kanappeの視線

一年前

kanappeは走っていた



やっと見つけた





あの人が居なくなって半年

警察にも捜索願いを出し、それでも手がかりがなく

自分で捜すしかないと決めて出来る事を全てし、


ようやく突き止めた…

あの人は
あの扉の向こうに。




躓きそうになりながら走り

ドアに手をかけた


バンッ

勢いよくドアが開かれ扉の奥に逆光を浴び

背中を向けた人影に声をかけようとした。


「さ…!!!!」

だが、その人影は
あの人とは違う影だった

タバコを燻らせ
その影は無言のまま振り向き



kanappeの方へ歩いてきた。


「間に合わなかったよ


…俺も、あんたもな。」


そう言うと

男は扉の向こうへと消えていった。


ガックリと膝を落とし泣き叫ぶ声が部屋に響いた


後に分かったことだが


この時、意味不明の失踪が相次いで発生していて

kanappeの婚約者は
その被害者だった


そして、先にたどり着いた男の彼女も…



やがて月日が経ち
ワタシの矛先は

先にたどり着いた男

ダイバーへと向かった




あの男には何の罪もなく

ただ、私より先にあそこにたどり着いただけ


でも、私はそれが許せなかった


あの人の元に
誰よりも早く辿り着いていれば…

「間に合わなかった事実」が許せなかった



あの日から
ワタシはダイバーを調べた


そうしているうちに
ひとつの事実を知った。


わたしと同じ…

…これなら。



じっと時期を待ち
ようやく巡り合わせが回ってきて

私はルイーダの酒場にあなたの最期の日を決めた




だから
あなたは死ぬはずだった

ワタシの入れた薬によって」


驚愕の事実と、過去に
沈黙の一同…

沈黙に耐えかね波noriは叫ぶ
「kanappeさん?…冗談にしてはつまらないよ!だって…うっちぃも兄貴も出てこないなんて!」

二階堂「そ、そうですよ!デネブだってそんなとこからキャンディなんて出さないですよ!」

今なら引き返せる
あの男の仕業に皆がしようとしている


kanappe「みんなありがと…
ダイバーが飲んでいたらそれで良かったのかもしれない」




「だけどなぜかかちょさんが飲んだ。」

「あの…」
誰かがわたしの後ろから呟いた

しかし、その声が皆に伝わる前に

ダイバーがワタシに語りかけた。

「…そうか。やはり知っていたか。」

ダイバーは呟き
カナッペの方へ振り向いた。

「ということは、かちょは…」

その問いにカナッペは
「ええ。」
一瞬だけ…ほんの一瞬だけ、仮面のような笑顔から安堵の混じった穏やかな顔をした


「かちょさんがどうしたんですか?」
ケッタマシンは二人の会話に自分の考えの確信を探した。

しかし、ダイバーもkanappeもケッタマシンの問いには答えなかった

「…そうか。」

「フィルターが二個燃えていると言うことは。」

「えぇ。私のグラスにも。あなただけじゃ淋しいでしょ?」

そうカナッペが言った時、ダイバーはおもむろに席を立ち

カナッペのグラスに手をかけた。

「望みはこれなんだな。」

「…もう、いいの。」
そう言ってグラスを取り上げようとするカナッペを制止し、ゆっくりと、だけど誰も邪魔出来ないスピードで

ダイバーはグラスの酒を飲み干そうとした


「ダイバー止めて!」ミンクが声をかけれないまま

ダイバーの持ったグラスの中身は消えていった。

ちらりとkanappeの方を見て
振り返りロクロママの方を向いた瞬間…







ブホッ!!!!!!!!!!!!!!!



むせかえり
ロクロママの顔面に全てを吐き出すダイバー。




もんどりうちかえるダイバー


なぜかのたうち回るロクロママ

ロクロ「目が!目がwwwww」

ちょも「ムスK…じゃない、ママ!」

ロクロママの肩が抜けるかのごとく揺さぶるちょも

呆気にとられ
何が起きたか分からない一同






「キャッ!引っ掛かったwwwww」








欠伸をしながら






店の奥から現れたのは…

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