絡繰秘伝忍法帖
(からくり・ひでん・にんぽうちょう)
其の五
「世花姫様乱咲」
(よのはな・ひめさま・みだれざき)
黄金城
萌 「う〜ん、秘伝忍法帖はすぐ手に入る物でもないようぢゃのぅ。」
蹴 「姫、そんなに眉間にしわを寄せてると、二度と取れなくなりますぞ。」
萌 「・・・。ひどす。」
あっちうろうろこっちうろうろな萌姫。
萌 「退屈じゃ・・・・・。黄金で鯉でも作って池に浮かべようぢゃ。」
蹴 「浮く・・・・・んですか?」
萌 「浮かせるのぢゃ。」
蹴 「またそんな事を・・・鍛冶屋も困りますぞ。」
萌 「やだやだやだやだ、余は退屈ぢゃ!!」
蹴 「もういい歳なのですから、我侭を言わないようにお願いします、姫様。」
萌 「お風・・・・・爺を斬れ。(笑)」
風 「御意。」
と、姫の御前で唯一抜刀が許可されてるのは、お風だけである。
蹴 「いやいやいやいや、『御意』じゃないでしょう!!」
風 「姫様の命とあれば・・・。」
蹴 「いやいやいや、お舞殿も姫様になんとか言ってくだされ。」
舞 「もう・・・食べられません・・・むにゃむにゃ。」
蹴 「最悪だ・・・この面子・・・・・。
さっさと、黄・・・・・・おっとっと。」
萌 「ふん、どこの姫も同じ事を言っておるに決まっておるのぢゃ。」
恋門城(れんもんじょう)
「いーやーだ!!」
佑 「ひ、姫様っ!!」
どうやら、同じような城があったらしい。
駄々をこねるは、城主が娘『お美奈』
人呼んで『美奈恋門(みなこいもん)』
その対処に困るのは、佐々木祐吉(ささき・ゆうきち)
美 「城同士のどーのこーのなんて、あたし関係無いもん。」
佑 「そう言われましても、ここは城の体面が御座いまして・・・。」
美 「いーやーだ!!連れられて会合に行っても、
城主の息子とか、奉行の息子とか、みんな不細工だし。」
佑 「((((;゜Д゜))))なんてことをー!!」
美 「あたしはもっと、燃えるような恋がしたいの!!」
佑 「とりあえず、自室で写経でもしていてください。」
美 「(`皿´)あたしは出家するわけじゃない!!」
結局また、部屋に閉じ込められる。
美奈は自分の立場を恨みつつあった。
町娘のように色々な職についたり、
熱々のおいしい物(毒見のせいでいつも冷え冷え)を食べたり、
自由に恋がしたかった。
美 「ちきしょ、もう家出するっきゃないな・・・。」
え?
美 「(。`・д・´)そうじゃん!!家出するだに。」
と、思い立ったが吉日。
すぐに、風呂敷に荷物をまとめる。
美 「(。`・д・´)えーっと、着物は派手だからなぁ。
ちりめん問屋の隠居でも装いたいから・・・・・。
誰かの服でも盗む・・・・・いや、町で買えばいいか。
こんなこともあろうかと、抜いておいた小判を。」
ふと、台所へ。
美 「(。`・д・´)そー。」
女 「これは姫様っ、なぜこのような所に。」
美 「(。`・д・´)お腹すいた。」
女 「まだ、用意できていません。」
美 「(。`・д・´)そこの、おにぎりでいいよ。」
女 「いえ、毒見もしてない物を出すわけには・・・・・。」
美 「毒見毒見ってさ、ばらばらに入れてたら、
毒見しなかったやつに毒入ってたら、意味なくね?」
女 「え・・・・・確かにそういう・・・・・いえいえいえいえいえ。」
美 「(。`・д・´)だから、おにぎり頂戴。
いつもの料理より、そっちの方がおいしそう。
いっぺん、食べてみたかったんだー。」
女 「だめったら、だめです!!」
美 「(。`;д;´)けちんぼ。」
食料作戦は失敗に終わった。
しかたないので、とりあえず城を脱出する事にする。
美 「そういえば、壊した壁の修理がまだだった・・・・・。」
以前、蹴り飛ばして大きな穴を開けた壁の修理が終わってない事を思い出した。
美 「(。`・д・´)脱出大作戦・・・開始!!」
美奈恋門の、脱走劇が今幕を開けた。
続く。
おまけ。
萌 「そちはなんぢゃ?」
美 「(。`・д・´)美奈だよぅ。」
萌 「ほほぅ、これはまた派手な着物じゃのぅ。
蛍光桃色とでも申すのか・・・・・?」
美 「(。`・д・´)そちこそ、金ぴか金ぴかだね。
光線でもはじくの?」
萌 「(ノ∀`) これは特注の黄金の糸で編んだ着物ぢゃ。」
美 「(。`・д・´)ふーん。でもさ、人間中身だよっ!!」
岱 「そうそうそう。だから、まず脱・・・・・。」
妹−_−)=O)X_X兄)
星 「すみません、愚兄がお邪魔しました・・・・・☆」