魔術都市
134話「異空間〜黎明〜」









             異空間・城下町
               
               縛り上げた二人の魔物を、町の人間に差し出す。

               町の人達は石を投げる。

               微妙な心境でそれを止めるテツ。

テツ 「止めるでゴザる、敗者を詰るような事は止めるでゴザる。」

町民 「こいつらのおかげでな・・・皆がな!!」
テツ 「解ってるでゴザる、だから拙者達が退治したのでゴザる。
      だが、あとは法が裁くものでゴザる、こんな事で手を汚すのでない。」



ダイ 「最初は我々をも異形扱いしておいて、結果が表に出ると手のひらを返す。
     異空間と言えど、人間は同じか・・・。まぁ、きっと現世をベースにしているのか・・・。」
ミナ 「(´・ω・`)そうなのか。」

ダイ 「だが、間違いなく、彼らも生きている・・・。ここでな、そしてアイツもな。」


               星兎を見るミナとリン。

               町の人達は皆、星兎を褒め称える。

星兎 「ちょっと、だから私は何もしてないって☆。」





ミナ 「(´・ω・`)やっぱ、この世界の【星兎】なんだね。」
リン 「(´・ω・`)そうなんですね。」

アイ 「ねぇ、センセ。あの子は全然違う人って事なの?」

ダイ 「そうとも言い切れないが、結局・・・異空間へのゲートを潜り、記憶が無いのか転生か別人なのかは解らない。
    だが、アイツはココで生きてる・・・そういう事だ。」

アイ 「そっか・・・。」



テツ 「まぁ、とりあえずこの世界も平和になったでゴザるし、お暇するでゴザるか。」

マナ 「あ、気が付いたみたい。」

              チェクワーが気が付いた。
              完全に縛られていて動けない。


ダイ 「魔族の秘宝まで盗んで、ご苦労だったな。負け犬。」

チェ 「き、貴様。」

ダイ 「まぁ、他のメンツに免じて、以降の処罰は任せるが、
     あまりにも【おいた】が過ぎたようだな・・・・・。」


              ダイは小声で、【猛毒魔法ドルマ】と、【万華鏡魔法カレイド】を合体させた。


ダイ 「万華鏡毒ドルレイド・・・残念だがこの毒はもう私にも解毒はできない。」
チェ 「貴様!!」

ダイ 「安心しろ・・・じわじわと数年かけて苦しみ続けるだけだ・・・。蛇のようにしつこくな・・・。」


              チェクワーの前から立ち去る。


テツ 「どうしたでゴザる?」
ダイ 「いやなに、一応もう会う事もないだろうから、別れの挨拶をな。」


              罪人チェクワー・ギュスーの二人はこの町の奉行所が管理する事となった。
              魔法を使う悪人が居るのは心配だが、
              今後同じような来訪者の可能性も考え対策も全てこの町に委ねる事にした。


ダイ 「さぁ、帰るか。」

マナ 「ダイ先生、魔法の砂にスナトキと思う魔法をかけておきましたが・・・。」

ダイ 「あの乱戦の中、よくやったな。そして、スナトキ習得はできているようだ。」

マナ 「本当!?」

ダイ 「そこのオニギリ好きそうな奴が、飯食い終わった後にその砂かけてみろ、面白いぞ。」



ミナ 「あ、なんか今、悪口言ったでしょ?そこの凶悪教師とツンデレ魔法使い。」
リン 「(`・ω・´;)」

ミナ 「お腹すいたから帰ろう、帰ったら餡蜜食べるんだ。」
リン 「そうですね・・・。」

              リンのカバンからみえる【こっこ】がどこかせつなくみえる。

              帰る一向に、星兎や町民が手を振る。



星兎 「また、来れるなら絶対来てよね☆」

ミナ 「(`・ω・´)うん、来るよ!!アタシ達マブダチだぜ!!」
リン 「絶対会えますよ!!」

星兎 「約束したからね☆」










ダイ 「ああ、帰ったら温泉でも行くか・・・。」
テツ 「そうだな・・・。」

アイ 「なんか、もう完全なオッサン発言でしょ、センセ。」

テツ 「はっはっは、拙者達は充分オッサンでゴザるよ、なぁ。」

ダイ 「なぁ?私もか?」
アイ 「変わらない変わらない。」





星兎 「せんせー!!無理すんなよーー!!☆

ダイ 「・・・・・。何から何まで、そっくりな奴だな。」


             ダイは振り返らず、手を上げた。

             星兎も少し寂しそうに、また少し歩きながら手を振った。


ミナ 「なんか、良い町だよね・・・。」
リン 「そうですね・・・。」























ミナ 「(´;ω;`)やっぱ、やだ!!まだ帰れないっ!!

リン 「そうですよ!!私には解るんです!!あれはミルさんです!!



             泣きながら近づく星兎。


星兎 「(´;ω;`)どうして・・・なぜか涙が止まりません。」


             ミナは振り返り、星兎の元へと走る。

             ドンッ!!

マナ 「あっ・・・。」

             走るミナがマナにぶつかり、
             マナの手から魔法の砂の袋が落ち、砂が零れ落ち辺りに散った。

             リンも泣きじゃくりながら、星兎の元へ走る。


             そんな三人を取り囲むかのように、砂は舞い踊る。



星兎 「(´;ω;`)あ・・・・・。」





町民 「寂しいけど・・・帰りなよ。」

星兎 「えっ?」

町民 「その世界の人なんだろ?」


             ちょっと大き目の重箱のような中から、服を出した。


リン 「(`;ω;´)σ ミナさん、アレ!!あの服!!

ミナ 「(`;ω;´)言うな、みなまで言うな。」


             星を散りばめた魔法服。


星兎 「ああ・・・。」


             その服・・・甦る記憶。
             時間を戻す魔法スナトキが、それを手助けするかのように舞い散る。


町民 「川岸に倒れてたんだ・・・記憶を無くしてたけどね。」

星兎 「あ・・・・・。」

アイ 「なんだ、やっぱそうなんじゃん。」




マナ 「魔法の砂が・・・・・。」

ダイ 「ただ魔法をかけるだけじゃダメな時もあるんだな。」

テツ 「(`;ω;´)ふおおおおおおおおおおおおおおおお!!」






ミナ 「(`;ω;´)おかえり・・・ミルちゃん!!

リン 「(`;ω;´)おかえりなさい・・・ミルさん!!



星兎 「ちょ、ちょっと待って。」



              その着慣れた星の散りばめた魔法服を身に纏い・・・。






















ミル 「(`;ω;´)ただいま☆


テツ 「(`;ω;´)へぐおおおおおおおおおお!!」










ダイ 「はっはっはっは、マナ、大手柄だな。」

マナ 「ううん・・・・・魔法だけじゃないんですね・・・。」

ダイ 「ま、それが解れば・・・・・充分だ。」


               アイも見つけ、近くまで寄ってくるミル。



ミル 「あっれ?暗黒の人も来たんですか〜☆」

アイ 「うっせ、暗黒の人とか言うなよ・・・。」

ミル 「力ってのは・・・種類じゃなくて・・・・・心ですよね。」

アイ 「・・・・・。」

ミル 「ごめんなさいね、ずっと気にしてたでしょ・・・。」


               以前の暗黒魔法の件である。


アイ 「あーあー、そんな古い話まで思い出せるなら、それでいいんじゃない?」

ミル 「きにしてたんだ〜☆」

アイ 「あー、うっさい!!」

ミル 「ねぇねぇ、ここにもツンデレがいるよっ!!」



                




                クエスト 【異空間】 クリア。。

                ミルミィ=スリースターズ 帰還



              続く。

































おまけ。

ヒメ 「ねぇ、どうだったの!?」

ミナ 「(`;ω;´)えぐえぐぐぶええええええええええん!!

リン 「(`;ω;´)みるみるみるみるみるでえええええん!!

テツ 「(`;ω;´)おぐっふぁああああああああああああ!!






ヒメ 「あ、ああ・・・。なんとなく【悲しみの泣き】じゃない事は理解したから、安心です。(汗)」

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