魔術都市
128話「異空間〜時代〜」
異空間・城付近
リンは巻物を取り出し、これを貰った日の事を思い出した。
〜回想〜
ダイ 「リン、メラミはできるのか?」
リン 「ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 無理ですよ!!」
ダイ 「【炎】を空中に描いてみろ。」
リン 「あ、はいっ。」
手のひらの上に乗るような火の玉を描いた。
ダイ 「それにエフェクトを付けれるんだな?」
リン 「え、あ、はいっ!!」
その描いた【炎】が揺らめきだした。
ダイ 「なるほど、リアリティを追求した賜物か・・・。」
リン 「そんな感じなのかな・・・。」
ダイ 「次の追加するリアリティは・・・・・【熱】だ。」
リン 「熱・・・・・。」
ポンッと炎の印象が変わり、何か熱くなってきた。
リン 「炎ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿炎 はっ!?で、できちゃいました。」
ダイ 「謎は解けた・・・・・リン、お前は【カラルの造形魔法】使いだ。」
リン 「ぇ━━(*´・д・)━━!!! こ、これが造形なんですか?」
ダイ 「ああ、かなり亜種とも言えるし、厳密に【精錬】や【造形】は通常の魔法とのラインも難しいしな。」
本人の魔法力で、ある程度の効果を操れる。
火炎系魔法で言えば、メラ・メラミ・メラゾーマ・メラゾオンとあるが、
術者の魔力練成状態で、効果には当然幅が出るのである。
ダイ 「【魔法】ではあるが、あくまで色彩魔法カラルであり、火炎魔法ではない。
だが、お前はこれを昇華させれば、【燃やす事】もできるだろう。」
リン 「ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿えええ!?」
ダイ 「極端な話、【あらゆる魔法を再現できる】。
生物ですら、描くことができる。」
リン 「小さいものならできなくも・・・。」
ダイ 「そこでこの巻物だ。 これは【絵を封印】する巻物だ。
本来は描いた魔法陣を封印し、必要な時にサッと出すだけで、その魔法陣を描ける。
結界などを急いで作る場合に使用する。」
巻物を広げて見せる。
ダイ 「つまり、これで【複雑な絵】や、【動く生命の絵】を封印できるのだ、お前なら。」
リン 「((((;゜Д゜))))ええええええええええ!?」
ダイ 「【カラルの造形魔法】、【封印の巻物】、そして【デルパ、イルイルの魔法】、
この限定された条件の下、お前はもはや完全に新しい魔法の時代を創れる。」
あの時の回想を思い出しながら、リンは巻物を紐解いた。
大いなる力には、大いなる責任が伴う・・・・・。
きっと、私がそこまで届いたラインがあるのなら、そのラインはどこかできっと
何かになる・・・・・。
リン 「私の絵が、誰かを守れるならっ!!」
広げた巻物に幾つか絵が描いてあった。
リン 「造形魔法からの!!黄金絵巻ファンタジスタ!!」
巻物の絵が輝きだす。
リン 「取出魔法デルパ!!」
チェ 「な、なにを?」
迫る毒の煙の前に、小さい何かが立ちふさがった。
リン 「召喚!!熊猫魔法使い!!」
ダイ 「く、くまねこ・・・・・パ、パンダ!?」
星兎 「うっわ、超かわいいんですけど☆」
四天王達パンダの獣人に似たパンダが、ちょこんと現れた。
そのパンダが両手を掲げると、リン達全員に光の幕が降り注ぐ。
アイ 「こ、これは!? 光幕魔法フバーハ!?そんな高LV魔法!?」
リン 「私は使えません、そのパンダさんは大魔法使いなのですから、使えるんです!!」
この必殺技は、リンの想像と創造の世界の魔法。
それが規律。
フバーハが猛毒の効果をどんどん抑えていく。
ダイ 「もっと、猛虎で食い殺すとか・・・・・。」
リン 「私の魔法は・・・【人を守る】魔法ですから、虎なんてかけません。
基本的に防御・補助しかできませんけど、いつか攻撃魔法も使う時が来ない事を願います。」
ミナ 「あのやんちゃパンダ・・・・・閃光魔法連発してるけど!?(笑)」
目を晦ます程度の閃光魔法を連発するパンダ。
リン 「あれれ?初めてだからかな・・・うまく操れません・・・。」
チェ 「な、なんだこのパンダは・・・・・。」
魔法石を投げまくるチェクワー。
ダイ 「よし、パンダは引っ込めておけ、反撃に移る。」
全員を下がらせ、前進する。
ダイ 「貴様のようなド低能の落ちこぼれなどに、時間を食ってる暇はないんでな。」
チェ 「なんだと!!」
ダイ 「現世では周囲ほど魔法が使えないヘタレ魔族が、新しく別の道を開拓するかと思えば・・・。
魔法の無い世界でTOPになろうだと?しかもハンパな魔法石と、ハンパな魔導システムで。」
チェ 「!!」
ダイ 「どうした?図星か? 腐った信念のようで。」
チェ 「黙れ!!魔法至上主義の文化そのものがおかしいと言っているだけだ!!」
ダイ 「魔法の無い世界で、魔法無く生きていれば、許したんだがな・・・。
残念だが・・・・・斬るは定め。」
チェ 「ええい!!ヒャダルコの魔法石を喰らえ!!」
リン 「(`・ω・´)パンダフバーハ♪」
後ろのパンダがまたフバーハを唱えている。
チェ 「ええい!!イオラの魔法石だ!!」
リン 「(`・ω・´)パンダバシルーラ♪」
後ろのパンダが突風魔法バシルーラで魔法石を空に吹き飛ばした。
せつなく紺碧の空に、爆発が起こっただけだった。
アイ 「ん?なんだ・・・・・この不思議な感覚・・・・・。
なんだろう?????誰か何かを・・・・・隠し持ってる!?」
続く。
おまけ。
ミナ 「黄金絵巻・・・・・それはそれは便利な。」
リン 「その、フォークとナイフは何ですか?」
ミナ 「リンちゃんがゴハンの絵を描いてくれて、それをミナはさっさと食べてさ。
描いてさ、食べてさ、描いて〜食べて〜呑まれて呑んで♪」
リン 「できるかなあ・・・。」
瞬く間に、いい匂いのするマカロンが出てきた。
ミナ 「(。`・д・´)神の魔法だね。」
リン 「おいしいです?」
ミナ 「(。`・д・´)・・・・・。これさ・・・何味?」
リン 「(`・ω・´)え?醤油味。」
ミナ 「(。`・д・´)なんていうのかな・・・魔法としては成功してると思うんだミナは。」
リン 「(^ー^*)よかったです。」
ミナ 「(。`・д・´)ま、まぁ・・・だからこそ良くないというか・・・。
あたしがリンちゃんの味覚を忘れてたというか・・・・・。」
ミナ 「(。`・д・´)っていう夢を見たんだ。」
リン 「(`・ω・´;)すごくリアクションに困ります。(汗)」