絡繰乱舞夢日記
第陸拾陸話
「大事な法螺貝(後編)」
潜行亭
時間は明け方。
り 「う・・・眠い・・・・・。」
ダ 「うむ・・・・・。麦、激冷たいお茶だ!!」
麦 「あんじょうよろしやす〜。」
本来なら数日かかる作業。
だからと言って邪険にはできない。
楽器と云う物は精密であり、繊細。
その微塵の何かが音色を傷つける場合もある。
ダ 「くっ・・・・・接着剤の乾燥時間だけは・・・・・どうにもならないのか・・・・・。」
け 「何をおっしゃいますか。」
り 「おお?けったさん?」
け 「絡繰扇風機があるではないですか。」
り 「あ、そうか。」
ダ 「しかし、なぜここに?」
け 「ふっふっふ。今夜は寝かしませんよ?
栄養飲料の差し入れです。」
り 「なんだこれ・・・?」
け 「マムシから抽出した液をですね・・・・・。」
ダ 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ クソ不味っ!!」
り 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ ありえない!!」
り(女)「これで、おめめバッチリだっつー話。」
ダ 「(`☆д☆´)おお!!」
発表会当日の朝を迎えました。
参加できないおサヤは、せめて見学でも・・・。
法螺貝担当は六人居たので幸いなんとかなりそうだ。
お凛も参加を取りやめた。
サ 「(´・ω・`)お凛ちゃん、出たらいいのにぃ。」
凛 「(´・ω・`)私、おサヤさんと一緒がいい。」
ミ 「(。`・д・´)確かな友情がココにあるでー。」
サ ( (´;ω;`)ああ・・・。練習したのにな・・・したのにな・・・。)
一方その頃。
潜行亭
ダ 「(`xωx´)よし、完成だ。」
り 「(`xωx´)なんとかなりましたね。」
か 「おお、さすが師匠・・・・・。
さぁ、早く、おサヤに届けないと。」
法螺貝をおかちょに渡す。
ダ 「これはオマエが持っていけ。」
り 「だね。」
か 「え・・・・・なんで?
また、壊したら・・・・・。」
ダ 「ほぅ、オマエは同じ愚を踏むほど愚かなのか?
人の信念の品をまたしても壊せる程度なのか?」
か 「・・・・・。」
法螺貝を抱きしめ答える。
か 「そんなわけがない!!」
ダ 「なら行って来い!!」
り 「気をつけて。」
おかちょは走る。
法螺貝を抱えて。
黒須殿
か 「やっと着いた・・・・・。ハァハァ・・・・・おサヤは・・・何処だ?」
客席にちょこんと座ってる、おサヤとお凛を発見。
か 「おサヤ!!」
サ 「おかちょさん・・・・・。」
か 「本当にすまなかった・・・・・詫びても詫びても足りない。
とりあえず・・・・・新しいのは完成した・・・・・。
今はこれしかないが、これで演奏してくれないか・・・・・?」
法螺貝を受け取り、ちょっと吹いてみる。
サ 「(-´∀`-)あ、前のより、音に深みがあるかも。」
か 「これで許してくれとは言わない・・・・・。
これで・・・・・聴かせてくれないか?」
サ 「(-´∀`-)/゛ はいよっ!! お凛ちゃん、行こっ!!」
凛 「(´うω;`) 良かったあああああああああああああ。」
か 「良かった・・・・・。」
さすがに全力で走ったのでその場に倒れるおかちょ。
ロ 「あらあら、演奏聴くまで倒れさせないわよ?(ダミ声)」
そして、演奏は無事に行われた。
ロ 「うおおおおおおおおおおん!!
感動よ!!感動の渦よ!!(ダミ感動)」
ミ 「(。`・д・´)ぅおぉ。すげぇな。アタシも楽器弾きたい。もぐもぐ。」
姫 「なにやら今日の楽器隊は一味も二味も違うのぅ。」
す 「それは・・・・・皆の『信念の集まった楽器』ですから。」
姫 「?????」
忍軍団には伝令が行っているのである。
轆轤屋
ロ 「うおおおおおおおおおおん。あたくしは感動しましたわよっ!!(ダミ感涙)」
ミ 「(。`・д・´)女将さん、ずっと泣きっぱなしだったんだよぅ。」
ロ 「だってだって、感動の一言ですわよっ。(ダミ号泣)」
ミ 「(。`・д・´)うっわ、鼻つけんなー。」
凛 「(-´∀`-)爽快でしたね。」
サ 「(-´∀`-)でしたねぇ。」
か 「おサヤ・・・・・本当に・・・・・・ん。」
おかちょの口を封じるおサヤ。
サ 「(-´∀`-)もう、いいじゃないですか。
そんなおかちょさんじゃなくて、いつものおかちょさんでないと困りますぅ。」
か 「うーん。しかしだな・・・。」
サ 「(´∀`- )でなきゃ、許してあげませんですぅ。」
か 「うーむ。」
と、やってくる和尚。
く 「ふぉふぉふぉふぉふぉ。そうですかそうですか、そんな事件が。
これで、おかちょさんもおとなしくなってるはずですねぇ。」
誰かに事情を聞いたのか、世界の滅亡食い止める祈りをやめ
おかちょをカラカイに来たのである。
あの小さな法螺貝を持って。
く 「うひひひひひひ。おかちょさん。ほれほれ。」
か 「ほぅ・・・・・いい度胸だな・・・・・。」
く 「あれ?あれ?あれ?」
か 「とりあえず、貴様のための笛を手に入れたんだ、一曲聴かないか?」
く 「うわっ、いやだ!!きっと吹き矢が仕込んでるんだ!!」
サ 「(-´∀`-)バレてるし。」
か 「まぁまぁ。」
く 「うわああああああああああああああああああ!!」
高速で逃げる和尚。
か 「フッ!」
ぷすっ。
く 「あ゛ーっ!!」
サ 「((´∀`))ケラケラ 」
凛 「((´∀`))ケラケラ 」
ダ 「ところで・・・・・やっぱ今回の法螺貝代金は・・・・・オマエから取るのがスジだよな?」
か 「解ってますよ・・・・・。」
ダ 「高くつくぜ?緊急だったからな。」
か 「いくらなんですか・・・・・?」
り 「えーっと。 ごにょごにょごにょ。」
か 「((((;゜Д゜))))!!」
ダ 「タダで貰った法螺貝に、壊れた法螺貝の部品を使ったわけであるが。
皆の『想い』が詰まってるので・・・・・・。」
値段なんてつけられないっていう良い話。(笑)
続く。
おまけ。
鉄 「行くぞ!!皆の者!!」
ぽぴょー!!
ゆ 「お、お奉行・・・・・やはり笛じゃ・・・・・なんか締まりません。
やはり、法螺貝でないと・・・・・。」
鉄 「そのようであるな・・・・・。」