絡繰乱舞夢日記
第拾肆話
「燃えた花」
とある書物屋 『大野屋』(だいのや)。母娘二人で経営していた。。。。。
母の名は「まほろ」歳は三十二。 十六で娘を産んだ直後に旦那が死去。
娘の名は「みこと」 女手ひとつで育てた母を助けるしっかりものの娘。
よくある設定なので解りやすい。
ま 「いらっしゃいませ、住職。」
やってきたのは、住職くうちろ。
く 「いや〜昨日のも中々いい物語でしたよ。
って事でまたしてもやってきました〜〜〜〜。」
み 「とか言って、母上が目当てなんじゃ・・・・・。」
く 「やややややだなぁ、まままままさか。
仏に仕える私がそんなことありませんよ。」
ああ、やっぱりか・・・・・。
み 「いらっしゃいませ〜〜〜〜〜〜。」
ま 「いらっしゃいませ、玉ノ介さん。」
次の客は玉ノ介。
く 「おろ?玉ノ介さん、最近毎日会いますなぁ。」
玉 「どうやら、そのようで。」
く 「ふふふふふふ。いいんですか?町の治安ほっといて油を売って。」
玉 「連休だからいいんだよ。住職こそ、さっき人が訪ねて来てましたが?
いったいここで何をしてるんですか?」
く 「ふふふふふふふ。」
玉 「ふふふふふふふ。」
ま 「(`・ω・´)?」
書物以外に目的があるようなお二人さん。
ここ最近は毎日通っている様子。
み 「(-´∀`-)母上もまだまだですなぁ。」
と、お気にいりの「花の本」を見ている「みこと」。
墨で描かれた花だが、大事にしていていつも眺めてる。
く 「(-´∀`-)/゛今度おじさんが、花を描いてあげるよ。」
み 「((´∀`)) うんうん。」
轆轤屋。
ええ、ダミ声女将のいつも場所です。
またしてもココでばったり会うわけです。
玉 「おや?住職、こんなとこで呑んでていいんですか?」
く 「なになに、玉ノ介さんこそ、読書の季節じゃないんですか?」
サ 「(`・ω・´)?」
状況の飲み込めない「おサヤ」
ロ 「(´・д・`) あら、大野屋を紹介したらなんだか大変な事になったわねぇ。(ダミ声)」
か 「まほろさんも、目障りなら撃てばいいのに・・・。」
その後もふたりは度々、大野屋に足を運ぶ。
く 「まほろさん、今日は異国の花『薔薇』などをお持ちしました。」
玉 「私は南蛮渡来の菓子を。ぜひ、お二人で。」
み 「((´∀`)) なんか、やる事かぶってるねぇ。」
とある日の事です。
町 「火事だああああああああああ!!」
町 「火消しを呼べえええええええええ!!」
ちょうど轆轤屋で呑んでたんですよ。住職も玉ノ介も。
もちろん、協力すべく立ち上がる。
町 「大野屋が火事だあああ!!」
く 「((((;゜Д゜))))なんだって!?」
玉 「((((;゜Д゜))))なんだって!?」
それを知った二人は神速であったそうだ・・・・・。
大野屋に着いてみるが、まほろ・みことは居ない。
少しして、まほろが見え、火消し隊が救出する。
と、なるとお約束。
ま 「娘が・・・・まだ・・・中に!!」
咄嗟に燃え盛る建物に飛び込んで行く住職と玉ノ介。
く 「うわあああああ。身体から染み出る酒に引火するぅぅぅ!!」
玉 「(`・ω・´;)どんなけ、呑んだんだよ・・・・・。」
なんとか二人で救出をする。
み 「(´;ω;`)ううううう。」
ま 「みこと!!」
娘を抱きしめる「まほろ」。
ま 「お二人とも、ありがとうございます!!」
く 「(-´∀`-)/゛いえいえ。」
玉 「(`・ω・´)ノ いえいえ。」
そして、燃え行く家を見つめる「みこと」
み 「(´;ω;`)あああああ・・・・・。本が・・・・・。」
どうやら、あの花の本を置いてきたらしい・・・・・。
く 「(´・ω・`)・・・・・。花、描いてあげるよ。」
み 「(´;ω;`)・・・・・。」
と、玉ノ介が本を懐から取り出した。
み 「(`・ω・´)あ。」
そう、いつもみことが見ていた花の本であった。
玉 「(`・ω・´)ノ ほぃ。」
み 「(´;ω;`)ありがとう!!」
ま 「よかった・・・・・。この子の笑顔だけは、捨てられない・・・・・。」
後日の轆轤屋。
ロ 「まほろさん、みことちゃん怪我もなくて良かったわねぇ。(ダミ声)」
サ 「でも、やっぱり本がほとんど燃えちゃったのが・・・・・。」
ロ 「そうねぇ、本が好きで好きで始めたんだもの。(ダミ声)」
黙って酒を呑む住職と玉ノ介。
く 「( ̄- ̄ )y─~~玉さん。」
玉 「(´・д・`) ん?」
く 「負けましたよ。」
玉 「(´・д・`) 何が?」
く 「まほろさん、みことちゃんの好きだった本まで、私は救えなかったみたいですし。
新しく描けばいいってもんじゃなかったですね・・・・・。」
酒を一息に呑んで住職は立った。
く 「玉ノ介さんになら、負けてもいいか・・・・・。」
と、そこにまほろ・みことが現れた!!
く 「ま、、まほろさん。」
ま 「本当にお二人には、なんて言ったらいいか。」
み 「(´;ω;`)ありがとう!!」
住職は玉ノ介の肩を叩いて、まほろの横を通り過ぎる。
く 「まほろさん達への想いは、彼の方が強かったようですよ・・・・・。」
そんな状況を見守る女将。
ロ 「あら、これはもしかして〜(ダミ声)」
サ 「告白でしょうか・・・・・・。ドキドキ。」
か 「先に『ごめんなさい』するも有りだぞ・・・・・。」
玉 「まほろさん・・・・・・。」
く 「(-´∀`-)/ 」
笑顔で成り行きを見守る住職。
コレでいいと、自分に言い聞かせる。
何この展開、たまにはこんな絡繰もあってもいいかと。
玉 「まほろさん・・・・・。」
ま 「は・・・・・はぃ。」
玉 「娘さんを私に下さい。」
ま 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ 娘の方!?」
み 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ 私か!!」
く 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ みことちゃんかよ!!」
ロ 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ どんだけー!!(ダミ声)」
サ 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ なんでーー!!」
み 「おじさんはちょっと・・・・・。」
玉 「(´;ω;`)」
恋は時には非常なり・・・・・。
続く。
おまけ。
く 「(`・ω・´;)・・・・・・。」
玉 「(´;ω;`)・・・・・・。」
く 「(`・ω・´;)かける言葉が見つからない・・・・・。」