-壊し屋くうちろ-

プルル…

電話が鳴る

「はい。創成サービスです」

「…かしこまりました」

メモを切りPCに向かう。

件名:依頼だよ。

本文:二丁目のホテルイシス内レストラン。
マナと和尚で3日以内。

報酬は7万。

簡単じゃけぇ
よろしくね(=´ー`)ノ

「送信っと。」

ガッキは仕事を終え、インカムを取るとipodの中に入ってるポルノの世界へと旅立つ。




「ねえねえ(´∀`*)今日は暇なんでしょ?」

「いやだから、まだ仕事中ですから…」

「仕事の後でさ…ちょっと楽しい店みつけt…」

ゾワゾワ…
背中に悪寒を感じる男

振り返ると同時に青ざめる。


(|| ゜Д゜)「や、やぁマナちゃん…」

( ̄ヘ ̄メ)「ったく…呑んでないと思ったら…仕事よ。
くうちろ。」

「あ、し、仕事ね…あはは」

くうちろはマナに腕を掴まれると引っ張られるように連れ出される。


「ま、又くるねぇぇぇぇ…」

「ウグッ!」

受付嬢に手を振りながらバタバタするくうちろの足に12センチのピンヒールが刺さった。




「…ってて…何すんだよ…」

プシューッ
公園で足を擦りながら缶ビールを開けるとくうちろは一気に飲み干す。


「ふぉんなコホ言ったってぇ。…モグモグ。」

肉まんを頬張りながらくうちろを睨むマナ

「得意先の受付嬢口説いてどうするの…モグモグ。」

「そんな事…プシュー。言ったってって言うけどさ…



可愛いかっただろ(´∀`*)グビグビ。」



「確かに…趣味だけは認めるわ…モグモグ」

七個目の肉まんを頬張るマナ

「そんな事より依頼は?」

缶ビール3本目を開けながらくうちろはマナに聞く。

「モグモグ…ホテルだって。」

飲むのを一瞬辞め顔を上げるくうちろ。


「ふーん…いつ?」

「今日から三日」

肉まんを10個平らげてマナは口をハンカチで拭いた。

「ちょw(笑)今日かよ!」

「あら?だったらお酒控えた?」

「まさか( ̄ー ̄#)
ブランデーにすりゃ良かったなっと」


そう言いながら缶を握り潰した。








「いやぁ大盛況ですな(笑)」
ホテルイシスのオーナーは上機嫌

この不況のさなか
ホテル業界も当然煽りを受けどこもあっぷあっぷ状態だ。

ただ不況だからこそ起死回生の神器のように持て囃されているビジネスが潜んでいるのも事実


そのひとつが

バイキング形式。

いわゆる食べ放題だ。


資本が物を言う社会
上質の素材を扱える一部の店のみの特権。

事実上質素材さえ提供出来れば何をしなくても客は集まる

金が金を呼ぶシステム。


そんな世にはそんな世で
資本を妬む奴がいることも事実


そして悲しいかな

その妬みも商売に…


創成サービスとは

資本に物を言わす連中を潰す為に依頼を受ける闇会社


格好よく言えば現代の仕事人


おっと、法に触れる事は請けない会社なんで悪しからず。


合法的に相手を潰す。


手足で動く奴等は「壊し屋」と呼ばれている




「此処みたいね」
マナは目の前の建物を見上げた。

「フロントは…





ちぇっ野郎か…」

「あんたね…」

マナはため息。


「面子は?」

「あたしに三人くうちろには…何人居る?」


「マナちゃん三人て…




…旨いんだ此処」


「極上よ(=´ー`)」


「ふ〜ん。」

「…何よ…。」

「いや、なに。幸せそうな顔だなて(´∀`*)」


「…又踏まれたいの?」

「((((;゜Д゜))))え、えーっと。



とりあえず下見行こうかあはは…」


二人はホテルへと入って行った。




壊し屋くうちろ 中編 2008年01月02日22:35
「…確かに極上…。」

「でしょ(*^ー^)♪」

表に出た二人は再びビルを見上げる。
「…依頼者って誰なんだろうな…」

「それは詮索しないのがルール。

でしょ?くうちろ。」

「だね。


ただね…


潰すの勿体無いなって。」

良品質低価格。
客にサービスをいとわないホテルのサービス。

今まで潰した所は
それなりに経営者の暴利を貪る様を目の当たりにしてきたので感情も動かなかった。

ただ酒を煽り

飯を食うだけ。


感情は不要


そのはずなんだけどね。


「なんか言った?」

「別に(笑)じゃあ行動しますか。」


「フフフ…行ってきます☆」

マナは嬉しそうにホテルに入って言った



「さて。時間はあるし。」


くうちろは周辺の店をうろつきだした。




「此処?」
「そうみたいね(ダミ声)」

「うわぁ美味しそう☆」

「なんでも良いんだろ。」
「兄貴は黙っててよ」
「まぁまぁ二人とも(笑)」

「お姉ちゃんヽ(*´▽)ノ♪」
「フフン♪いよいよね☆」
「新作のスイーツか…勉強になるな。」
「パパは勉強熱心だから(笑)」

「ぉぉおっスイーツの戦場であるな!」

「兄者…着いてきたのはそれ目当てなのね…」

「ママの誘い断る訳には行かぬからな。」

「フフフ…(ダミ声)お好きな人が居ればみんなでくれば楽しいですわよ(ダミ声)」

ドヤドヤと騒がしい連中がホテルに入る。



五分後…



肩を落として帰る一同


「な、なんて事なの…(ダミ声)」
「まさかスイーツが全滅であるか…」
「。・゜゜(ノД`)」

「(--、)ヾ(^^ :)」

「明日来ればいいさ。」
「…ですね。」

「食べ物の恨みは恐いわよ…」

「とりあえずルイーダで飲むか。」

そんな話をしながら一同はルイーダへと向かった。


一同と途中すれ違うくうちろ
「(´∀`*)なんだマナちゃんもう始めたんだ。


相変わらず仕事早いな

可哀想に…あのべっぴんさんのいる団体…



…クククッ」

くうちろが呟くと
通り過ぎた一同の一人が振り向いた。


「うん?(*`Д´)」
「ママどおしたんだい?」

「パパ…なんだか知らないけど






憎悪が…」

「気のせいであろ…



お、おぃ…笑ってる時より恐いのである(|| ゜Д゜)」





通り過ぎたくうちろは身震いをしながら、決して振り返ってはいけない気がしていた。



「((((;゜Д゜))))い、今の恐怖にまみれた気は何だったんだろう…




酔いが覚めちまったよ…」


気を取り直し時計を見るくうちろ。


「あと一時間。



さあて、プシュー仕事仕事(笑)」


公園に戻りマナの出てくるのを待つ間もう一本缶ビールを開けた。




壊し屋くうちろ下編 2008年01月09日22:21
「…オォー今日は大盛況だったみたいだな!スイーツと酒が殆んど空っぽだ(笑)」

明日の食材の注文書を見たオーナーはやや興奮気味にマネージャーに話した。

「…は、はい…」

「ん?どうしたんだ?」
歯切れの悪い返事を聞きオーナーは問いただした

「実は売り上げが…」
「売り上げがどうしたんだ。」

オーナーは答えに困るマネージャーの持つ台帳を取り上げ


ワナワナと震え出した。


「…どういう事だ!何時もの10分の1にも満たないじゃないか!」

「それが何故こうなったのか…」
「…ま、まぁいい。新春だしこういう事もある。明日は頑張ってくれ」

「…かしこまりました」



次の日

店員に詰め寄る客数名。
「き、今日もケーキ無いの…?」
「は、はいすいません。いつもの倍を用意したのですが…」

「おかしいじゃない!アイスクリームだけで3000円も取るの貴方のホテルは!」

「そうだ!酒の飲み放題なのになんでジュースしか無いんだよ!」
「いや、これはその…」

その光景を後ろで見守る昨日の一同。

「かちょ…なんか…匂わねぇか?」
「ダイヴァーがそう思うなら…そうなんじゃない?」

「まぁ、依頼人でもないから俺には関係無いがな。」

「…哀しいけど…そうね


でも、なんだか怒りが込み上げて…

何かしら?」


「気のせいだろ?
というか、昨日も言ってたな?」
「…本当になんなんだろ。」

ダミ声の人物の横で駄々をこねる娘

「えぇぇぇぇぇ…食べられないの?」


諭すように探偵は娘に言った
「ちょもちゃん…どうしても食べたければ…



明日の朝一から来れば良いさ。


ただ名前書かされて監視されて前の日に作り置きしたパサパサのシフォンケーキ食わされるような

たいそう楽しい食事になるがな。」


「そんなのヤダ(´・ω・`)」

「じゃぁ、諦めな。」

「グスン。」

クルリとホテルから背を向ける一同

「ママ。此処のホテル潰して誰が得する?」

「ダーマ堂グループね(ダミ声)」
「ふーん。


だとしたら…請けたのは…


ま、いいか。」
探偵は考えるのを止めて皆と共にルイーダへと向かった。





「ここの不味いからヤだ」
「ふーん。プシュー。やっぱり?」

くうちろとマナはダーマ堂グループの高級中華料理店の前に居た。
「何がやっぱりなのよ?奢ってくれるって言うから来たのに…」

マナが聞くがくうちろは答えず

「創世サービスも堕ちたもんだな…。
グビグビ
依頼に信念を失うと ぷしゅー しっぺ返し喰らうよ…」

「だから何言ってんのよ?」

「んにゃ。マナちゃん違うとこ奢るよ!何食べる?」

「本当に?ありがとうヽ(*´▽)ノ♪

えっとねえっとね…」

と、その時くうちろの電話が鳴る。

「あ、もしもし?はい。」

出た途端に真剣な表情のくうちろ。

「…かしこまりました。伺わせて頂きます。」


電話を切りマナちゃんを見るくうちろ。

「マナちゃんごめん…得意先行かなきゃ…」

「…(`へ´)」

「いや、あの…(^_^;)今度好きなの食べて貰うから…(´∀`;)」

「約束よ…」

平謝りをし、小走りに得意先に向かうくうちろ。


「やぁ(´∀`*)ゝ


まさかOKでるなんてヽ(*´▽)ノ♪」


「なんとなく…ね。」

「その奥ゆかしさも…(´∀`*)
さぁ、何処行こうか…


MNKSちゃん☆」


「あのね。

ちょっと知り合いの店なんだけど…」

「飲めるなら(´∀`*)」

「じゃあ行きましょうか」


二人はルイーダへと向かった。














ケーキを食べれなくって
超機嫌の悪いかちょママが居ることも知らずに…


終わり。

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