魔術都市
117話「雷の塔・それは90階から」









             雷の塔70階


               塔を登った理由を話すリン。


リン 「(´;ω;`)かくかくしかじかでありまして。ああああああああああん!!」

ミナ 「(´・ω・`)ノナデナデ  もう、泣かんの。」



               ここで黙っているフウゲツ。

               やはり、ギガデイン習得はあくまでついでだったという事だろう。
               今はただ寄り添う雷鳥が、なぜ自分を助けてくれたのかを不思議に思っている。


J  「なるほど…『異空間』か…しかしおまえ達『異空間』を勘違いしてないか?」

ミナ 「と、申しますと?」

J  「こっちと違う世界を異空間と呼ぶわけだが…誰も『異空間は1つ』とは言ってないぞ?」

ミナ 「え?」

J  「異空間への扉を開けた所で、全く別の異空間が広がるという事もある。」

ミナ 「(´・ω・`)え?」
リン 「じゃあ、ミルさんは……。うえええええええええええええええん!!」

J  「まぁ、話を聞け。トロが言う『ルーラの魔法石』で開けるのは、現世のみじゃ。
      利用するとするなら…合流魔法リリルーラじゃな。」

ミナ 「それあんの?」

J  「空間転移システムは、この塔の最上階にある。
      このシステムはギガデインの魔法石を使用しても、エネルギーは足りないのだ…。
      それゆえに、この塔の増幅された雷撃を必要とする。」

リン 「(´;ω;`)じゃあ、この上の階から『異空間』には行けるのですね?」

J  「そうだが、その満身創痍の体で行くのか?」





リン 「(´;ω;`)行きます。」

J  「それじゃ余計に足手まといにならんのか?
      なぜ、お前たちの教師に頼まないんだ?」

ミナ 「(´・ω・`)…。」
リン 「(´・ω・`)それは解ってます…最初から先生に頼んだ方が確実だって事も…。
      でも、止められない信念だってあるんです。
      それは…奇跡だって起こすんです!!」

J  「奇跡などと不確かな物に人の命を…。」

リン 「奇跡は…起こるものじゃなくて、起こすものです。」

ミナ 「そうだ!!このヘタレパンダ!!アタシ達は勝ったじゃないか!!マジカロイドにも。
      誰が最初っから勝てるって予想できたのさ?」



J  「まぁ、『命を懸ける』信念は見た…よかろう…最後の試練じゃ…付いて参れ。」

フウ (最後の…試練?)


マイ 「もしかして…時々聞こえたあの声…。」





             それは90階から響き渡っていた。






             ツクヨミを連れて90階に上がったユーキチと23。

             その扉の向こうに見たのは…巨大な雷龍である。


23  「アベベベベベベベベ…危険LVがスゴイんだアベシ、壊れるアベシ。」

ツク  「ゾクゾクするねえ…。」

ユー  「1200%勝てない…。」



             その雷龍が時々咆哮する。

             その度に、辺りの強力な雷撃がなぜか結晶化して散らばる。


ユー 「この雷龍が…魔法石を生み出しているんだ…。」


雷龍 「なんのようだ?人間共?この魔法石が欲しいのか?」

ユー 「しゃべった…。」

ツク 「欲しいね。あたしの身体を永遠に動かせるくらいのが欲しいね。」

雷龍 「…なるほど…。」

ユー 「き、君はもしかしてマジカロイド…?
ツク 「身体の一部がマジカロイドさ。」

ユー 「なんだって…?」


            ツクヨミはその昔、魔法の事故のせいで傷を負ってしまった部分を魔導超伝動システムで補ったのである。

            もちろん動力源は『雷の魔法石』である。

ユー 「なぜ…そこまでして…。」

ツク 「あたしには…歩かなければならない理由があるからさ…
       そういうわけなんで…その魔法石貰うよ?」


            ツクヨミが一歩づつ進む、自分の行動を制限してしまう電磁波を産む魔法石そのものが
            自分に必要だというある種の矛盾を幾度となく呪った。




雷龍 「例えどんな理由であれど、軽々しく渡すわけにはいかない物なのだ。
        それに、雷撃魔法の契約すらしてない者が何を寝ぼけた事を。」

ツク 「それでも…絶対に持って帰る…。」

雷龍 「力づくで奪うか?」





            その時、扉が開いた。

            下から上がって来たクウチロ達だった。


マイ 「あ、ユーキチさんだ。」

ミナ 「おいおいおいおいおい、居なくなったと思ったら、なんか女子抱いてますよ?」
リン 「…。」

ユー 「ご、誤解しないでっ!!途中で行き倒れてたから、助けただけだよ。」



ツク 「さて、あたしの動力源の魔法石…渡してもらおうじゃないのさ?」

雷龍 「まだいうか…。」



J  「よぅ!!大雷龍神デウス。」

雷龍 「なんだ…ジェイか?久しいな、その姿は。」



ミナ 「このパンダ…あんなでっけー雷龍にタメ口だぞ?」

フウ 「そういうアナタもですわ?」

J  「せめて、こいつら、テストしてやってくれないか?」

フウ 「テスト?」



J  「ギガデインの魔法石の所有と、奥の『扉』の使用をな。」

雷龍 「正気か?」

J  「テストを受ける許可くらい、いいだろ?」

雷龍 「よかろう…。」


            どこかしら、ジェイのが上なように見える。
            こっそりリンはなぜか聞いてみた。



            【大雷龍神デウス】
             雷の上位精霊であり、雷撃魔法の契約を担う。
             その体の部分部分に、機械仕掛けが施されており、その修理などを
             魔導技師ジェイが担当しているのである。
             (脳噛書房 『四聖王 「魔導技師の項目」より抜粋。)



リン 「((((;゜Д゜))))……。色々とこの塔を登る理由があるのですね。」



雷龍 「では試験をしよう。私が直接契約してやろう…ギガデインを超える領域までも。
     試験は簡単だ、あの魔法石に魔力をぶつけるだけだ。
     石が、金色に輝けば合格だ、雷撃魔法石もくれてやろう。」

ミナ 「(。`・д・´)あっさりミナデインが使えちゃうチャンス?


フウ 「フン…雷撃魔法と言えば、わたくしの出番ですわね。」

ミナ 「なんで縦巻きが出るんだよ?アタシだって、魔法石必要じゃんね。」

フウ 「アナタには!!………。」



            フウゲツは黙った。

            さっきの自分の失態と、ミナのあの秘めたる力。


フウ 「まぁ…足しにはなりますわ。」



雷龍 「別に何人でも構わん、だが、見てる奴は攻撃はするな。」

クウ 「なら、私が行かせて貰おう。」

ツク 「ちょっと待ちな、あたしが先に着いたんだ、あたしに先にやる権利あるぜ?」
ユー 「でも、魔法技師ジェイさんの口利きがあったからだよ。」
ツク 「そうだな。」


ミナ 「んじゃま、一緒にやりますか?」

ツク 「話解るじゃん?」

ミナ 「それ…魔導超でん…バチン(舌噛んだ)」
ツク 「ああ、そうさ。」

           ミナは鋼鉄でコーティングされているツクヨミの身体を不思議そうに見ていた。

ツク 「あたしはやんなきゃならないんだ、全力でね。」

ミナ 「がむしゃらに世界でも変えるの?」
ツク 「そんなあたしは…馬鹿かい?」

ミナ 「(。`・皿・´)バカ大好き。」
ツク 「いいねぇ、アンタ嫌いじゃないわ♪」



雷龍 「4人だけか?」



ユウ 「魔法の使えない俺は…。」
リン 「ここは、リンの出る幕は無さそうなメンバーです。(汗)」

マイ 「マイはいざって時に備えて…。ZZZZZZZ。」



            23は電磁力の強さに動けない。

            おそらくツクヨミの体も相当な負担である。

ツク 「絶対…負けない…。」





           魔法石を前に、クウチロ、フウゲツ、ミナ、ツクヨミが向かった。

リン 「でも、余り魔力は残ってないですよね・・・。」


フウ 「……!?」















           続く。































おまけ。


アイ 「…。前回…おまけなかったよね?」

ロプ 「ええ…ネタが無い時は書かないそうです。」

アイ 「それはそれでいいのかもね。」


           ふと、目の前にはフウゲツの魔法書『閃熱』


アイ 「ヴェギラマ…。」
ロプ 「なぜ、そんな本格的(?)な発音を?」

アイ 「だったら・・・ヴェグィラァムァー!!とかじゃない?」

ロプ 「そこまで行くと…発声術の条件をクリアできないんじゃ…(汗)」

アイ 「そうかー。」

ロプ 「契約した精霊さんも、何の魔法だか解りませんよ…。」











アイ 「訛りのある精霊とか居ないのかな?(笑)

ロプ 「えっと…では地方と地方同士だと余計に解らないのでしょうか?」







フウ 「アナタ達の会話の方が解りませんですわ?」

アイ 「((((;゜Д゜))))」

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