絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の十五
「呼参上十二支」
(よばれて・さんじょう・じゅうにのなかま)
塔
お風は刀をすっと前に出したかと思ったら、鞘に収めた。
用 「どうやら、実力の違いが解ったようだな。」
悪 「ま、おとなしくすれば、悪い様にはせんよ。」
風 「そうだな・・・。」
だが、お風の顔には笑みが浮かぶ。
風 「貴様等ごとき、刹那の時間で全てが終わる。」
用心棒の持つ刀、着物、全てが斬り刻まれる。
用 「な、何ぃ!? 俺を滅多斬りにした!?」
悪 「な、なんだこいつは!?」
その二人の方に歩み寄る、お風。
風 「さて、私も鬼ではない・・・・・。一度だけ生き延びれる選択肢をやろう。
巻物を渡すか、渡さないか。」
用 「お、おまえ・・・。」
用心棒の喉元に刀を突きつける。
風 「『渡す』か、『渡さない』か、どちらかだけだ・・・。」
悪 「ちっ・・・。」
秘伝忍法帖をしぶしぶ渡す。
お風は、それを猪に渡す。
風 「確認しろ、それは本物か?」
猪 「・・・・・本物です!!」
悪 「!?猪がしゃべった!?」
風 「ふん、秘伝忍法帖の効果も知らず・・・・・か。
ひとつ忠告しておく、懲りずに忍法帖を集めるもまたよしだが・・・・・。
次は容赦しない。」
用 「お、おまえ・・・。」
刀を手に突き刺す。
用 「ぐはああ!!」
風 「貴様は黙っていろ。」
刀を鞘に戻すと、後ろを振り向いた。
風 「気が変わらないうちに消えろ・・・。屑共。」
悪 「うはぁ!!」
そそくさと逃げ出す二人。
風 「次はまともな用心棒でも雇うんだな・・・。」
しばられた子供を解く。
子 「ありがとうー!」
子 「ありがとう。」
風 「まぁ、町までは連れていってやるか・・・・・。
だが・・・騒いだら・・・斬るぞ?」
子 「は、はいっ。」
猪 「あなたが一番怖いよ・・・。」
元来た道ではなく、五重の塔の一階から外に出た。
そして無事に子供達を親元に帰す事ができたのである。
子供達が「怖かった」と口々に言うのは、
果たしてどこだったのだろうかと、猪は不思議に思った。
猪 「では、秘伝忍法帖 『地の巻』を・・・・・。」
風 「ああ、そうだったな。」
お風は、指笛を鳴らした。
数秒後、風に木々が揺れた。
お凛 「|木|_・) ひょっこり。」
お風 「お凛、面白そうな土産をやろう。」
お凛 「|壁|_・)わわわっ、ま、また開いたら血が滴り落ちる巻物とか嫌ですよ。」
猪 「結構ひどい事してますね。(汗)」
お凛 「((((;゜Д゜))))猪がしゃべった!!」
そんなお凛に、『地の巻』の使用説明するのは少々難だった。(笑)
『たのもしい十二体の仲間』と、お凛は思っていた。
巻物奪還という用件を済ませた猪は戻っていった。
お凛 「お風さん、ありがとうございます。」
お風 「剣の道を行く私には無用だったからな。」
お凛 「さっそく、ご挨拶も兼ねて、ひとつ呼んでみましょう♪」
お風 「用件も無いのにか・・・?」
お凛 「我は求め訴えたりっ!!出でよーーーーっ!!」
巻物から煙が噴出し、何かが現れた。
お凛 「はれっ・・・。」
下半身が蛇の女性のようである。
蛇 「なんだ、小娘。何用だ?」
お凛 「え・・・あ・・・あの・・・ご挨拶を兼ねて・・・。(汗)」
蛇 「ほぅ?明確な理由も無く、この私を呼んだのか?」
お凛 「え・・・あわわわわ;;」
蛇 「では、肩を揉め。それで満足して帰ってやろう?」
お凛 「(´;ω;`)は、はいっ!!」
文句を言われながらも、肩を揉む、お凛であった。
お風 「主従が逆転してるな・・・・・まぁ、いいか。」
続く。
おまけ。
岱 「(ρω-).。o○ぐぅ〜。」
星 「兄貴兄貴兄貴兄貴兄貴っ!!兄ー貴ーっ!!」
岱 「(ρω-).。o○ なんやねん。」
星 「呉服屋が超大売出しみたいだよ!!」
岱 「(´・ω・`)知らんがな。」
星 「(´・ω・`)えー。」
音 「岱ちん岱ちん岱ちん岱ちん岱ちんっ!!岱ーちーんっ!!」
岱 「(´・ω・`)なんとなく・・・・・用件解った。」
音 「(*`・ω・´)あのねぇあのねぇあのねぇあのねぇーっ!!」
岱 「あああああああ・・・。」
結局連れまわされる岱であった。
岱 「(´・ω・`)・・・・・。なんで、勝手に行かんのやろ・・・?」