魔術都市
103話「ラスト・ファイヤーウォール」









             魔法体育館


ミナ  『あーけーて!!』

アイ  「なにこれ、どうやって開けるの??」
ロプ  「と、私に言われましても・・・。」

アイ  「フウゲツ様ぁ〜?」


フウ  「ああ、どうしてあの女は・・・。
       下がりなさい!!このホルスタイン!!」



ミナ  『あ、なんか、すっげー誰か解っちゃった。』
リン  『何するかも解っちゃいましたね。(汗)』


             その『向こう側』には、城塞都市から強引に転送してきたアイツが居た。


フウ  「全く世話がやけますこと・・・これくらい開けられなくって?
          開錠魔法アヴァカム!!


             開錠魔法アバカムである。

ロプ  「また、発音がゴージャスですこと。」



             その魔法障壁はいとも簡単に開けられた。




ミナ  「やっほーぃ!!ミナだよっ!!」

フウ  「なんで、時空の狭間に巻き込まれて消えなかったんですの?」

ミナ  「なんでそないな事言うかな、この縦巻きロールは・・・。」



リン  「ああ、なんか『帰ってきた』って感じですね。」



             と、ミナに続いて、ヒメ達も戻って来た。



ヒメ  「ああ、体育館ね。」
マシ  「オー、マイスクール。」

             マド、マナ、タノ、ユ−キチ、シシも続いて出てきた。


タノ  「おお・・・ユーキチはん、転送装置・・・ウチ感激やで!?
ユー  「でもやっぱ物体転送はちょっと怖いね。」


マド  「あれ?体育館が何か壊れてるような・・・。」
マナ  「魔法練習にしては・・・不思議な魔力を感じる・・・。」



ヒメ  「この波動の残骸は・・・・・まさか・・・・・。」

フウ  「ええ、魔王はこのわたくしが封印致しましてよ?」

アイ  「オメガルーラの魔法石・・・・・ボソッ。」



マシ  「とりあえず、学校の状況を知りたい、校長の所に行こう。」

ロプ  「それが、今学校に居るのは、テツ先生とスワン先生と、ロクロ先生、クウチロ先生だけです。」

マシ  「また、出張か?」

ヒメ  「・・・・・・・・・・・・・・・・。」




             ふと、ヒメの表情が何かを思考していたように見えたが、
             とりあえず、生徒の回復が先であった。


ロプ  「あれ・・・?ミルさんが居ないようですが?」

リン  「(´;ω;`)・・・・・。」
ミナ  「(´;ω;`)・・・・・。」

ヒメ  「まぁ・・・その件も含めて明日説明します。
        今夜は全員休ませてあげて。」
ロプ  「は、はい・・・。」



            



             自分の命を賭けて戦う事が初めてだった生徒はたくさん居た。

             その中で、全員無事なのは奇跡とも言える。

             そしてもちろん、ミルミィも無事であると信じていた。

             なんて考えを張り巡らせながら、ヒメも眠りに付いた、さすがに魔法力を使い果たしたのだろう。




















            そんな夜、校舎から月を眺めている者が居た。



リン  「(´・ω・`)ミルさん・・・・・無事ですよね・・・・・。」

            と、コツコツと足跡が響き渡る。

リン  「(´;ω;`)?」


マナ  「あら、こんな時間に何をしてるのかしら?」

リン  「(´;ω;`)あ゛ーーーん。」

マナ  「もう、いつまでもうるさい子ね。」

リン  「(´;ω;`)マナさんは、ミルさんがあんなことになって
    なんとも思ってないんですかっ!!



            珍しくリンがくってかかる。

リン  「いつもそうやって人を遠ざけてるけど、
        同じ仲間が居なくなって、なんとも思わないんですかっ!!」

マナ  「勝手に・・・・・仲間にしないで!!
        私達は『同じ学校に居る』それだけの事よ。」

リン  「(´;ω;`)ひどい・・・・・マナさんなんて・・・・・。」



            リンはマナを突き飛ばして、走り去ろうとする。


            バランスを崩したマナの手から、古代の魔法書がバラバラと舞い散る。

マナ 「あっ・・・!!」

リン 「!!・・・・・『時間魔法スナトキの魔法石』・・・スナトキの魔法石は特殊で、中に砂が入っており・・・・・って
       こ、これ・・・・・。」



            マナは黙って、床に散る魔法書を集める。


マナ 「勘違いしないで。ただ、私の古代書に聞いた名前があったから読んだだけよ。」


            マナはそのまま立ち去った。



             ふと、リンは思った。

             古代書は古代文字のためによほどの者で無いと読めない。

             実際、この学校で生徒で読めるものは、おそらくマナだけであろう。



リン 「・・・・・!!マナさん、まさか、この時間まで翻訳してたんじゃ!?
       あああああああああああん!!私、なんてヒドイ事を・・・・・。」

ミナ 「( ´△`)ふわー、あで??リンちゃん、どしたの?オネショの布団干してるの?」

リン 「((((;゜Д゜))))えええええ。」

            マナを追いかけようとして、起きてきたミナに阻まれ、進めず。












マナ 「ふん・・・・・。まだまだ子供ね・・・・・。」





             窓からの月光が強く差し込む夜だった。


マナ 「雲ひとつ無いのね・・・・・あ・・・・・流れ星・・・・・・。」














リン 「あ・・・流れ星だ・・・。」

ミナ 「まーじーでー!?どこどこどこどこ!?アタシっお願いがあるんですがっ!!」

リン 「(´・ω・`)もう、消えちゃいましたよ。」

ミナ 「(´・ω・`)スーパーションボリ。」









             そして、『ファイヤーウォール』はここに終わりを迎えた。

             まだ誰も、後に語られるほどの偉業だったとは、想像もつかぬまま・・・




             夜は明けた。




             続く。


































おまけ。


テツ 「さて、このカバの弁当であるが、食べてみてはダメだろうか?」

ダイ 「おいおい、誰のか解らないぜ?」

テツ 「はっはっは。少なくともヒメ先生のではないだろう?」

ダイ 「うーむ、確かに。料理はできるが、キャラ弁って性格じゃないよな。(笑)」

テツ 「もしかしたら、般若の面とかかもしれんでゴザるよ。」

ダイ 「そうだな・・・・・ん?」

テツ 「どうした?」

ダイ 「この流れはマズイ・・・・・多分、そこ辺から、『に゛っこり』してて、悲惨なオチになるんじゃ?」

テツ 「む、さすがだ。その読みは鋭い。」





ダイ 「い、居ないよな?」







テツ 「手遅れだった・・・。

ヒメ 「(^−^*)に゛っこり。」

ダイ 「あ、いや、なんだ、そのな・・・。」

ヒメ 「私だって、キャラ弁の一つや二つ作れますよ?
      さぁ、とくと見よっ!!!!!」









テツ 「な、なんだ・・・・・。」

ヒメ  「(´ノωノ) きゃーーー、小説のね『マッドイーターバースト』の主人公ゾーマって言ってね。
       もうね、なんていうのかな・・・・・。
       あ、そうそう、この髪の毛の水色を表現するのに、着色料を考えたんだけど
       でも、ものによっては、油と相性悪いし、子供に食べさせるならやっぱ健康を考えたいじゃない?
       だけどやっぱりどっかで一度作ってみたいな〜〜〜〜って。

       とりあえず、見た目重視で、とんでもない材料でも使っちゃったんだけど。
       二人とも、食べるよね?








テツ 「い、頂くでゴザる・・・・・。」
ダイ 「材料は・・・何なんだろうな・・・。」

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