魔術都市
138話「目醒め」









             魔法体育館
               
               魔弾銃で魔法弾丸を発射する。

               それが【水撃魔法ジャビ】なら、火炎魔法メラで蒸発させ、
               【氷撃魔法ヒャド】なら、真空魔法バギの刃で叩き斬る。

               最初はMJも、【マナの修行】のつもりで、少し気遣って発射から次の発射までの時間を少し遅くしていた。


マナ 「はぁはぁ・・・・・。見極めはできるんだけど・・・魔法を維持するのが難しいわね・・・。」

               それでも15分ほどバギの刃を維持できている。

マナ 「こんな事では【魔法のメス】で、長時間の手術を行うことは不可能って事ね。」

MJ 「まだ・・・続けるんですか?」

マナ 「あたりまえでしょ!!」


               マナが結構見極めてきたので、次に発射するまでの時間を早めてみた。

               それでも着いてくるので、段々と動作速くしていった。


MJ 「向こうの魔法の連続できる速度より、自分の連射速度の方が遅い・・・。
     いや、これはただ速いだけじゃなく・・・この速度自体も何秒かかるのか知っておかないといけないな・・・。」


               ヒャドかジャビか悩むうちに、水撃魔法は【水を作り出す魔法】だが、
               一度凍らせた分子を溶かした場合は、一体どこの魔法に属するのか???
               MJはそんな事を考えながら、弾丸を発射していた。



               それが、中途半端な弾丸を生み出す事となった。


マナ 「え・・・どっち?????」





               飛んできた弾丸をマナは・・・・・。











ダイ 「おーおー。それが【正解】だ。」

マナ 「これは・・・・。」


               マナは真空の魔法の刃に、火炎を宿らせていた。

マナ 「何これ・・・・・合体魔法?」

ダイ 「厳密に言えば少し違う。
     お前の精錬魔法『十字架』は、魔法に魔法を重ねがけするような、かなり特殊なケースだ。
     つまり、それを応用する事で、合体して新しい効果を生み出すわけでなく、
     両方の性質を兼ね備えたものができる可能性がある・・・というわけだ。」
マナ 「この場合・・・【焼き斬る刃】ですか?」

ダイ 「そういう事だ、まぁ今回は【二択】だったために、こういう状況になったが
     これが幾多の選択肢がある場合でも、お前なら最善の選択肢に絞って、さらにそこから選ぶ事ができるはずだ。」

マナ 「選択肢にする選択肢を絞る・・・。」

MJ 「なるほど・・・。」



ダイ 「まぁ、焼き斬る刃自体もかなり必須だろ?」
マナ 「そうです・・・てっきり【メラを刃状態にして維持するもの】だと思っていたので・・・。」

ダイ 「別に他者が選んだ選択肢をなぞる理由は無い・・・。
     そして、MJ最後に放った弾丸はどうだ?」

MJ 「え?アレですか?自分でも解らないんですが・・・なんとも中途半端な。」


ダイ 「つまり・・・?」

MJ 「つまり・・・。あ・・・自分の精神力次第で弾丸の効果に影響が出てしまう?」

ダイ 「そう、これだけの数を単純に連射した事はないはずだ。
     お前が今まで相手にしてた魔物などは、数初で充分だからだ。
     人は【終わりの無い道を行く】時に、本来備蓄しようと考えた部分のラインが解らなくなる。」

MJ 「でもこれで、使用魔法を覚えて置く事と、自分の残りの精神力を便宜上【弾丸の残数】に換算する事も大事って事ですね。」


ダイ 「で?最後の弾丸については?」

MJ 「あんな中途半端な弾丸なんてなんの役・・・・・あ!!そうか、相手を惑わすこともできた。」

ダイ 「通常より少ない魔力で済んだはずだ。使いようによってはデカイ一発だぜ?」

MJ 「そうですね!!」

            ダイは持っていたノートを閉じた。


ダイ 「なんだ・・・二人ともあっさり習得したのか・・・つまらんな・・・。
     まぁ、今日は用事もあるし、この辺にしておくか。」



            早々に体育館を後にするダイ。


マナ 「MJさん、ありがとう。」
MJ 「あ、いえいえ、こちらこそ大変勉強になりました。
     まだまだ自分には伸ばすことがたくさんあると解りました。
     それも、今持ってる能力の範囲内で。」

マナ 「今・・・自分にできる範囲・・・そうね・・・。」

MJ 「とりあえず、今日は結構魔法を使用したと思うので休みましょう。」

マナ 「そうね。」




            マナは宿舎に帰ろうとしたが、予定より早かったので魔法病院へ向かう事にした。


マナ 「買い物する時間もありそうね、何を買おうかしら・・・。」






ミナ 「(。`・д・´)やっぱ、カツオブシでしょ?」
リン 「(`・ω・´)いえいえ、バターです。」
マド 「一味も合うと思いますけど・・・。」




マナ 「・・・。一体なんの料理の話よ・・・。」


            と釣られて、カツオブシをなぜか買いに行きそうになったマナだった。







            魔法病院

            レナは寝ていた。

            マナはレナが起きるまで少しだけ待つつもりが、つい自分も転寝してしまった。





            【夢】


マナ 『レナ!!しっかりして!!』
女A 『レ、レナ・・・・。』

マナ 『ジュリナ!!レナに何があったの!?』
ジュ 『あの上の方から、この山道に向けて、大きな岩が・・・。
     それでレナは私を突き飛ばして、代わりに下敷きに・・・。』

マナ 『レナ!! い、意識が無い・・・呼吸もしてない・・・血!?どこから?』
女B 『いやああああああああ!!」

マナ 『ちょっと!!私たちは魔法看護学生よ?今まで勉強した事を活かす時じゃない!!』
女B 『でも、もうその怪我じゃ・・・。』

マナ 『ここで止血して、縫合するのよ!!』
女A 『私達が治療をしてしまうと・・・法律違反に・・・。』
マナ 『そんな事言ってたら間に合わないでしょ!!』

女B 『私達は・・・できないわよ。』




マナ 「うう・・・レナ・・・。」
            その夢に魘されるマナ。




女A 『違います、先生!!私達は止めようって言ったんですよ!!』
女B 『そうです、でもマナが勝手に!!』

マナ 『アナタ達・・・。』

先生 『どうなんだ?マナ!!』

マナ 『確かに私の独断ですが・・・。』

先生 『ならば処分は避けられないな・・・。』

マナ 『先生は目の前で死にそうな人が居ても、法律を優先するのですか?』

先生 『さ、さぁ、私は医師免許があるんでな・・・。』

マナ 『それは何を守る法律なんですか!?
     あなたはなんのために医師になったんですか!?』



マナ 「うう・・・・・・。」
            さらに魘されるマナ。



委員 『マナ=サラカーピバルを退学とする・・・。』

マナ 『そんなのはどうだっていいわ!!レナに会わせて!!』





マナ 「レナ・・・・・レナ!!」

レナ 「んっ?夢でも見てたの?」


            マナが夢から覚めた時、すでにレナは目覚めていた。





マナ 「ううん、なんでもないの。 あ、そうそう林檎でも食べる?
      さっき買ってき・・・・・って・・・・・なんでカツオブシ・・・・・。」



             慌てて林檎を買いに行ったマナが、ロビーでまた発見したのは・・・

             ドアの向こうへ消えて行こうとするダイの姿であった。










             続く。












































おまけ。


ミナ 「(。`・д・´)絶対カツオブシ!!譲らない!!」

リン 「(`・ω・´)いいえ、バターです!!」

マド 「だから、一味もおいしいんですって。」





ヒメ 「(`・ω・´)あれは何の話なの?」

スワ 「え?解りません?ヒメ先生?」

ヒメ 「な、なんなの?どんな食べ物なの?」

スワ 「全員の言ってる事を聞いていれば・・・。」


ヒメ 「щ(゜Д゜щ)だってリンちゃんが混じってるじゃないの!!






リン 「(´;ω;`)ぶわ。」

ヒメ 「((((;゜Д゜))))あ゛。」

ミナ 「(。`・д・´)・・・。リンちゃん泣かせた・・・。
      せんせーに言ってやろーーっ!!」

マド 「(;`・ω・´)先生ですよ・・・。」

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