魔術都市
115話「雷の塔・惨劇の70階」









             雷の塔・70階

                
                音だけ聞こえた。

                声だけ聞こえた。



リン 「ミ、ミナさあああああああん!!返事してください!!

マイ 「え?今のって・・・・・。」

リン 「うわああああああああああああん!!ミナさあああああああああん!!

マイ 「リンちゃん、その柵、危ないって!!」

               凛は今にも雷の柵に飛び込もうとしていた。







               ミナは返事をしなかった。

               大量の血の海の中で。


フウ 「そうですわっ!!蘇生魔法ザオラル!!


               死者の魂を呼び戻す、蘇生魔法ザオラルである。

               だが、魔法が成功しても、魂が戻る確率は五分五分だという。

               僧侶の修行を積み、契約された完全蘇生魔法ザオリクとは違うのである。

               フウゲツの血統ですらザオラルが限界なのである。




               フウゲツは、ミナの体の上で、掌を向け、十字をかくように魔力を込める。


フウ 「神の名において・・・・・。」


               フウゲツは気を落ち着かせ、魔力を練り、ザオラルを発動させた。

               輝く手をミナに当てる。

               かすかに動いた気がした・・・・・!?


フウ 「成功・・・・し・・・・・・!!」










               後ろからの物音には気が付いたが、
               その声を聞くまで、確認をしなかった・・・・・。


ガイ 「このやろう・・・・・さすがに今までで一番あったまきた!!」


               なんと、ガイナの剣がフウゲツを後ろから突き刺した。

フウ 「な・・・・・ま・・・・・まだ・・・。」

ガイ 「残念だったね、さすがにシステムダウンするかと・・・いや、危ないかな・・・・・。」
    


フウ 「くっ・・・。」

               フウゲツも口から血を吐き、その場に崩れ去った・・・・・。

               それでも、まだ立ち上がろうとはしている。


















               説明のつかない場所・・・


謎  「ミナや・・・起きなさい。」

ミナ 「やーだー、まーだー、眠いーーーー!!」

謎  「・・・。」

ミナ 「(−_ゞ」

謎  「ミナや・・・ゴハンですよ。」

ミナ 「(`・ω・´)マジで!!





               と、なんだか不思議な感覚の場所。


               下を見ると、血まみれの自分が居た。


ミナ 「(´・ω・`)あ・・・アタシ死んじゃったんだ?」

謎  「そうです。」

ミナ 「(´・ω・`)そうです・・・って・・・アレ?縦巻きもなんか危ないじゃん・・・。
       アイツなんでギガデイン喰らって大丈夫なん?

       ああ、縦巻き、失敗した?????
       んなことないよね。」

謎  「竜魔人の血は・・・・・人を蘇らせる事ができます。」

ミナ 「マジで!?」

謎  「あの惨劇の70階へ・・・戻りますか?」

ミナ 「うーん・・・アタシ役に立たないしなあ・・・。でもやれる事やってだね。
       まだ、戻れるって手があるなら、やるしかないでしょ!!」









謎 「竜魔人の力のご加護を・・・・・。」

ミナ 「(`・ω・´)てか・・・アンタ誰?


















             ハッと気が付けば、惨劇の70階に居た。




ミナ 「(`・ω・´)あで?傷ふさがってる。」


ガイ 「な!?」

フウ 「蘇生・・・・・できたのかしら・・・・・?」

ミナ 「よく解らないけど、竜魔人の血がどーのこーの。」

フウ 「まぁ、所詮その程度の攻撃・・・というか剣で刺すしか・・・・・能が無いんですわ?」

ガイ 「ふざけるな!!」




             フウゲツを掴み、窓の外へと放り投げる!!


フウ 「くっ・・・・・。」

             身体が思うように動かず、無抵抗に外へと飛ばされる。


ミナ 「あれっ?」


             それを見たクウチロは、牢獄に魔力を込めた。

             その魔力が全て吸い取られても・・・・・。

クウ 「ウオオオオオオオオオオオオオオ!!

             ありったけの魔力を短時間でブチこんだのか、
             牢獄は壊れ、クウチロは脱出する事はできた。



クウ 「魔力が・・・・・ゼロ・・・・・。」



ミナ 「え?何してるの?クウチロせんせ!!」

             魔力を使い果たしやのか、飛翔魔法すらできないクウチロ。




             目の前で落ちていく、二人。


ガイ 「これで、ワタシの勝ちだな・・・。」















             ブチン!!





             ミナの中で何かがキレた。






             魔力の渦がミナを包みこみ、激しい波動を生み出す!!


ガイ 「何が起こった!?」




             魔力の渦が、バチバチと音を立て竜巻となり・・・

             やがてなりやんだ・・・・。


             その渦の中には、身体の一部に角や棘や鱗をまとったミナの姿があった。



ガイ 「龍変化魔法ドラゴラムか・・・・・!?







J  「あれは・・・・・竜魔人・・・・・。










            ミナ・・・変身。









            続く。





















































おまけ。


ヒメ 「ふう・・・かろうじてヒビは塞がったので、また使えます、良かった。」


マナ 「なんだか、こっちは前とカタチが変わってしまったような・・・。」

ヒメ 「ちょっと強引にくっつけました?」

マナ 「まぁ・・・前より量は入るかと・・・・・。」



ヒメ 「そうねぇ・・・。」




















給湯室の後ろで・・・・・・2つカップにもヒビが入っていた事は気づかれなかった。

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