魔術都市
147話「走る列車の上で」









          魔導超伝動列車内


          ナナティオが居ないと言う報告で、スワンとマシンは他の車両を探す。


スワ 「一体…。」

乗務 「すみません、こちらから先の車両はお通しできません。」

スワ 「という事はこの先には人は行ってないですね?」

乗務 「関係者以外立ち入り禁止です…というかお客様、緊急事態ですので
     客室にお戻り下さい、何かあった場合こちらも責任が取れませんので。」

スワ 「すみません…。」




          先頭車両へ向かったスワンは隣で止められた。

          その関係者とやらが、出入りをしている。


スワ 「!?」

乗務 「お客様、お戻り下さい。」

スワ 「あ、はい…。」



          開いた扉の隙間から見えたのは…。


スワ 「魔導砲…!?いや、まさかそんな、列車になんか詰めるはずもないし…。」



          一度客室に戻ったスワン。


ミナ 「(´・ω・`)スワン先生っ!!」
スワ 「な、なに?」

ミナ 「後部の車両が!!」



          客室車両より後部の貨物車両がモンスターの攻撃により、
          破壊されているらしい。




          後部車両に向かったマシンを、スワンも追う。
          一部の生徒も後を追った。


          走って2両先に、その光景は広がっていた。



          完全に屋根は壊されていた。
          そして空には、赤褐色の肌を持つ【ドラゴン】が飛んでいた



職員 「ま、まさか、火龍が出現するとは!!」

スワ 「???このモンスターは想定外って事!?」



          見ればナナティオは、老婆と一緒にモンスターの近くに居た。

          一応、残された荷物の箱の影に隠れているようだが。


マシ 「マズイな、ドラゴンは上級魔法使いでも相当てこずる。」

スワ 「しかし、迎撃せねば列車が破壊されてしまいそうです。」



          と、巨大な砲撃音が響いた。

マシ 「ホワッツ!?」

スワ 「さっき見た列車砲ね…。」

          列車の前の方にまた別のドラゴンが飛来していた。


スワ 「2匹…。こっちは私達がなんとかしないと!!」
マシ 「退治はできないが…やるしかないな。」


          後を見渡し、今の戦況を再確認する。



スワ 「MJ君、キミは水撃魔法で、羽の付け根を撃って!!」
MJ 「は、はい!!」

スワ 「マナさんは、その羽部分に氷撃魔法を!!」
マナ 「はい!!」

スワ 「アイさんは雷撃で眼を!!フウゲツさんは…。」
フウ 「氷撃と雷撃の両方を、状況を見ながら…ですわね?」
スワ 「さすがね。」

スワ 「ミナちゃんと、ロプロシアさんは、ナナティオさんとお婆さんを確保して。」
ミナ 「(`・ω・´)はいな!!」
ロプ 「ド、ドドドドラゴン!?」

ミナ 「ロプさん、しっかりして!!アタシ達がやんないと、お婆さんが危険に!!」
ロプ 「わわわ、解っております。」

スワ 「マシン先生は…ファイアーブレスを…お願いできます?」
マシ 「イエス!!やってみよう。」



         マシンは極大氷撃魔法マヒャドを精錬魔法で…!!


マシ 「うおおおおおおおお!!ドリル!!」

         ドリル状に螺旋回転させ収束し、貫通力を高める。
         これなば、ドラゴンのブレスも弾く事位はできる。



MJ 「よし。」



         的確に羽の根元に、水撃魔法ジャビの弾丸を撃ち込むMJ。


スワ 「狙いはさすがね。命中率95%以上。」


         飛び散った水で、氷撃魔法の威力を高め、羽の動きを鈍くする。


         だが、ドラゴンも時々列車に降り立ったりする。
         その度に列車がひっくり返りそうになる。


         ドラゴンが、火弾を口から放った。


スワ 「!!ブレスじゃない!?早いっ!!」


         スワンは全体を見渡しているため、ほんの一瞬隙ができてしまう。

         だが、口元に注意しているマシンが火弾を払い落とす。


スワ 「ありがとう。」
マシ 「ノープロブレム、キミは戦略に専念して構わない。」



         アイ・フウゲツの暗黒雷撃で眼を眩ませたり、隙を作る。


ミナ 「ナナティオちゃーーーーん!!今だよ!!
     大丈夫、お婆ちゃんも一緒に。」

ナナ 「だ、大丈夫なの?」


         物陰に居るナナティオにはドラゴンの位置は解らない。

         ミナの合図で一気に走る。


         老婆がつまずいて、何かを落とした。
         ナナティオの魔石音楽プレイヤーである。
         なぜ老婆が持っていたのか不明であるが、

         ナナティオは一瞬、魔石音楽プレイヤーの方を見たがミナの方に走る。


ロプ 「あ、アレは…ナナティオさんの大事な。」



         ロプは老婆の手を取るとミナの方に移動させ、走った。

         走って、魔石音楽プレイヤーを拾った。
ナナ 「!!」


         ドラゴンがそのロプを踏み潰そうとする。


MJ 「させませんよ!!」


         MJが、氷撃魔法ヒャドの弾丸をドラゴンの眼に撃つ。

         一瞬、咆哮しドラゴンが怯む。

スワ 「マシン先生!!今です!!」



ミナ 「ロプさんっ!!」


         ロプが立ち上がったが、手を滑らせ魔石音楽プレイヤーは、転がった。

         怯んだドラゴンが踏み潰し、粉々になった。

ロプ 「ああ!!」



マシ 「ファイヤーイット!!フィニッシュイット!!」

         巨大に渦巻くマヒャドのドリルが、ドラゴンの下腹部を貫く!!

         さすがにこれはドラゴンも堪えたらしく、ぎこちなく再度飛びあがり、撤退していった。



スワ 「よしっ。」




ロプ 「ああ…。」

         ロプは粉々になった魔石を拾い集める。

ロプ 「ごめんなさい。」
ナナ 「バカヤロー!!

ロプ 「ごめんなさい、大事な貰った品なのに。」

ナナ 「フザけんじゃねーし!!





ミナ 「(´・ω・`)なんだよ、魔石の1個くらい、ちょっとアタシがガツンと言ってやる。」













スワ 「いえ…大丈夫よ、ミナちゃん。」












ロプ 「どうお詫びしていいか…。」

ナナ 「バカヤロー!!あんなもん、どうだっていいんだよ!!


ミナ 「(`・ω・´)!」


ナナ 「死んだらどうすんだよ!!」

ロプ 「え…?私の心配ですか…?」

ナナ 「あたりめぇだろ!! ダチじゃねぇのかよ!?」

ロプ 「え…え???え???」

ナナ 「オマエさっき、ダチって言ったし!!
   ダチが死んだ時の悲しみ知ってるのかよ!!
   マジありえねぇし!!


ロプ 「(´;ω;`)ご、ごめんなさい。」






スワ 「ね、あの子、口が悪いだけで心は良い子なの。」

ミナ 「(`・ω・´)だな…。アタシ、誤解してた。うん、ごめん。」



        魔石の欠片を拾うナナティオ。



ナナ 「婆ちゃん、ごめんだし。」

        ナナティオは、耳の遠い婆さんの補聴器代わりに、魔石を渡したのである。
        音量を調整する魔力があれば使えると思ったのだった。

        元々、化粧室に行き、耳が遠い老婆が間違って反対の後部車両に向かおうとしたので
        止めた後の事件であった。







フウ 「どっかの食いしん坊より、ずっと良い人ですわ。」

ミナ 「(。`・д・´)あん?」




スワ 「皆さん、とりあえず、客室に戻って。」



        一同はマシンを残し、客室へと戻った。





        続く。
















































おまけ。


リン 「(´・ω・`)ミナさん、今頃…。」

ネネ 「(^ー^*)心配?」

リン 「(´・ω・`)いえ、どんな駅弁食べてるんだろうって。」

ネネ 「(^ー^*)きっと、2個くらい食べてるよ。」

リン 「(´・ω・`)そうですね。」



ネネ 「(^ー^*)きっとロストワール限定ペロリチョコをお土産に買ってるよ。」






リン 「(`☆ω☆´)あるんですか?

ネネ 「(^ー^;)え?」←適当。

リン 「(`☆ω☆´)限定あるんですか!!

ネネ 「(^ー^;)ネネコ、知らない。」







リン 「(`・ω・´)なんか、おいてけぼりもたまにはいいですね。
     待つ楽しみっていうか…。」

ネネ 「ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 」←余計な事言って焦る。

inserted by FC2 system