絡繰乱舞夢日記
第陸拾壱話
「商戦」
轆轤屋
ロ 「困ったわね・・・・・。(ダミ声)」
か 「ん?」
サ 「どうしたんですかぁ?」
ロ 「売り上げが・・・・・。」
か 「ん?なんかちょっと前にも似たような展開が・・・。」
ロ 「何か考えないといけないわね・・・・・。(ダミ声)」
サ 「そんなに売り上げ減ったとは思えませんですぅ。」
か 「よし・・・・・アレだ。」
ロ 「あら?何か良い案でも?」
か 「そうだ、かつて武蔵坊弁慶も行ったという・・・・・。」
ロ 「そんなすごい商戦が!?」
か 「刀狩り。」
サ 「で、どうするんですかぁ?」
か 「売る。」
ロ 「却下、とりあえず二人で他の商店の戦略を見てらっしゃい。(ダミ声)」
か 「ま、しょうがないな。」
サ 「(`・д・´。)三(。`・д・´)」
か 「どうした?」
サ 「あ、いえ最近この組み合わせだと、お凛さんが来るかなぁって。」
か 「多分、大丈夫だ。」
商店街に繰り出す。
なにやらの人だかり。
か 「ほらな、狙ったかのようなネタが転がっておる。」
サ 「(-´∀`-)〜♪ なんだろう?」
鉄 「むむむ、おかちょではないか。」
か 「おお?お奉行が昼間っからサボリか?」
鉄 「いやいや、今は『遊び人の鉄さん』と呼んでくれ!!」
か 「で、何をしている?」
どうやら『くじ』らしい。
百枚ある『くじ』を引くと、一等〜六等までの景品があたるらしい。
一等は二本だけのようである。
か 「ま、典型的な商戦だな、そんなものがいかほどの効果か・・・。」
一等を眺めてみた。
『戦国武将・真田幸村人形』もちろん美形。
サ 「なんだぁ、私戦国武将はあまり知らないですぅ。」
か 「そ・・・そうだな・・・あ・・・あんなのあっても邪魔だしな・・・。」
サ 「(-´∀`-)ですよねぇ、じゃあ行きましょう。」
か 「あ・・・い・・・いや・・・あの四等の湯のみなら、いいんじゃないか・・・?」
サ 「(-´∀`-)そですか? 私ならクマさんのかわぃぃのがいいですぅ。」
四等:六文銭模様・毘沙門模様などの『湯飲み』(全四種)
か 「と、いう事でせっかく来たんだし、洒落で一回やってもいいかな。(汗)
まあ、偶然一等が出たら出たで、悲しいが。
『湯飲み』が出るまでやってもいいな。あくまで『湯飲み』な。」
サ 「おかちょさん・・・もしかして欲しいのは一・・・。」
か 「なななななななにを馬鹿な!!」
鉄 「二等の『蜻蛉切り』の模造槍でたら、拙者に・・・!!」
後ろからものすごく、負の何かを感じる・・・・・。
サ 「( ´・д・`)あ・・・。お凛さんがこの世の終わりみたいな顔してる・・・。」
凛 「(´;ω;`)全額つぎ込んだのに・・・・・。
全部六等のてぬぐい・・・・・。全部・・・・・。
幸村が・・・・・幸村ああああああああああああああああああああああ!!」
か 「ええい見苦しい!!」
凛 「(´;ω;`)うええええええええええええええええええええええええええん!!
ゆーぎーむーらー!!」
おかちょ挑戦。
てぬぐい当たり。
か 「むぅ、『湯飲み』が出なかったな、よし、『湯飲み』が出るまでやろう。」
おかちょ挑戦。
サ 「(-´∀`-)あ、湯飲みじゃないですか。」
か 「ぬぅ!!」
サ 「(-´∀`-)よかったですねぇ。」
か 「う・・・いや・・・あっちの模様の方がいいな・・・・なんて・・・・・。」
その後挑戦しまくるが、てぬぐい。
か 「むぅ・・・・・おかしいな・・・・・。
おい、店員。残りのくじいくつだ?」
店 「え?あと60ほどありますが・・・・・。」
か 「それ全部買うぞ。」
サ 「(`・ω・´)!!」
凛 「(`・ω・´)!!」
鉄 「おい、おかちょ・・・いくらなんでも。」
か 「いや、全部だ。さあ、三万出すぞ。」
店 「あ・・・いや・・・しかし・・・。他のお客さんのが・・・・・。」
だが、他の人も全部売ってやれと叫ぶ。
そう、インチキではないかと疑っているのである。
つまり一等は今は入って居ないと。
店 「ちょっとすいません!!」
主人が出てくる。
主 「(おい、焦るな・・・。)
あ、お待たせしました。
えーっと、全部お買い上げとのことで?」
か 「ああ、そうだ。全部ひかせろ。」
主 「全部でしたら、こちらの景品を全部ということなので
今すぐ袋にお入れしますね。」
か 「いや、全部引かせろ。一枚づつな。」
主 「し、しかし。」
か 「ほほぅ、それとも何か一枚づつ引くとマズイ事でもあるのか?」
主 「めめめめめめ滅相もございません。」
か 「では、引かせてもらうぞ?」
と、主人がすぐにおかちょに駆け寄る。
主 「あ、あの、全部お買い上げなので、お値段の方を勉強しまして・・・。」
おかちょに耳打ちする。
主 (すみません・・・・・。一等は入ってません・・・・・。
今回はお望みの景品を無料で・・・引かれた分もこっそりお返ししますので
どうか・・・ご内密に・・・・・。ほんの出来心で・・・・・。
これでも家族を養っていかねばやっていけないんですよ・・・・・。)
ふと奥を見れば、確かに贅沢はしてないであろう子供が。
か (二度と・・・やるんじゃないぞ・・・。)
主 (ええ・・・・・。)
それでもおかちょは三万渡した。
当然ながら、全景品ゲット。
かなり大人げ無い。(笑)
だが、人知れず今後の不正を防止したと言う事で。
他の客も薄々感じていた事なので、このまま闇の中。
凛 「(´;ω;`)ゆぎむら・・・・・。」
か 「わ、わかった・・・この人形を・・・・・。」
凛 「(´;ω;`)うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん。」
か 「吼えるな吼えるな。
八千でどうだ?」
鉄 「((((;゜Д゜))))高っ!!」
サ 「(。`・д・´)ひどっ!!(笑)」
か 「なーに、これも商売だ。」
凛 「あ、買います。(即)」
か 「ま・・・毎度。」
で、二等の槍『蜻蛉切り』を肩に担ぐおかちょ。
鉄 「(。`・д・´)・・・・・。」
か 「お奉行だから・・・給料は高いんだろうなあ・・・・・。」
サ 「(`・ω・´;)狙いはソコなんですね・・・。(汗)」
鉄 「( ´_ゝ`)拙者・・・思ってるほど貰っておらんぞ。」
給料明細符を見える。
か 「・・・。
なんか・・・気の毒になってきた・・・この槍やるよ・・・。」
鉄 「なにいいいいいいいいいいい!?
この世におかちょ殿の『タダ』ほど怖いものは・・・・・。」
か 「なんだ、いらんのか?」
鉄 「だが、この槍のためなら・・・・・。」
か 「そんなに少ないモン見せられたらさすがにな・・・・・。」
ふと、『自営業』『お上職』などを考えた。
職業は違えど・・・皆苦労してる。
たとえ、それが『銭』に繋がらなくても、
なければならない職業もある。
皆が逃げていては・・・成り立たない。
か 「フン・・・。」
おかちょが店主のもとへ。
か 「ところで、相談だが店主よ。
この商店街界隈限定使用可能の金券が余っているのだ。
主 「そ、それを・・・・・?」
か 「いやぁ、誰かが換金・・・・・いや、現金で買い取ってくれると助かるんだがな。」
主 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
か 「ああ、誰か・・・コレ一万で買ってくれないかなあ・・・・・・。」
主 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
だが、店主に選択の余地は無かった。
泣く泣く金券を受け取る。
主 「ああああああ・・・・・・。」
か 「ククククク・・・毎度。」
そして着物を翻し、その場から立ち去るのであった。
主 「ああああ・・・・・。」
と、涙ながらに金券を見て、もう悪事はしまいと誓ったのである。
主 「あ・・・あれ?この金券・・・・・5万円分ある・・・・・。」
轆轤屋への帰り道。
か 「ウチも売り上げ少ない少ないと言っていても、これだけ給料くれるなら
案外そこそこ儲かってるんじゃないのか・・・?」
サ 「そぅですねぇ〜。
(-´∀`-)私にも●●万くれるんですから〜。」
か 「え?」
サ 「(-´∀`-)え?」
か 「おサヤ・・・・・走るぞ・・・・・女将に話がある!!」
サ 「え・・・?走るって・・・あ・・・待ってくださいよぅ〜おかちょさ〜〜〜〜ん!!」
走るおかちょの目は・・・・・。
そう鬼神のようでした・・・・・。
つづく。
おまけ。
か 「女将・・・・・話がある・・・・・。」
ロ 「きゃあああああああああああああああああああああああ!!
(一応女の子っぽい悲鳴だけどダミ声)」