絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の十
「伝応堀幽霊現」
(でんおうぼり・ゆうれい・あらわる)
伝応堀
凛 「やってきました・・・・・。」
頼 「せやけど・・・なんで昼間なん?」
凛 「え・・・だって、夜だと出たら困るじゃないですか・・・。」
頼 「何の調査をしにきたねんな!!」
凛 「(´・ω;`)ぐすん。」
結局、一時退避して、夜が更けるのを待つ。
再び、伝応堀にやってくる。
こわごわと辺りを見回す、お凛。
お頼の着物の裾を引っ張っている。
凛 「あ、提灯要りますね。」
頼 「なんでやの?」
凛 「だって、出たら怖いじゃないですか・・・。」
頼 「提灯持ってるだけで出てこーへん『お化け』なんて怖くなんてあらへんやん・・・?」
凛 「(´うω;`)うえええええええん。」
頼 「で、この情報によると・・・越後屋の前の橋付近・・・・・。
越後屋か、阿漕な商売しとるようやし。」
凛 「((((;゜Д゜))))もしやっ、越後屋に騙されて、亡くなった人の怨念が・・・・・。」
当然ながら閉店している越後屋の前を歩く二人。
「うらめしや〜。」
凛 「((((;゜Д゜))))ぎゃあああああああああああん!!」
頼 「((((;゜Д゜))))!!なんやねんなっ!!」
龍 「あははははは、何してるん?くのいち二人で。」
頼 「あんさん、誰やねん・・・。」
龍 「あたし?あたしは、『お龍(おりゅう)』ってんだ。
さっきから見てたら、幽霊がどーのこーのってね。
何をしてるのかな〜って、まぁ、答えは聞いてないけどね。」
凛 「(´;ω;`)ううう。幽霊が出たかと思ったじゃないですか・・・。」
頼 「な、なんか、すごい声出してたもんね・・・・・。」
凛 「(´;ω;`)」
ふと、凛が何かに気付いた。
凛 「((((;゜Д゜))))ぎゃあああああああああああん!!」
頼 「な、なんやねんな!?」
凛 「((((;゜Д゜))))あ・・・足・・・足・・・。」
怖くて声が出ない、お凛。
お龍の足を指差す。
頼 「((((;゜Д゜))))!!足が無いっ!!」
龍 「ああ、だってあたし幽霊だし。」
凛 「(´;ω;`)そんなさらっと言わんでもええやん。」←関西弁移った。
頼 「((((;゜Д゜))))で・・・・・出た・・・・・けど・・・なんやろこの不思議な感じ。」
龍 「いーじゃん?あたいくらい友好的な幽霊もそうそう居ないよ?」
凛 「(´;ω;`)はぐ・・・えぐえぐえぐ・・・・・。」
頼 「ああ、もう、この子は・・・。ほらほらもう泣かんの。」 ←年下。
龍 「あたしのすごさにお前が泣いたっ♪」
凛の涙を拭きつつ、お龍に一番聞きたい事を聞いてみる。
頼 「せやけどなんで幽霊になったん?」
龍 「ああ、もう、語るも涙だよ?」
頼 「な、なんなん?」
龍 「越後屋の『くじ』で、『戦国列伝』という物がありまして・・・。」
凛 「あ、知ってます。うちの先祖代々の家宝にもあります。」
頼 「・・・。くじの景品が・・・?」
凛 「はい・・・。」
頼 「ちなみに?」
凛 「直江の手甲で作ったと言われる青竹踏みです・・・。」
龍 「いーじゃん!!いーじゃん!!それ、すっげーじゃん!!」
凛 「ですよね?ですよね?」
頼 (あー、どうでもいい・・・。(汗))
凛 「で、お龍さんは何が欲しかったんですか?」
龍 「突然、最近欲しくなって・・・欲しさのあまり化けて出たんだよ・・・。」
凛 「(´;ω;`)泣かせる話です。」
頼 「どこがやねんな!!」
龍 「欲しいなあ・・・。」
と、お龍の指差した立てかけてある看板を見る。
頼 「えーっと、戦国草鞋織田仕様・・・。」
龍 「わーらーじー!!欲しくない?答えは聞いてるよ?」
頼 「(´・ω・`)あんさん・・・履けへんやん・・・・・。」
幽霊なので、足が無い・・・・・。
龍 「((((;゜Д゜))))ああっ!?」
凛 「((((;゜Д゜))))それは盲点ですっ!!」
頼 「盲点か・・・?」
龍 「えーっと・・・じゃあ・・・もう・・・本望なんで・・・成仏します。」
頼 「あ・・・ああ、た、達者でな・・・。」
龍 「ううう・・・。」
凛 「(´;ω;`)泣かせますね・・・。」
頼 「いやいやいやいやいやいやいや。」
かくして、幽霊騒動の解明はできた。
こんな信じられない内容を、上が信じたのでしょうか?
龍 「ほらほらほらほらっ!!」
空 「解った!!信じるぞ!!だから、まとわりつくなっ!!」
相 「ひいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
凛 「(^−^*)」
頼 「成仏方法忘れから・・・しばらく住み着くらしいよ。」
凛 「良かったですね。」
頼 「幽霊・・・怖くないん・・・?」
凛 「戦国好きに悪人は居ませんよ?」
続く。
おまけ。
皆 「およ?これがちまたで噂の『戦国列伝』つうくじじゃね?」
佑 「左様に御座います。」
皆 「にんにきにきーん♪」
佑 「駄目です!!」
皆 「いーやーだー!!あーたーしーもーひーきーたーい!!」
佑 「姫っ!!」
皆 「いーやーだー!!佑吉の莫ー迦莫ー迦莫ー迦!!」
佑 「なんたる子供染みた・・・・・。しょうがないな・・・一回だけですよ。」
皆 「やっほぃ♪ おじさーん、くださいなー♪」
ぺら。
皆 「(´;ω;`)青竹踏み・・・・・?」
佑 「健康に良さそうですな。」
皆 「戦国関係無いじゃん・・・。」
佑 「いえいえ、かの有名な清洲城近くの竹林の竹を使用してるそうですよ。」
皆 「(´;ω;`)いーやーだ!!
しかもなんか、前世でも合ったような変な感じ。」
佑 「さ、踏み踏み踏み踏み。行きましょうか。」
皆 「(´;ω;`)」