魔術都市
151話「光と闇と…」









          サストブッシュー領


アイ 「とりあえず、このネズミどうするの?氷が溶けたら、まためんどくさいんじゃ?」


          凍りついたジズニィをコンコンと叩きながらアイはちょっと破壊衝動にかられる。


スワ 「うーん、無抵抗の者をどうにかするっていうのも…。」
アイ 「今は動けないだけだし、動いたらまた、襲ってくるよ。」

マシ 「探索魔法レミラーマ!!


          ジズニィの左手の甲に何かが光った。


マシ 「それだ、そこに魔法石がある。」

アイ 「はいな。」


          アイはその魔法石を強引に外す。
          わざと少し腕をヘシ折った気もする。

アイ 「コレがエボルシャス…進化の秘法ね。
   私が使ったらどうなるんだろう?


スワ 「ダメですよ、【進化】とは名ばかりで、結局人間そのものを失ってしまうんです。
     それが本当に進化と呼べますか?

アイ 「じょ、冗談ですよ。」

スワ 「私はこれを【魔法】とは思いません。
    本来魔法は人を救うためにあるんです。これは誰かが不幸になります。」

アイ 「そういう力使わないと救えない物もあるんじゃないの?」

スワ 「その考えは浅はかです。そんな力で救うものって、本当に解決すると思いますか?」

アイ 「・・・。うーん・・・。」


マシ 「とにかく、これはミーが預かる。」


         マシンはエボルシャスの魔法石を身体のどこかに隠した。


スワ 「この国には転送ができない…やはり、すぐに列車で帰るしか無いのかしら。」

マシ 「こういう状態になった以上、学校が危ないな。」

スワ 「ただ、私達2人が帰らないと危ないってLVは正直…無いと思います。
     本当に危険なら、私達が居た所でどうにもならないって意味でです。
     校長含め、ヒメ先生・テッケツ先生が敗れるような事は…。」

マシ 「確かに…。ティーチャーヒメをも倒すほどの力であるなら、誰も抗えないとも言える。」

スワ 「そうです。あの学校にはおそらく【人間での四天王】の方々が居ますので。
     スワだとすれば、私達はこの国で何が起こっているのか…。
     フウゲツさん達のご家族はどうなったのか、それを解決する方に回った方がいいと思います。
     もし、何かあってもマシン先生が居ればなんとかなると思います。」

マシ 「ふーむ。」


スワ 「アイさん、フウゲツさん達の向かったはずであろう場所、案内してくれますね?」

アイ 「((((;゜Д゜))))えっ、私はこの国に居たくないんだけど…。」

スワ 「案内…し て く れ ま す ね?


        こういう時は絶対に引かないであろうと予想がつき、アイは諦めた。


アイ 「((((;゜Д゜))))わ、解りましたよ。」


スワ 「あの魔光星とかいう集団だけじゃないと思うんです。」
マシ 「ホワイ!?」

スワ 「あの強さなら、こんな小細工無しで、正面から行けばいいだけなんです。
    おそらく、このジズニィと、奇妙な取引でもしたのでしょう。
    本当にエボルシャスが欲しいだけなら、ジズニィの石も奪ってるはずなので。」

マシ 「なるほど。」





         そして、3人はフウゲツとロプを追う事にした。







         一方、飛ぶ魔族を追ったマナとMJは、数体を撃ち落とし、
         さらに追い続けていた。



マナ 「さすがに陸路じゃ限界があるわね。」
MJ 「走りながらじゃ難しいですし。」


         そうはいいつつも、また1体の羽を弾丸が貫いた。



ジュ 「!!」


         それはジュリナであった。
         頭にきたジュリナはマナの所へ降り立つ。


ジュ 「お姉ちゃん、私を怒らせたいわけ?」

マナ 「あなたが怒った所でどうにかなるというの?」

ジュ 「それはこの魔族の力の侮辱って事でいいよね?」

マナ 「悪いけど、そういう道に行くというのなら、姉として全力で止めさせてもらうわ。」

ジュ 「できるものなら、やってみなさいよっ!!」




        ついに、姉妹の対決となる。



MJ 「マナさん…。」

マナ 「いいわ、ココは私1人でいいから、ザコでも撃ち落してて。」
MJ 「解りました…。」

マナ (とりあえず、この子を手元に置いておけば…。)



        ジュリナが魔法の詠唱を始めた。
        紫色のオーラが廻りに見え、バチバチと音を立てていた。


マナ 「!!」


        マナも精錬魔法【十字架】に鋼鉄魔法アストを重ねがけし、地面に刺した。


ジュ 「暗黒封印魔法エビルデイン!!


        多少のダメージはあるものの、大半の暗黒の雷は、十字架の避雷針へ落ちた。


ジュ 「!? なぜ、これがエビルデインだと…。」

マナ 「さぁね? 女の勘かしら?」



        実際は過去に見た、アイの暗黒魔法に感じた力と、一時的に引き落とす静電気を感じた事で
        大方の予想はできたのである。


ジュ 「ふざけないで!!」

マナ 「ちょっとだけ、アナタもシビレさせてあげるわ。」

ジュ 「へぇ、デイン系は普通の家系じゃあまり使いこなせないって知ってるよね?」

マナ 「そうね、私達の家系じゃ厳しいかもね。」


        現にフウゲツなど勇者の一族と呼ばれる家系にしか使いこなせないとは言われている。

マナ 「私が雷雲魔法ラナリオンを習得していたら、呼べるかもしれないわね。」










        マナの秘策は、本当にラナリオンからのライデインなのであろうか?

        姉妹対決の行方は…。











        つづく。

















































おまけ。


リン 「(^ー^*)〜♪ ふふふ〜ん♪」

ネネ 「(^ー^*)リンちゃん、ごきげんだね。」

リン 「(^ー^*)なんか、台所に立ってるだけで嬉しいです。」

ネネ ((^ー^*)え〜っと、なんだろ?スパイスをカレーかなあ。)






リン 「(^ー^*)ふんふふ〜♪ んふふ〜♪ 誰にあげようかな〜♪」

マイ 「(`・ω・´)? あれっ、リンちゃんが炊事場使ってる。」

リン 「(^ー^*)んふふ〜〜〜〜♪」

マイ 「(`・ω・´)なんか楽しそうに作ってる、スパイス…?ハンバーグかな???」

リン 「(^ー^*)ふふ〜んふふ〜〜〜〜んふふふふ〜〜〜〜♪」




ヒメ 「(^ー^*)にっこり。あらリンちゃんお夕食なのね。(汗)」

リン 「(^ー^*)え?夕食当番は私じゃありませんよ〜♪」

ヒメ 「(^ー^*)???(滝汗)」



     通りかかった何人かが、リンが楽しそうに調理してるのを見たそうだ。









ミル 「ねぇ、リンちゃんが夕食作ってるって噂だけど?(汗)」

マイ 「(`・ω・´)多分、ハンバーグだね。」

ネネ 「(^ー^*)きっとカレーだよ。」

ミル 「え、なになに、肉とスパイスがあったの?」

ネネ 「(^ー^*)たくさんの野菜もあったよ。」

ミル 「(`・ω・´;)やっぱり夕食なのかな?」



ヒメ 「え?夕食じゃないって言ってたわよ?」

ミル 「(`・ω・´;)明日の朝食ってオチじゃ?」




クウ 「どうしたんだい?レディ達の午後のまどろみの時間かい?」

ヒメ 「あら、クウチロせんせ。」

ミル 「いえ、リンちゃんが何か夕食っぽいものを作ってるらしくて。」














クウ 「え?バレンタインチョコ作るから、調理室の使用許可くれって来たけど。」

全員 「((((;゜Д゜))))チョコっぽい匂いは一切無かった!!

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