魔術都市
131話「異空間〜醒ませ鼓動〜」









             異空間・城付近
               
               元の場所に戻ったミナとアイ。

               あれだけ好戦していたはずなのに・・・・・。



               数居たパンダ軍団は壊滅。
               リンもそれをいっきに操っていたために、魔力をほとんど消費。

               ダイも片腕を負傷、回復魔法で修復するも万全とは言えず。

               マナは精錬魔法の【十字架】に回復魔法をダブルで込め、テツを回復しつつ
               星兎の傷をも塞がなければならない。
               また、それをチェクワーに見つかってもいけないので、物陰に隠れては居るのだが。


マナ 「これはマズイわ・・・。」



ミナ 「うわ・・・。壊滅じゃん。」

アイ 「どうすれば・・・。」

マナ 「回復使えるなら、この二人を。」

アイ 「一応ベホイミならできるけど。」

               ふとマナは思った、アイの【矢】なら、直接内傷を修復できるのではと。
               それをすぐに実行するように、アイに言う。

               アイはテツに向け、【矢】を数本放った。

               もちろん魔法は【回復魔法ベホイミ】だ。

マナ 「これでなんとかなるかもしれない。」

               マナは星兎の傷を塞ぐ事に専念する。


ミナ 「なんだよう・・・。こんな状態でも、あたしのあの力は発動しないのかっ!!」

アイ 「そうなんだよね、結局さ・・・。巨大な力ってその力そのものに依存してしまいがちになるんだよね。」



ダイ 「リン!!下がれ!!もう、パンダは居ないぞ!!」

リン 「なんとか新しい絵を・・・・・。」



チェ 「フィヒャヒャヒャヒャヒャ!!全てがゴミクズだ!!」


               体から生える何本もの触手からあらゆる魔法が飛んでくる。

               巨大な火の玉がリンに直撃しそうになる。

リン 「わああああああああああああああああ!!

ミナ 「リンちゃあああああああああああああああん!!



               ミナは走った。

               とくに何かできるとか、そういう事も考えず。


ダイ 「おい!!犬死にする気か!!」

ミナ 「あたしは!!あたしにできる事を!!後悔したくないだけ!!」



               リンもろとも火の玉が炸裂し、大爆発が起きる。

               激しい爆風の後に、土が盛り上がったような山ができる。



ミナ 「ん?」

リン 「あれっ?」

               よくみると、土の山がシェルターのように身を守っている。

ミナ 「あで?あたし?????」

リン 「これは、粘土魔法ベラネルド・・・・・?」

               粘土をシェルターにし、爆発をガードしたのである。

ミナ 「なんか出た。しかも、竜魔人じゃないし。」
リン 「や、やればできるものなのですね。人間。」


               それに気を取られていたダイは自分の元に迫るものを見ていなかった。


ダイ 「しまった・・・。間に合わない。」





                今度は火の玉を飛び蹴りで叩き落すテツの姿が。

ダイ 「お、おまえ・・・。」

テツ 「ハッハッハ、すまんな復活だ。」

ダイ 「つうか火の玉って蹴りで返せるのか?」

テツ 「無理なのか?」


                テツは思い込んでいると不可能をも可能にする不思議な能力を持っている。

ダイ 「その単純さが羨ましい。」



                チェクワーの攻撃は止まず、やはり偶然の粘土魔法で身を守っただけのミナが餌食になった。


ミナ 「(。`;д;´)あ・・・。足にツララが刺さった・・・。」

リン 「ミ、ミナさん!!あわわ・・・ど、どうしよ。」

                だくだくと流れる血。



テツ 「貴様・・・・・拙者の生徒を・・・・・。」

                テツが握り拳に力を込める。




ダイ 「!!リン、ちょっとこっちに来い。」

リン 「え、でもミナさんがっ!!」

ダイ 「大丈夫だ、あの程度なら治る。(多分)」


                リンに耳打ちをした。

                リンはチェクワー見えないように、【死んだふりして】をミナに書いて見せた。


ミナ 「ふぐわーーーー!!む、無念じゃ・・・・・。ぐふっ。」

                不思議な棒読みで死んだふりをするミナ。




テツ 「貴様・・・・・。」

ダイ 「・・・。」

テツ 「許さんぞ!!

                テツが気合を込めた、その瞬間ダイはリンに合図を送る。

                リンはさらさらと、テツの周りに金色のオーラを描き、輝かせる。
                そしてテツの髪の毛も金色に塗った。


テツ 「フオオオオオオオ!!なんだこれは!!

ダイ 「そ、それは怒りの救世主、スーパーサ●ヤ人!!
      人は真に悪への怒りが最高潮になると、伝説の力を手に入れる。」

テツ 「本当か・・・遠い噂には聞いていたが!!」

ダイ 「ああ、いつもの2ば・・・・・いや、20倍だ!!」



                すぐにテツはチェクワーの元に飛んだ!! 

テツ 「なるほど、空まで飛べるのは本当なんだな・・・。」





ダイ (おい、アイツ・・・飛翔魔法トベルーラまで何気に使ったよ。)

リン (ダイ先生、20倍とか嘘ついていいんですか!? ただのエフェクトですよ?)

ダイ (でも実際空まで飛んだぞ?)

リン (やられちゃったらどうするんですか!!) 




                と、近くで地鳴りが聞こえ、その方向を見ると巨大な魔物と化したチェクワーが地面に倒れている。



テツ 「こいつはすごいでゴザる!!パワーもスピードも20倍!!
     もちろん、守備力も20倍だ!!



                スピード、パワーで本当にチェクワーを翻弄している。



リン 「なんか色んな効果を勝手に盛ってますね。(汗)

ダイ 「盛ったな・・・守備力まで20倍らしいぞ・・・アイツ、本当は最強なんじゃないのか・・・。
      【黄金魔法プラシーボ】とでも名づけるか・・・?」
リン 「魔法・・・なのでしょうか?」


                実際は髪の色とオーラの色が付加されただけで、何も変わってないテツ。

                チェクワーの触手に殴られても平気である。



ダイ 「だが、実際なんでもないから、おそらくそうは持たないはずだ・・・。
     この間に体勢を立て直す・・・。 アイ、さっきテツに撃った回復の矢を私に撃て。」

アイ 「痛いよ・・・?(汗)」


                すぐにサクサクサクと射るアイ。


ダイ 「クッ・・・・・結構痛いな。」

                これで両腕は動くようになった。

ダイ 「最大の合体魔法・・・見せてやる。」



                魔力を練り始めるダイ。



                ダイの扱える中の最大の合体魔法とは?????












                続く。
























































おまけ。


ヒメ 「というわけで、実際【プラシーボ(偽薬)効果】と言って効果は証明されてるんですよ。」

マド 「病は気から・・・って事ですね。」

ヒメ 「結局魔法も、その成功するイメージが大事ですからね。
      本人の気合次第では、とんでもない効果を実際に起すかもしれないわよ。」

マド 「そうなんですか・・・それで・・・。」




























マド 「また体育館が氷の国になったわけですね。」

ヒメ 「あ・・・いえ・・・これはその・・・憤りの表現と言いますか・・・なんといいますか・・・。」

inserted by FC2 system