絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の十三
「事件現場発起」
(じけんは・げんばで・おきている)
黄金城
凛 「なんでも最近、町の子供が行方不明になってる事件が多いんですって。」
風 「行方不明・・・?」
黄金城内の茶室にて。
舞 「すぐ探さないと、駄目なんじゃ?」
凛 「そうなんですけど・・・私たち忍者部隊も依頼がいっぱいいっぱいでして。
私もすぐこの後、依頼者のお話を聞きに行かないと・・・。」
風 「どの辺りかも解らないのか?」
凛 「それが、森近くにちょっと大きな木の切り株があって、
その奥に洞窟があるらしいんです。」
舞 「場所解ってるなら、お舞が見て来ましょうか?」
凛 「ああ・・・。お舞さんは・・・・・ちょっと無理かもです。」
舞 「ぇ━━(*´・д・)━━!!!」
凛 「多分・・・・・胸がつかえて入れないかと。」
風 「よし、私が見に行こう。」
凛 「あ、お風さんな・・・・・あ!!(滝汗)」
風 「何か・・・言ったか?」
凛 「((((;゜Д゜))))いえいえいえいえいえいえいえいえ。
そ、そうですよね、お風さんなら、切り株くらい斬ってしまうので行けそうですっ!!」
舞 「そ、そうです。さらしを巻いてるからっていう意味で・・・。(滝汗)」
ニ尺八寸のお舞と・・・・・○尺○寸のお風。
風 「ふん・・・・・まぁ、退屈凌ぎだ。」
城を出たはいいが、森とは言え広い。
切り株は一体どこに???
風 「おい、そこの野菜売り。
行方不明事件のある切り株を知らぬか?」
山 「え?あの切り株ですか?危険なので近寄らない方が・・・・・。」
風 「そんな事は聞いていない。」
山 「あ、はい、ごめんなさい。この先のですね・・・角を曲がって・・・。」
とりわけ遠いわけでもない、
そこまで民家から離れてる場所でも無い。
むしろ、だからこそ子供だけで遊んでいたのだろう。
切り株までやってきた。
確かに、この開いている穴。
子供なら余裕である。
風 「・・・・・。いくらなんでも・・・。」
すとん。
胸がひっかかる事もなく、余裕で入れた。
風 「・・・・・・・・・・。」
中は、自然にできたとは言いがたい洞窟のようになっていた。
土の中に迷路ができている・・・そんな感じだった。
風 「誰がこんなものを・・・・・?というか、人の成せる技なのか・・・・・?」
確かに人が掘って作るにはかなりの労力を必要とする。
風 「子供が好きそうな場所だな・・・・・。」
とりあえず、右壁伝いに歩いてみる。
行き止まりだった場合は、その分岐点に刀で深く印をつける。
その方法で、ほとんどの行き止まりという選択肢が消えたはず。
だがしかし、なぜか『行き止まりだったはずの場所』に道が繋がっていた。
風 「ば、莫迦な・・・・・。」
何者かの罠かと思ったが、この独特の傷は、
お風の刀『七代祟(しちだいたたり)』の刀傷である。
風 「なんだというのだ・・・・・妖(あやかし)か?はたまた、忍法か?
後者と考えるのが自然か・・・・・。」
『こっちだよ。』
風 「ん?」
どこからともなく、呼び声が聞こえてくる。
風 「きのせいか・・・・・。」
『この手の状態の時は、気のせいって事はありえないよ。』
風 「・・・・・。確かにな・・。(汗)」
こっちとか言われてもよく解らず、とりあえず進む。
『そうそう、こっちこっち。』
風 「一体・・・・・。」
『おっと、そっちじゃないよ。』
風 「どうやら、この誘拐事件と関係ありそうだな・・・・・。」
『普通にそうだよね。』
風 「・・・・・。心まで読むのか・・・・・。」
その案内の先には、猪(いのしし)が居た。
風 「おまえは・・・・・。」
猪 「やっと来てくれたね。」
風 「今夜は牡丹鍋か・・・。」
猪 「ぇ━━(*´・д・)━━!!!」
続く。
おまけ。
蘭 「あのさ・・・・・。情報収集依頼したよね?」
山 「あ、お蘭さんおはようございます。」
蘭 「いやいや、おはよーじゃないっての。
絡繰兄妹の情報・・・・・。」
山 「あ、ちゃんと手に入れてますよ?」
蘭 「ああ・・・なんだちゃんと仕事してたんだ。(笑)」
山 「はい〜。」
蘭 「で?」
山 「兄の方は、きのこが嫌いのようです。」
蘭 「え・・・?」
山 「ですから・・・絡繰兄妹の情報を・・・。」
蘭 「それで私にどうしろと・・・。」
山 「ごめんなさい・・・。」