺師道」

(だまし・だまされ・さぎしどう)



           堀田繰商店(ほったくるしょうてん)

             黄金城下町から少し離れた場所にこっそり開かれる店。

             盗品やら、なんでも販売をしているのだが、
             うまいこと騙し騙しやっている。

             親方の堀田巻司郎(ほりたまき・しろう)が店主。

             その店番をしているのは・・・・・お蘭であった。




             今日も絡繰電話で何かを話している。

親  『黄金の菩薩像?????そいつは金になりそうだな・・・・・。
       なるほどな・・・・・解った解った、また明日話そう。』


             やり取りを聞いていた、お蘭。



蘭  「親方、おいしい話?私にも廻してくれないの?」

親  「馬鹿野郎、自分で見つけて自分で騙し取ってこそ、詐欺師だろうが!!」




             そう、詐欺師の親方なのである。


蘭  「それは解ってるけど、店番が多すぎてそんなに街行けないじゃん。」

親  「はっはっは、大丈夫だ。
       これは仕事ではない。」

蘭  「え?」

親  「なぜならーーー!!給料なんか出ないからな。」

蘭  「ぇ━━(*´・д・)━━!!!えええええええええええええ!?
       ひどいっ!!騙したのね!?」
親  「詐欺師だもーん。」

蘭  「だもーんって、そんな可愛く言ってもだめですよ!!」

親  「敵を騙すには、まず味方からというだろう?」

蘭  「違う!!使い方間違ってるよっ!!」



             だが、値段の定められてない物は、
             結局、客との交渉で決まる。

             その見切りの限界と話術が、確かに身についているのは解っていた。


蘭  「うーん、やっぱりひとり立ちしないとな・・・。」




             ふと、さっきの親方の言っていた『黄金の菩薩像』が気になった。

蘭  「なんかすごそうな・・・洞窟にあるっていう伝説の宝ね。
        とりあえず、そっちを先に手に入れて・・・・・。
        あ、待てよ?あの奇妙な絡繰男とか、使えるかもしれない。」



             冒険の基本は情報集め。

             とりあえず、いつもの場所。










            賭博場裏

蘭  「・・・・・。」

山  「呼びました?」

蘭  「遅ーーーーいっ!!しかもなんでいつも怪しいこの場所なのよ?」

山  「ここは場所が場所だけに、怪しい人がよく出入りするので・・・。」

蘭  「確かに・・・で、見張ったりすると。」

山  「ですので・・・。」







            後ろを指差す。


山  「ここにも、畑作っちゃいました。」

蘭  「 (´゚ω゚):;*.:;ぶ。 ま、まぁいいです。
         今日は『黄金の菩薩像』についての情報を買うわ。」

山  「え、あの滝の裏の洞窟のですか?」

蘭  「そうそう、場所は解ってるのに、なんで誰も取れないのかな。」

山  「ある場所を教えればいいんですか?」

蘭  「 (´゚ω゚):;*.:;ぶっ。 そこまで解ってるんだ。
         とりあえず、滝の裏の洞窟の入り口から地図書いて。」
山  「洞窟の入り口からですか・・・。」

蘭  「見えるけど取れないとかでしょ?」

山  「そうですね・・・ここからだと見えますけど、取れませんね。」


            地図を描きながら説明をする。

            あちこちに畑を作って、あちこちに売りまわっている。
            そこに眼を付けたのが、お蘭であり、情報員として
            その情報を購入している。

            お山も、数ある畑を地元の農民に土地をただで提供し
            採れたものをいくつか貰うだけというやり方でやっている部分もあり
            自分自身はあちこち廻れるという按配である。


蘭  「って、言った事あるの?」

山  「ええ、何度か。」

蘭  「じゃあもう直接案内してよ。」

山  「解りました。」

蘭  「んじゃ、雇い賃は後払いって事で。
         えーっと、後は、使えそうなのは・・・・・あいつか・・・・・。」











            茶店『涙雫』

岱  「お雪ちゃん、今日もいい桃だなっ。」

雪  「もぅっ、岱さんったらっ!!」


             ぐきっ。

岱  「はぐーーーーーーーっ!!
         そ、そうだった・・・お雪ちゃんは・・・。」


序  「お雪さん、氷を割ってもらいませんか?」

雪  「はぁ〜い♪」




            ( ^ー^)==Oすぱーん!


             ばきっ!!


序  「いやぁ、どうもどうも。」

雪  「(*´ー`)」



             お雪、時折力の制御ができないが、
             相当な怪力の持ち主である。

             とくに、天然全開の時の、通称『雪椿』と、
             酔った時の通称『黒椿』には、気をつけないといけない。



蘭  「ああ・・・なんであんな奴を・・・。」


             あんな奴でも身体に仕込まれてる絡繰は一級品。

             いたずら厳しく三級品。


蘭  「ああ・・・ああ・・・名無三だっ!!」


 
             と、岱に近寄る。



蘭  「ちょっと、そこのお兄さん。
        力を貸して欲しいんだけど。」
岱  「ん?」

蘭  「どうしても欲しいお宝があって・・・。」

岱  「ほう?なぜわしを選んだ?」
蘭  「その身体に仕込んだ武器をね・・・。」

岱  「ほう・・・こっちか!!」


             妹−_−)=O)X_X兄)


星  「こんの馬鹿兄貴っ!!白昼堂々、帯を解いて何をするつもりだったのかと。」

岱  「え・・・だって、この姉さんが、わしの武器を・・・。」

星  「まだ言うかっ!!」










             しばらくして。


岱  「( ̄- ̄#)y─ひりひりひり。」

星  「もう本当にごめんなさい。」

蘭  「い、いえ。(汗)」

星  「違う意味で危険ですが、いいんですか?」

蘭  「え、ええ。」

岱  「( ̄- ̄ )y─~~ でも、わしやるとは言ってないし。」

蘭  「報酬としては・・・なんなんですが・・・。
          私の家・・・・・今夜・・・・・誰も居ないの・・・・・。」


岱  「( `・д・´)やらいでかっ!!

星  「・・・・・・・・。(汗)
         まぁ、そちらがいいなら・・・・・いい・・・・・のかな・・・・・。(滝汗)」













蘭  「やっぱ・・・間違えたかな・・・・・。」








             かくして、お蘭のお宝捜索隊が結成されたわけでした。




             続く。











































おまけ。


空  「ん?」

相  「((´∀`)) 私にも剣術教えてくださいよ、お奉行。」

空  「え、やだ?」

相  「((((;゜Д゜))))なんでな!!」

空  「基本がなってない奴が刀持っても、ろくなものにならんよ。」

相  「(´・ω・`)」

空  「まずは、定めた基礎練習を1年。
        それまでは十手だ。」

相  「(´・ω・`)はい。」

空  「てか、その十手で刀を持った相手でも十二分に捌けるようになったらな。」





           確かにその後の、刀を持った全力のお風の攻撃をひたすら十手で凌いでいる。

           それどころか、お風の隙をついて、防御も叩き込む。


空  「ほらほら、こっちがお留守だよ。」

風  「くっ・・・・・。」











空  「ま、おまえさんは十手だな。
          刀も似合いそうにないしな。」







風  「それはどういう意味だ・・・・・。」

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