絡繰乱舞夢日記
第玖話
「丸く焼いた信念」













        宿屋『苺』

         その向かいの場所に、「タコ焼き」なる物を売る屋台の老人が居た。



         見覚えのある顔ぶれが食べに来ていた。



も 「(〃▽〃)いつ食べてもおいしいな。」

         祈祷師もえである。

老 「ありがとよ。もえが嫁に行くまで焼き続けるか。」

ダ 「んじゃ、ここの屋台は永遠に開いてるわけか・・・・・。」

も 「(`з´)ちょっとソレどういう意味よ?」

ダ 「( ̄- ̄ )y─~~まんまだろ?(笑)」


         絡繰師ダイである、なにやら箱を持っているようだが。

も 「そんなタコ残すような人に言われたくありません。」

ダ 「( ̄- ̄ )y─~~タコは全部、アイツが喰うからいいじゃん。」






ミ 「(´∀`。)もぐもぐもぐ。」←アイツ

老 「馬鹿野郎、そのタコだってな一匹一匹ワシがしっかりとだな・・・・・。」




         仕事を終えた「おちい」が駆けて来る。


ち 「((´∀`))ケラケラ  おじーちゃーーん。タコ焼きくーださいな。」

老 「おお、おちいか、待っとれよ。」


         タコ焼きを焼き始める。

         と、ダイが箱を「おちい」に渡す。


ダ 「なんとか、完成したぞ。注文の品。」
ち 「((´∀`)) ダイさん、ありがとーーー。」

も 「(`・ω・´)?何それ?」

ち 「((´∀`))うちで娘たちにタコ焼き食べさしてあげようと、
     家でも焼ける『絡繰タコ焼き器』を作ってもらったのー。」
も 「(`・ω・´)!!」

ダ 「( ̄- ̄ )y─~~んじゃ、私はこれで。
     女将にも届けないとな。」

ち 「((´∀`))はーぃ。」




         できたてのタコ焼きを頬張る「おちい」


ち 「((´∀`))ハフハフ。 やっぱ、おじーちゃんのタコ焼きおいしいなあ・・・
    ここの材料でいいんだよね〜?」


         材料を書いた紙を貼り出してあった。
         その通りに作れば良いようだ。


老 「ああ、そうじゃ。だがな忘れちゃなんねぇぞ!?
     一番重要なのは『信念』だからな。」
ち 「((´∀`)) 愛は最高の調味料なのです。」

老 「まあ、そういうこった。」



         そんな感じの繁盛してる屋台だった。













         あくる日。



ち 「((´∀`))おじーーーちゃーーーんーーーーっ。ってアレ?」


         屋台が開いてないのである。

町 「おいおい、もう何年も休みなく開いてたのにな・・・・・。」
町 「じいさん病気にでもなったのか?」



ち 「(´・ω・`)え・・・・・。」






         「おちい」は老人の家を訪ねてみた。

         老人は寝ていて、医者がついていた。。。。。

ち 「(´・ω・`)おじーちゃん。大丈夫?」

老 「なーに、ちょっと心臓がな。心配いらん、すぐに行ける。」
医 「馬鹿言わないでください!!しばらく安静です!!」

老 「なんだと!今日一日だけと言うから、休みにしてだな!!」
医 「興奮したら、いけません!!」

老 「オマエな・・・・・・・・・ゴホッ!!」
医 「ほら、だから言ってるじゃないですか。」

ち 「(´・ω・`)おじーちゃん・・・・・。」





          そして医者が少し席を外した。


ち 「(´・ω・`)・・・・・。」
老 「なんでぇ、おちい、しけたツラしやがって。」

ち 「(´・ω・`)でも・・・・・。」
老 「なぁに、またすぐにでもウマいタコ焼き焼いてやるから。」

ち 「(´・ω・`)うん。早く良くなってね。」



          おちいが、帰ろうとしたとき、呟きを聞いた・・・・・。









老 「ちくしょう・・・・・こちとら数十年・・・・・休まずに開けて来たってのに・・・・・。」





ち 「(´・ω・`)!
































          次の日。




も 「お、今日は開いてるぞー!!」

          と。


ち 「((´∀`)) いらっしゃいませーーん。」

も 「おちいさん!? なななな、何してるの?」

ち 「((´∀`))おちいのタコ焼きだよ。」

も 「って、それで焼いてるの?」


          昨日ダイが持ってきた小さなタコ焼き器である。
          タコ焼きの大きさも小さく、一度に焼ける量も少ない。

ち 「((´∀`))だって、この大きい鉄板怖いんだもん。」


も 「いやいや、で、なんで開けてるの?????」

ち 「(`・ω・´)だって、何日も閉まってたら、お客さんがいなくなるから
    せめて、こうやって『おじーちゃんはもうすぐ来ます』ってお知らせすれば・・・・・。」

も 「ねぇねぇ、でも、味違うよね?」


           それを見ていた他の客も言い出した。


町 「なんか、タコも小さくねぇか?」
町 「味も全然だよな。。。。。」
町 「これじゃ、じーさんが戻るまでに潰れるんじゃねぇか?」
町 「違ぇねぇ!!」


ち 「(´・ω・`)・・・・・・。



           横で食べてた「ゆう吉」と「ダイ」が立ち上がる。


ゆ 「(´・ω・`) ちょっとソレは言いすぎなんじゃないかな?」
ダ 「ま、とりあえず・・・・・。ツラ貸せよ?」


ち 「((´∀`))大丈夫よぅ。ゆうさん、ダイさん。
    私のタコ焼きじゃ、まだまだなの解ってるから。」


           と、頭を下げる。


ち 「皆さんごめんなさい。もちろんお代とか要りませんので。
     また勉強しますので、おじーちゃん戻るまでよろしくお願いします。」

ゆ 「(´・ω・`)おちいさん・・・・・。」




           と、片付け始める。













ち 「・・・・・・・・・・・・・・・・。(´;ω;`)負けないよ。」









も 「|壁|ω・`)・・・・・。」










            そんな日が2〜3日続いていたのである。

            ただ、おちいは『ああ、もう開いてないんだな。』って
            思われるのがくやしいだけだった。

            とりあえず、自分が開けていれば、
            『いつか戻ってくる。』と皆が思ってくれる。


            ただ、それだけだった。


            自分でも浅はかで、本当にこれでいいのかなんて解っていない。









も 「こっちこっち!!」

老 「なんじゃ?」




            なんと、もえが老人を屋台まで連れて来たのである。


老 「なんと!!だ、誰がワシの屋台を!!」

も 「まぁまぁ、あれみてよ。」








ち 「((´∀`)) いらっしゃいませー
     お代はいりませんタコ焼きですよー。
     おじーちゃんが戻ったら、もっともっとおいしいの待ってますからねー。」

町 「しょうがないなぁ。たまには違うのも喰っておくか。」

ち 「((´∀`))へっへっへ。」




老 「おちい・・・・・・。」














町 「おいおい、やっぱこれじゃ、看板の名を汚すだけじゃないのか?」





          またいちゃもん付けるヤツが現れた。

          今日は「ゆう吉」も「ダイ」も居ない。






          いちゃもんを浴びる中、老人は向かった。



町 「お!!爺さん戻ってきたぞ!!」
町 「やっと、本物が食えるぜ!!」


ち 「((((;゜Д゜))))!!あ!!」

          一番びっくりしたのは「おちい」である。


ち 「((((;゜Д゜))))あああああ・・・・・。あの・・・勝手に・・・・あわわ・・・・・。」






老 「タコ焼きを一つもらえるか?


ち 「((((;゜Д゜))))えっ?」

老 「なんじゃ?タコ焼きやってるんじゃないのか?」

ち 「(`・ω・´)そ、そうです。今、お作りします。」





           と、まだ慣れない手つきで焼く。

ち 「(`・ω・´;)くるくるくるくる。」




老 「ちゃんと注文してから焼くのか?」

ち 「(`・ω・´)はい!焼きたてが一番ですから。」

老 「ふむ。」





          そして出来上がったタコ焼き。


          まだ、丸くすらうまくできてない。



町 「じーさんのと味も全然違うしな。」
町 「小さいタコ焼きに、中のタコも小さいし。」


          その小さなタコ焼きを食べる老人。

ち 「(`・ω・´;)ドキドキ。」





老 「ふむ・・・・・。確かに味はまだまだじゃ・・・・・。
     よくこれで人様に出そうと思ったな?」

ち 「(´・ω・`)ごめんなさい・・・・・。
     余計に評判落としちゃったかな・・・・・。」



も 「待ってよ!!おちいさんはね!!」

          声を張り上げようとする「もえ」


老 「黙っておれ・・・・・。
     なるほど、その小さな鉄板で焼いたか。」

ち 「(´・ω・`)おじーちゃんの鉄板火が怖くて・・・・・。」

老 「それだけじゃなかろう・・・・・。
     その小さなタコ焼き・・・・。






















      子供のためじゃろ?


ち 「(´・ω・`)!

老 「子供もタコ焼き好きと言いつつここに食べに来たことは一回も無かった。
    いつも持ち帰りじゃった・・・・・。」

ち 「(´・ω・`)・・・・・。はぃ。」


老 「ワシのタコ焼きはタコが大きい・・・・・。
    子供の口には合わんし、いつまでも噛む事になる。」



       老人はさらに、一つ小さなタコ焼きを口に入れた。


老 「タコは良いタコだ。小さく切ってあるだけでなく、切り込みまで入れておる。
     そして少し何粒か入れることで、タコの小ささを補っておる・・・・・。」

ち 「(´・ω・`)はぃ。」


老 「そこの二人・・・・・このタコ焼きをマズイと思うなら・・・・・。」




       いちゃもんをつけた町民に向かう。
























老 「二度とワシのタコ焼きを喰いに来るでない!!

ち 「((((;゜Д゜))))!!」


老 「フン・・・・・。この小さなタコ焼きに、
     美味く食べさせたいという信念が詰まっておるのが、
     見えんやつらに、タコ焼きを喰う資格など無いわ。。。。。」

ち 「(´;ω;`)おじーちゃん!!」


も 「((((;゜Д゜))))うおぉ。」






老 「しょうがない、ちっと教えてやるか・・・・・・。コツを。」
ち 「((´∀`))



            そして、おちいはタコ焼きの技を少しと、
            味についてのコツを教えて貰った。

            特に難しいものでもなく、数回焼けばおちいにも美味く焼けそうだ。


老 「おい、聞いておるのか?」
ち 「((´∀`))聞いてますよぅ。」



も 「(^ー^*)良かった良かった。」



















            次の日。



            誰しも、老人のタコ焼きが再開してると信じて疑わなかった。








            おちいも楽しみに子供たちを連れて来ていたのである。

ち 「((´∀`))今日はアツアツのを食べようね〜。
     今日は包丁持参なのだっ。」




ミ 「(´・ω・`)はれ?開いてないよ?」







            と、ゆう吉が息を切らして走ってくる。




ゆ 「み、、、、皆!!ハァハァ・・・・・。」

ち 「(´・ω・`)どうしたの?」

ゆ 「あのね・・・・・。」


            ただごとでは無い表情。








































ゆ 「(´;ω;`)おじいちゃん・・・・・亡くなったって・・・・・。」




             その場に居た全員が驚く。


             おちい達は、老人の家に走った。











ち 「(´;ω;`)おじーちゃん!!嘘でしょ!?また私をからかってるんだよね?」

ゆ 「おちいさん・・・・・。」



             と、老人が布団に横たわり、顔に白い布がかけてあった・・・・・。



ダ 「実は相当前から無理をしてたらしい・・・・・。」

も 「(´;ω;`)おじいちゃん・・・・・・私まだ、お嫁に行ってないよ・・・・・。」
ち 「(´;ω;`)おじーちゃん・・・・・。」



ゆ 「(´;ω;`)・・・・・。」

ミ 「(´;ω;`)うううううう。」










             





             そして葬儀は行われた・・・・・。


             もはやタコ焼き屋台は伝説となっていて、
             その味を知る人々が参列した。














ミ 「(´・ω・`)・・・・・。」

も 「(´・ω・`)・・・・・。」

ち 「(´・ω・`)・・・・・。」




             そして、葬儀の終わった後、突然おちいは走った。



ミ 「ドコいくのよう!!」












             屋台へ向かった、おちい。

             鉄板に火をつける。





ち 「(´;ω;`)火なんて、怖くないやい!!

ミ 「(´・ω・`)おちいさん、何してるんだよう?」

ち 「(´;ω;`)おじーちゃんに、私がこの鉄板で焼いたタコ焼き食べてもらう!!」

ミ 「(´・ω・`)え・・・・・だって・・・・・。もう・・・・・。」


ち 「(´;ω;`)私がおじーちゃんのタコ焼き、これから焼く!!」

ミ 「(´;ω;`)う、、うんうん。アタシも手伝わせてよう!!」



             二人で温まった鉄板でタコ焼きを作り出した。















             それを見ていた女将二人。


い 「宿屋「苺」で、屋台を作りますか・・・・・。」
ロ 「そうね、きっとそれがいいと思うわよ。(ダミ声)」








             次の日から、また、屋台は閉まっているが、

             宿屋「苺」の一角に、名物タコ焼き屋ができたのである。











             続く。





























おまけ。















           手伝ってるおミナ。

ミ 「(`・ω・´。)ん?なんだか、野菜切ってたら桃色に染まってく・・・・・。
     アタシの新しいニンポーか!?」








ち 「((((;゜Д゜))))わああああああああああああああああ!!
    おミナちゃん!!手、切ってる!!手、切ってる!!」

ミ 「((((;゜Д゜))))おわあああああああ!!




ち 「((((;゜Д゜))))うわあああああ!!
ミ 「(`・ω・´;)こ、今度はどしたの!?」































ち 「(ノ∀`)ペチン タコ逃げちゃった。」
ミ 「 (´゚ω゚):;*.:;ブッ 致命的っ!?

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