絡繰乱舞夢日記
第伍拾捌話
「新型」














            万屋


             今日も商品開発に余念の無いけった。

             ダイやりすきの絡繰を使い自分自身で開発する。

             なにせ、開発費さえなんとかすれば、特許料などがなく
             馬鹿売れすれば、大もうけ。


り  「旦那、ナニ作ってるだってーの?」

け  「ああ、おりえさん。自動で走行する大八車を・・・・・。」
り  「((´∀`))ケラケラ  そんな異国の言葉使ってもわっかんねーっつーの。」

け  「まぁ、馬とか無しでも勝手に動いてくれる車ですよ。」

り  「へぇー。上に乗ってるだけでいいん?ラクじゃーん♪」
け  「そうですね、きっと近い将来主流な技術になりそうな予感です。」


り  「いつごろ?」



け  「四百年くらい後ですかね?」

り  「・・・・・。」





り  「・・・・・・。マジで言ってる?」
け  「(´・ω・`;)え、ええ。」

り  「その頃おりえ、居ないじゃん。つーまんねーのー♪」

け  「あ、おりえさん、ちょっと材料仕入れてくるんで店番お願いします。」
り  「はーぃー♪」






             しばらくして、ダイがやってくる。


ダ  「おおおおおお!!おりえちゃん。(凝視)
り  「何処見てんだっつーの(拳)


ダ  「ケッタさんは?」
り  「あー、なんかどっか行っちゃった。」

ダ  「そうか。」


             と、ダイの手の物が気になる。


り  「それなに?」
ダ  「ああ、新しい携帯伝書だよ。
      この『いろは釦(ぼたん)』を押す事で伝書できるという。
      いちいち書かなくて済むし、文書書体の画像認識が・・・・・。」
り  「((´∀`))ケラケラ  解んねーっつーの。」


け  「おお、ダイさん。」
ダ  「お。そっちも進んでますなあ。」

け  「ちょっと解らないんですが・・・・・。」
ダ  「あまり自動走行絡繰は詳しくないんだが、私で解る事なら。」



             新しい携帯伝書を置いて奥に行く二人。



り  「(。`・д・´)♪」


             おりえは、それを触ってみる。


り  「いいじゃんいいじゃん?」


             取扱説明書。


り  「えーっと、それぞれの『所在』を登録して・・・・・。
     ああ、前のと同じだって話ぃ?」


             なぜか携帯伝書の説明書の文章は理解できる。



             そしてダイとケッタが戻ってきた。


ダ  「お、おりえちゃん、どうだい?」

り  「んー、この伝書打つ時だけどさぁ?」
ダ  「ん?」


             一文打ってみせる。


ダ  「((((;゜Д゜))))もう高速で釦押してるし!!

り  「こことここの釦の間隔が少ないから、同時に押しちゃうからウザイんですけど?」

ダ  「(。`・д・´)なるほど。」

り  「あと、これ握った時の親指の位置とか、考えてほしいんですっつーの。」

ダ  「(。`・д・´)!!なるほどっ。」

り  「さらに〜。ヒモとか付けたいんで〜。穴とか欲しいですー。」

ダ  「(。`・д・´)!!なんとっ!!」



             全てを帖に書く。


ダ  「よし、開発再開だ!!」

り  「でも、その釦は超いいじゃん。」

ダ  「そ、そうか?」

り  「(-´∀`-)おりえも欲しいなあ・・・。

ダ  「(。`・д・´)y−

り  「(-´∀`-)欲しいなあ。

ダ  「(。`・д・´)y−



り  「(-´∀`-)欲しいなあ。(むぎゅー。)

ダ  「(`☆д☆´)ひとつあげるっ!!」

け  「あ、私も。」


ダ  「( ・д・) 30000円です。」
け  「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ


り  「((´∀`)) わーぃ♪ やったぁー♪ じゃ、早く作ってきてよ。」
ダ  「(。`・д・´)すぐにっ。」





             ダイが居なくなり、ふと携帯伝書につけるヒモを考えるおりえ。


り  「こないだ折れたカンザシがあったっけ♪」


             カンザシを棚から取る。


り  「ねー、ここの玉に穴あけてー。」

け  「え?カンザシの玉にですか?」


            ゴリゴリゴリ。



            と、おりえは色とりどりの糸を編んで、玉に通した。


り  「((´∀`)) 超かゎぃぃんですけど?」



け  「ほぅ・・・・・。伝書用の・・・・・。それだ!!」

り  「((((;゜Д゜))))びくっ!!」

け  「おりえさん、ソレですよ!!ソレを作って売るんですよ!!」

り  「これ?」


け  「それ、女性には大人気になります!!
      私カンザシの玉の材料仕入れて穴空けるんで、
      おりえさんは、その『ヒモ』、イッパイ作ってください!!」

り  「金一封出る?」

け  「ええ、一本売れたら半額あげますよ?」

り  「マジでー? おりえ、頑張っちゃおうかな?」




            さっそく、金や銀の色もそろえ、色々編むおりえ。

            ケッタも様々な硝子細工なども仕入れる。








            そして、後日ダイとりすきの潜行亭から発売した『いろは釦携帯伝書』は
            また、携帯伝書としてもすさまじい売れ行きとなった。







け  「ちょっと、並んでもらえますか!!」

り  「ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 ちょっと待てっつーの。」


            なんと、あの「おりえの伝書紐」が口コミで広がったのである。
            店内は騒然としていた。




            結局、閉店時間まで戦争であった・・・・・。






け  「( ´_ゝ`)ふーーー。かなり疲れましたが、二百本は売れましたね。」

り  「( ´_ゝ`)疲れたっつーの。」





            と、知り合いがまだ残ってた。



ミ  「ちょっとちょっと、おりえちゃん!コレすごいんじゃないの?超かわいー!!」

            おミナは、「おにぎり」の飾りのをつけてる。



苺  「そうね、色調が凄く綺麗だわね。」

ち  「ねーねー、タコ焼きの飾りは無いの?(笑)
      あったら、屋台で売りたいんだけどなぁ。」
け  「注文受けしますよ。」


り  「(。`・д・´)」



ミ  「ん?どしたのおりえちゃん。」



り  「(。`・д・´)なんか・・・皆が付けてるなあって。」


凛  「ですです、『おりえ印』の伝書紐は、クノイチの中でも絶品と評判ですよ?」

り  「(。`・д・´)マジで!!」

凛  「紐を編んで、模様を作ってるんですから、すごいですよ。
      私のへっぽこ忍法よりスゴイですよ。」



苺  「私はこの数が稀少な、おちついた色調のがすごく良いと思う。」

ミ  「だってさー、このおにぎり、超かわぃぃじゃん?」

り  「(。`・д・´)!!」






             と、おサヤとおかちょがやってくる。



サ  「けったさーん。売ってくださいですー。」


             商売人は営業時間内に買いにこれず、いつもこの時間に。
             けったの粋な計らいであった。


サ  「(-´∀`-)きゃあああああああああああ。にゃんこですぅ!!
      ほら、おかちょさん!!」

か  「ば、馬鹿を言え!!こ、、こんな猫なんか、猫なんか・・・・・。」

サ  「買いましょーよ。」

か  「い、要らぬ!!」




ケ  「あ、おかちょさん、紐福引はどうですか?
      何が当たるか解りませんが。」

か  「あ、ああ、も、もちろんだ、それなら何が当たっても仕方ないな。」

ケ  「で、ですね。」




             と、引いてみる。

             書かれた番号札の袋をけったが持ってくる。

             無論、わざと猫のを入れたわけだが。



サ  「(-´∀`-)にゃんこじゃないですかあああああああああ。」

か  「くっ、ま、まぁ、折角当たったわけだし、これにするか仕方ない。」

け  「で、ですね。(汗)」



ち  「ねーねー。おりえちゃん、次はどんなの作るの?」

り  「え・・・。まだ、そんな。」


ち  「(-´∀`-)新作できたら教えてね。」
ミ  「次ね、お団子がいいな!!」


け  (食べ物ばっかりなんだ・・・。)


サ  「ダ、ダミ声団子紐!?」



ミ  「(-´∀`-)/゛ダーミ声!!ダーミ声!!
ち  「(-´∀`-)/゛ダーミ声!!ダーミ声!!




り  「(´;ω;`)」




ミ  「((((;゜Д゜))))!!どどどどどーしたんおりえちゃん!?」
ち  「((((;゜Д゜))))!!ダミ声団子はダメだった!?」









り  「(´;ω;`)ううん、なんか私の作ったのを、こんなに・・・・・こんなに。
      なんか・・・・・嬉しくって・・・・・。」

ミ  「(。`・д・´)おぅよ!!」

凛  「しかも、模様同じでも色が全部違うし、
      毎日見に来ちゃいますよっ!!」


り  「(´;ω;`)うん、私、頑張ってみる。」


















             『おりえ印』の伝書紐、おひとついかがですか?







































おまけ。



午  「・・・・・。」

猫  「どしたニャ?」





             午が珍しく黙って考え事をしている。






















猫  「ああ・・・・・蹄だから、釦押せないんだ・・・・・。」

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