絡繰乱舞夢日記
第拾弐話
「夏祭り・前編」
黒須藩南町奉行所
さてさて、はっぴを着込んだ岡引はほとんど夏祭りに警備に行った。
露店の自警団みたいなものがあれば良かったんだろうなと。
奉行所には必要な人員だけを残して、鉄はまだ居た。
鉄 「お主のその能力。。。。。ワシに貸さぬか?」
ん?誰かを誘っているのであろうか?
その「誰か」は、考えておくと一言残し消えて行った。
鉄 「うーむ。あの『足』は我が軍に欲しいところだ・・・・・。では行って参る!!」
岡 「お気をつけて、お奉行。」
鉄 「ワシが黒須藩南町奉行所奉行
鉄漢音鉄兵衛である!!」
夏祭り。
結構な規模ではある。
神輿に祭囃子、露店。人々の気が緩む時である。
一番多いのはスリなどである。
町民の安全を守る事こそ、使命である。
鉄 「!!」
早くも鉄が何かを見つけた!!
鉄 「ぬおおおおおおおおお!!
氷で冷やした、あんず飴!!
い、いかんいかん、ワシはまだまだ勤務中だ!!」
事細かに帳面をつけている。
鉄 「どぅらあああああああ!!
わた飴も捨てがたいぃぃぃ!!」
玉 「(´・ω・`;)大丈夫かいな。」
鉄 「玉ノ介よ・・・・・。」
玉 「(´・ω・`)はぃ?」
鉄 「あの青い着物の男、気をつけろ。おそらくスリ・・・・・。」
玉 「(`・ω・´;)甘い物の察知はあくまで別能力なんだ・・・・・。」
と、絡繰屋の看板を見つけた。
鉄 「ん?なんだこれは?????」
置かれた火縄銃の様な物を見る。
鉄 「火縄銃では無いな・・・・・。」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~ 三連射可能な、紙鉄砲。
弾丸は丸めた紙だがそこそこの破壊力。」
りすきが試しに撃つ。
り 「こうやって、三発撃って景品を倒せたらもらえる。」
鉄 「射的か。。。。。」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~ハズレても、絡繰屋特製『黄金糖』を進呈。」
鉄 「なにいいいいいいい!!
単純に思える味の中に
深い味わいの『黄金糖』!?」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~ フフフフフ。
鉄 「ぬお、射的やってみたい・・・・・。
的をハズしたぃ!!」
ダ 「ま、絡繰景品もたくさん用意したしな。」
鉄 「ん?あの帳面みたいなのはなんだ?」
ダ 「ああ、『秘伝忍法帳 (術の巻)』か?」
り 「術の使えない人の書いた巻物を読んで、使えるようになるなんて、
不思議な話だね。。。。。」
鉄 「ワシも読めば、術が使えるのか?」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~神通力無いと無理だよ。基本的に。」
脳内を駆け巡る想像。
鉄 (鉄血紅蓮大炎!!いや・・・・・火はマズイな・・・・・。
鉄血大雪山下ろし!!いや・・・雷もかっこぃぃな・・・。)
ブツブツいいながら消えてゆく鉄兵衛。
ああ、本当にこの町は彼のおかげで守られているのか?
り 「でさでさ、秘伝忍法帳、景品に出していいの?アレ、1冊しかないんだよね?」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~まぁ、いいよ。物々しくするのも、なんだし。
変な古本にしか見えないしな。」
と、後ろから「たの」の声が。
た 「兄貴、敵の目的はその忍法帳かと思われます。」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~誰だろうと、射的で取ればいい。
それ以外で取ろうとするなら、ブッ潰す。」
た 「(`・ω・´;)ウチもやっていい?(汗)」
り 「はっはっは。いいんじゃないかな。うちは儲かればいいし。」
ダ 「これからの時期は自動旋風絡繰とか便利なんだがな・・・・・。」
自動で旋風扇が廻る絡繰で涼んでいるダイ。
祭り自体は結構大賑わいだった。
だが、一瞬の出来事が起こった。
秘伝忍法帳が鉤爪でひっかけられ盗まれた。
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~ふぅ。やはり来たか。。。」
り 「( ̄- ̄ )y─~~だね。」
た 「って兄貴!!追わなくていいの!?」
りすきがなぜか場所を特定できるらしい。
奇妙な絡繰で方角を調べる。
やはり裏の神社である。
ダ 「りすき、店を頼むわ。」
り 「はぃよ。」
とくに事件という風にも捕らえず、
とりあえず「たの」もついて行く。
影 「これが「術の巻」か。もう一つはどこだ・・・・・?」
ダ 「やはりオマエ等か・・・・・。」
影 「!!来たか、機忍・・・・・。」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~もう、忍者は廃業したんでな。」
「たの」はこっそり様子を見る。
もしかしたら『機忍』の忍法が見れるかな?と。
『あーたーーーーしーーー!!参上!!』
このノリは・・・・・。
「可憐な忍者おミナ!!空気を読まずに大見参!!」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~うっわ。何しに来たんだか・・・。」
ミ 「ああああ、悪のににににに忍者を倒すためにっ!!」
ダ 「どもってるどもってる。」
影 「あの時の小娘か・・・・・。」
バレバレだろうな。
ミ 「えーっと、対忍者の心得・・・・・と。」
ペラペラと『秘伝忍法帳』を開く。
ダ 「(ノ∀`) なんというか、空気読めないというか・・・・・。」
影 「それか!! その忍法帳を渡せ!!」
ミ 「(´・д・`) ヤダ」
影が刀を抜き斬りかかる。
飛び出した「たの」が忍者刀で受け止める。
ミ 「((((;゜Д゜))))あわわわ。たのちゃん。」
た 「そんな隙だらけじゃあかんよ!!」
ミ 「(`・ω・´)う、うん!!
甘党忍法・綿飴蝉時雨!!」
綿飴で影の辺りを包む。
影 「な、、、なんだ、これも忍法帳の奥義なのか?」
ダ 「( ̄- ̄ )y─~~どんな、ハラペコ忍法だよ・・・・・。」
影 「忍法・影法師!!」
足元の影が動き出す!!
た 「!! おミナちゃん!!光源を!!」
たのは影本体と鍔迫り合う!!
ミ 「えっと・・・・。火より光?火しか・・・・・。」
た 「おミナちゃん・・・・・イカ焼き強火で!!」
影 「??????」
ダイは何かをしている。
ミ 「豪炎忍法・烏賊焼咆哮炎!!」
豪炎に照らされ、影法師の効果が薄い。
影 「忍法影分身!!」
四体に分身をした影!!
一体が「たの」の影に針を打ち込んだ!!
影 「忍法・影縛り!!そのまま、おとなしくしてろ。」
た 「あ・・・・・あうっ。」
たのの動きが止められる!!
影 「忍法帳をよこせ!!」
おミナに斬りかかる。
ミ 「えっと・・・・・。
鋼鉄忍法・鉄・・・・・・・うっ。」
やはり出ない、まだ神通力からの印象が浮かばないのである。
ミ 「((((;゜Д゜))))わああああ!!」
ザックリ。
おミナが目を開けた時、
腕を斬り落とされたダイの姿があった・・・・・。
続く。