魔術都市
139話「先人の魔法」









             魔法病院
               
               今日もレナの見舞いに来たマナ。

               またレナは眠っていたので、マナは窓から外を眺めていた。



マナ 「ジュリナ・・・魔族・・・。魔族になる方法がある・・・!?
      まさか・・・進化魔法エボルシャス・・・。」


               もし、ジュリナがエボルシャスで魔族となったのなら・・・
               もし、さらなる進化の秘法をエボルシャスの魔法石に求めるのなら・・・

               もし、それを悪意でジュリナを利用しようとしている【悪】が居るというのなら・・・


マナ 「そうよ、あの子が・・・あの子の意思で悪に染まるなんてことは・・・ありえない・・・。」







               翌日 クエストの知らせは貼ってあったが、特に募集しているわけではなかった。

マナ 「【魔法石エボルシャスの返還】・・・。」


               クエストはなぜか募集をしていない。


               【国名 ロストワール】

マナ 「これは・・・校長キンゲツ=ヴルメンバード・・・勇者の一族の祖国・・・。
       と、なるとクエスト参加は娘であるフウゲツさんは決定ね。」

               関連する事項に、過去の魔王との戦いについて少し触れてあった。

               気になるのは、名前。

               後に勇者と呼ばれたフウゲツの父、【キンゲツ=ヴルメンバード】
               その仲間の魔法剣士【バクルフュト=イェージスェーユ】
               さらに、僧侶である【ヴァヴィル=チェリロサム=二世】


マナ 「ヴァヴィル・・・二世・・・これは・・・ロプロシアさんの父親・・・。
      となると、こっちの読みにくい名前は・・・。」


               アイ=イェージスェーユ
               ロプロシア=チェリロサム


               フウゲツのチーム3人の父親が、【魔王討伐パーティ】だったのである。


マナ 「なるほど・・・どこかそれぞれにそんな空気を感じていたけど・・・。
      正直ちょっと苦手だし・・・ジュリナがそこまで行くのか気にはなるけど・・・。」



               今回のクエストは募集もしていないのでは諦めるしかなかった。










ヒメ 「ねぇ、ロストワールのクエストって教師はどなたが行きますの?」

スワ 「え・・・私は聞いてませんけど。」

テツ 「ハッハッハ。拙者は異空間に行ったから、順番で言えば無いでゴザるな。」


ヒメ 「って、クウチロ先生とダイ先生が居ないけど???」

スワ 「魔法体育館に行くとは行ってましたよ?」

テツ 「魔法の練習か契約でゴザるか・・・。熱心な教師でゴザるなあ。」


ヒメ 「スワン先生、行きましょう。」









               魔法体育館

クウ 「これで・・・契約できたのか???この、古代の魔法を・・・。」
ダイ 「ああ、私の後輩から魔法陣を聞いた、完璧だ。
      ただ、魔力の調整で効果のふり幅が大きいらしいから、相当集中力が必要らしい。」

クウ 「大丈夫。これは我々魔道師の念願の魔法ではないか?」

ダイ 「まぁ・・・語らずとも・・・。」



              魔力を練り、魔法発動へ準備を、そして魔法詠唱。


クウ 「おっと、ここでお互いが使ってもどうしようもない。」
ダイ 「そうだな・・・。まぁ、とりあえず効果を・・・・・。」


              と、ダイが扉の方を向くと、扉が開いた。




スワ 「あ、ダイ先生。」

ダイ 「щ(゜Д゜щ)おおおおおおおお!!」 

スワ 「えっ!?えっ!?何???」


ダイ 「あ、い、い、いや、いきなり人が来たからびっくりしただけだ・・・。」


クウ (まさかダイ先生・・・・・成功したのか・・・。よし、私も。)


ヒメ 「ねぇ、二人で何をやってるの???魔法の契約???」

クウ 「おお・・・ヒメ先生・・・申し訳ない。」

ヒメ 「え?な、何が???」

              全然状況を把握できてないヒメ。


              クウチロは魔法詠唱からの魔力集中に命を賭けた!!


クウ 「必ず・・・・・必ず!! 酒も呑まずにやっているんだ・・・。
        成功しろ!! 透視魔法スケール!!」 





























テツ 「ん?どうしたんだ???」

クウ 「щ(゜Д゜щ)ぎゃあああああああああああああ!!」  




             クウチロはその場に倒れた。


テツ 「お、おい、クウチロ殿、どうしたんでゴザる。」

クウ 「わあああああああああ!!来るなああああああ!!げふーーーーー!!」




ダイ 「し、死んだな・・・。同情するぜ。」


ヒメ 「この魔法陣は・・・・・。」

ダイ 「い、いや・・・実は・・・隠し持った魔法石を見破る魔法をな・・・。」

ヒメ 「・・・。」

スワ 「どういうことです?」

ヒメ 「透視魔法スケール・・・この魔法の魔法陣は禁呪扱いのような気もしなくもないけど。」

スワ 「透視・・・魔法ですか・・・。」

ヒメ 「ええ・・・。」

スワ 「で、クウチロ先生が倒れて・・・。」

ヒメ 「そ、あの状況。」



テツ 「おい、しっかりするでゴザる!!」 ←あの状況



スワ 「・・・。」

ダイ 「・・・・・。」

スワ 「ヒメ先生・・・あんな所に青い小鳥が居ます。」

ヒメ 「えっ?どこどこ!?」

             ヒメがスワンの指差す方向を向いた。


スワ 「闇に封印されし・・・禁断の魔法・・・一度だけ私に・・・。
      封印核爆魔法プロトガンテ!!



             すさまじい爆発に、ちょっと驚きながらヒメは振り返る。



ヒメ 「え−っと。今のはまさに核弾頭とも言える高熱の爆発魔法・・・しかも封印魔法にそっくりだったけど・・・。」

スワ 「幻です。」

ヒメ 「そ、そうね。」








テツ 「お、おい・・・。本当に大丈夫でゴザるか?(汗)」

ダイ 「おお・・・。封印火炎魔法メラゾオンでも燃えない魔法服が・・・・・燃えた・・・。」


スワ 「ヒメ先生、帰りましょう。」

ヒメ 「そうね・・・。」






            結局、現時点では教師の参加はまだ決定していないようである。


            それとも・・・・・教師の参戦を募集しているのだろうか???







            続く

































おまけ


ダイ 「ヤー=マーケン・・・。透視魔法は難しいな。」

ヤー 「そうですね、元より魔法に【衣服一枚だけを透視】などという不確かな条件を設定できるはずもありませんので、
     結局、目より何センチ辺りまでか・・・みたいな感じになりますので
     ちょうど衣服のほとんどが同じ位置に無い限りは、【この部分は服・こっちは肌・こっちは骨】と言ったごちゃまぜが状況になりますね。」

ダイ 「ん?なんだ魔法を使う先人達も、考える事は一緒なのか???」

ヤー 「そうですね・・・。まぁ、世界の女性の反対にあって禁呪になったわけでなく、
     おそらく誰も使いこなせない男性の怒りから禁呪になったのではないでしょうか?
     まぁ、そういう使い方をしてる以上は、プライバシーの侵害でしかありませんしね。」

ダイ 「では結局誰も使わないのか・・・?」

ヤー 「魔法医師が普通に限定解除で使いますが・・・。」

クウ 「という事は!!魔法医師になれば、合法的に女体が・・・・・!?」

ダイ 「おいおい、内臓の損傷とかそういう命に関わるとこを診るんだろ・・・。」

クウ 「ダイ先生・・・冗談ですよ・・・。」












ヤー 「医師だったら、普通に診察で衣服取りますけどね・・・。」







クウ 「俺・・・転職しようかな・・・。」

ダイ 「患者は男も居るぞ?」

クウ 「では・・・」

ダイ 「患者は若い女性だけとも限らないしな・・・。」

クウ 「教師で・・・いいです。」

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