絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の十一
「聳木黄金林檎」
(そびえし・きは・おうごんりんご)
黄金城
舞 「( ̄- ̄ )ん?」
早起きした、お舞。
寝ぼけ眼で見たものは・・・?
蹴 「!!」
舞 「あれ?何してるんですか?」
萌姫の奇抜な趣味で、黄金で作られた物を袋に入れている。
蹴 「あ、いえ、姫の黄金の小物を磨いて差し上げようかと。」
舞 「そーなんだ。あ、でも、なんで最近色々無くなるんでしょ?」
蹴 「そ、それは・・・磨きすぎて削れて無くなってしまうからですよ。」
舞 「w( ̄□ ̄;)w そーなんだ!!」
蹴 「そんな理由で納得するんだ・・・・・。」
萌 「爺!!爺はおらぬかー!!」
今度は叫びをあげる萌姫。
朝っぱらから騒がしい城である。
蹴 「はいはい、なんで御座いましょう、姫?」
萌 「わらわの林檎果汁用の黄金の茶碗が無いぞ?」
蹴 「黄金と云う物は腐りやすくて(嘘)、現在新しいのをご用意しております。」
萌 「むむむ、そうであったか、早急に作るのぢゃ。」
蹴 「何が・・・むむむじゃ・・・。」
萌 「何か申したか?」
蹴 「いえ、なんとも。」
よく解らない理由で納得する二人であった。
蹴 「ふぅ・・・莫迦者が多くて助かったわい・・・。」
その目線の先に、お風の姿が。
蹴 「ほう、お風殿。こんな時間から稽古ですかな?」
風 「そうだ・・・見回りを兼てな・・・・・。
まぁ、よもや・・・城内に盗人などは居ないと思うがな・・・。」
蹴 「はっはっは、こ、この私も居りますゆえ、大丈夫かと。」
風 「そうだな・・・まぁ・・・もし居たとしたら・・・。
そんな手癖の悪い腕は斬り落としてしまえばいいからな・・・。」
蹴 (気付いているのか・・・?)
蹴田はそうやって、黄金の品々をばれないように、
遠き地からやってくる商人に売りさばいているのであった。
商 「へっへっへ、毎度あり。」
蹴 「また、次の新月の夜に頼む。」
商 「わかりやしたっ!!また、よろしく。」
萌姫自身は、一つの物への執着心がさほどなく、
結構飽きっぽく、また、物品の処分も自分でするわけがないので
何も気付かないのである。
蹴田に言わせれば、物品の有効利用と言うわけだが、
それが懐に入ってるのが問題であろう。
萌 「爺!!爺は居らぬか!!」
蹴 「はいはいはいはい、何でしょう?」
萌 「庭に、林檎の木を植えようぞ。」
蹴 「え・・・?もしや、北国の?」
萌 「そうぢゃ!!毎日飲みたいではないか。」
蹴 「し、しかし、この辺りの気候では、育つわけもなく・・・・・。」
萌 「どうすればいいのぢゃ?」
蹴 「林檎の木を黄金で作る・・・。(笑)」
萌 「それぢゃ!!」
蹴 「 (´゚ω゚):;*.:;ぶ 姫っ、冗談ですぞ、何の意味も無いです!!」
萌 「何を言う。綺麗ではないか?」
蹴 「ああ・・・こういうお方だった・・・。」
舞 「(*´ー`)もし食べたら歯茎から血が出ますね。」
蹴 「それで済んだらいいですな・・・。
お凛!!お凛は居らぬか!!」
凛 「ただいまっ!!」
ひょいっ!! くりんっ!! ごちん!!
凛 「(´うω;`)あ〜ん。」
萌 「な、何かすごい音がしたのぢゃが・・・。」
凛 「ご用件はなんでしょう?」
蹴田の書いた巻物を受け取り、また姿を消した。
数日後。
萌 「見よ、この豪華絢爛な庭を。」
凛 「ああ・・・なんかすごい事に・・・。」
庭に輝く、黄金の林檎の木。
もちろん、育つわけが無い。(笑)
蹴 「一体なんの役に・・・・・。」
舞 「あっ!!誰か覗いてるっ!!」
蹴 「曲者かっ!!」
すぐに、お凛とお風が姫の前に立つ。
風 「姫、下がってくだされ。」
舞 「(`・ω・´)ノ ぽき。」
舞は黄金の林檎を一つもぎとった。
舞 「えいっ( `・ω・)ノ=================б」
ごち。
何かの叫び声が上がった。
舞 「(*´σー`)ほら、防犯?????」
蹴 「し、しっかり黄金の林檎を取られてしまったではないか・・・。」
風 「外壁の警備は何をしておるのだ!!」
お風は、すぐに外に飛び出ていった。
凛 「姫様、もう大丈夫だと思います。」
萌 「うむ、ご苦労ぢゃった。」
と、いう事で黄金城の庭には、
黄金林檎が常備される事となったが、萌姫が林檎果汁を飲むのとは
全く別の話でした。
続く。
おまけ。
星 「兄貴・・・・・大半の読者様が予想してたと思うけど・・・。
そのでっかぃたんこぶ・・・どしたの?」
岱 「まぁ・・・天空の贈り物かな・・・・・。」
星 「・・・。」
岱 「とほほ・・・黄金の塊じゃなくて、鍍金(めっき))かよ・・・。」
星 「何しに行ったか聞く前に、殴っていい?」
岱 「((((;゜Д゜))))えええええええええええええええ!?」