魔術都市
121話「影の道」









             翌日・早朝


マナ  「・・・・・・。」

            まだ、辺りは暗い。

            マナは何かを握り締めていた。

            【魔法石】



            実は、雷の塔で023が偶然拾って持っていた石がこれであった。

            帰還してすぐ、落としてしまい、それをその後マナが拾う事になる。


            ミル救出作戦の次元の扉は、ジェイ達が開く。
            つまり、この魔法石は特に必要は無い。

            誰も気付いていない存在の石。


マナ 「・・・。これがあれば・・・。」

ダイ 「ほう・・・そいつは【時間魔法スナトキ】の魔法石か。」

マナ 「ダ、ダイ先生・・・も、戻られたのですか?」

ダイ 「ああ、今しがた。 妙な魔力を感じたんでな。」

マナ 「・・・。やはり・・・返すべきですか?」







ダイ 「はっ!誰にだよ?(笑)」

マナ 「え・・・ええ!?」

ダイ 「あのヘッポコロボが拾って落としたんだろ?で、誰も気付いてないわけだろ?
     で、それを必要としてるんだろ?
マナ 「・・・。」

ダイ 「ま、スナトキを欲しがるものなんざ・・・せいぜい難病を治すとかそういうものに使いたがるけどな。」
マナ 「!!」


             マナは少し黙っていた。


マナ 「実は・・・わた・・・。」
ダイ 「おおっと、そんなもん聞いても俺は同情はしない。
      ま、貰っておけばいいだろ?」

マナ 「で、でも。」
ダイ 「俺が土産に渡したって言えば問題ないさ。」

マナ 「は、はい・・・。」



ダイ 「で?悩んでるのは、それだけじゃないだろ?」
マナ 「・・・。」

ダイ 「その魔法石を使って、時間魔法を習得できるのか?だろ?」
マナ 「なんでも、お見通しですか?」

ダイ 「魔法石は開ければ習得できる便利グッズじゃあねぇんだ。」
マナ 「解ります。」

ダイ 「だが、その体で覚えるには最高の材料だ・・・・・だが・・・。」

マナ 「習得できなかった場合、石は無くなってしまう。」
ダイ 「そうだ。確かに魔法医師としては最高の魔法だ。
      治療にも使える、まぁ、オマエの事だ「失敗を元に戻す」なんて使い方は思ってもいないだろう。」

マナ 「・・・。」


ダイ 「怖いんだろ?魔法も習得できず、折角見つけた魔法石も消えてしまったら・・・と。」
マナ 「はい・・・。」

ダイ 「簡単じゃねぇか?」

マナ 「え?」






ダイ 「オマエ、それラッキーで手に入れたんだよな?」

マナ 「え?」

ダイ 「自分の力を使って手に入れたのは、【運の力:】だけだよな?」
マナ 「え、ああ・・・はい。」

ダイ 「だったら・・・・・その運。続くか賭けてみないか?どうせなかったもんだろ。」

マナ 「でも・・・。スナトキは【ランクX伝説魔法】です、私には契約する資格が・・・。」




ダイ 「魔法律? クソ喰らえだ。(笑)

マナ 「でもバレたら、魔法医師免許の資格すら・・・。」

ダイ 「あー、教科書みたいでつまらん女だな?」

マナ 「なっ!?」



ダイ 「オマエが目指す魔法医師ってのは、そんなもんか? 
     俺はてっきり、魔法律さえないような寂れた村の難病の住人を無料で救うような、自己満足の医師を目指してると思ったんだがな。」

マナ 「・・・。」



ダイ 「【自分でやるって乗った道だからという意地】だけじゃ、道は開けないぜ?

マナ 「・・・。」

ダイ 「そういう道ってな、馬鹿正直にやるだけが能じゃないぜ?
     料理人だって、腹は減るんだ。」
マナ 「意味が・・・。」



ダイ 「行くぞ。」
マナ 「ど、どこへ?」


ダイ 「決まってるだろう?伝説魔法の契約するんだよ。」


マナ 「え・・・ええ!?今からですか?」


ダイ 「昼間にやって、誰かに見られたらどうするんだ?」

マナ 「でもっ!!」

ダイ 「行動封魔法ペスカトレ!!

             マナの動きを封じて、そのまま抱えて拉致。

             犯罪ギリギリではないだろうか?(笑)










              魔法体育館


ダイ 「右手からキロック!!左手からキロック!!合体!!


              施錠魔法キロックをダブル合体させる!!

ダイ 「完全封鎖バイロック!!

              体育館の扉を完全に施錠した。

マナ (こんな使い方が・・・。)



ダイ 「ふははははは、これで誰もこないぜ。」
マナ 「な、なんか別の事をされそうな勢い・・・・・。」



              ダイは指先から光線魔法レミを出し、魔方陣を書きだした。


ダイ 「結構めんどくさいんだがな・・・。」









             マナは伝説魔法の1つ【時間魔法スナトキ】を、習得できるのだろうか?








             続く。





































おまけ





アイ 「ちょっと・・・何このプリン。フタが超絶硬いんだけど?」

ロプ 「あ、アイさん・・・それは他の誰かのプリンですけど・・・。」

アイ 「いーじゃん、ここにずっと置いてあるよ?」

ロプ 「でも賞味期限来てませんし・・・。」


アイ 「いーのいーの。姉御のじゃないって事は確認したし。」

ロプ 「フウゲツ様のでしたら、その奥に・・・。」

アイ 「あ、あるある。」






フウ 「何をしてらっしゃるの?」

アイ 「あ、いえ、プリンのフタが硬くて・・・。」

フウ 「当然ですわ。施錠魔法キロックでフタをロックするのが、普通でしてよ?」


アイ 「ぇ━━(*´・д・)━━!!!

ロプ 「さ、さすが皆様・・・。(汗)」

アイ 「って、誰なの?誰なの??????」


            そっとフウゲツも開錠魔法アバカムで自分のプリンを開けるのを、ロプは見ていた。

ロプ (フ、フウゲツ様が、こっそり「アヴァカムっ」って言いました・・・・・・。)




アイ 「私、開錠魔法アバカムから覚えようかな・・・。」


フウ 「しかし・・・わたくし以外に施錠魔法をできる者が他にも居たとは・・・。」



























マナ 「( >д<) クシュンっ!!」

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