■ルイーダの酒場殺人事件4(Bside)-forロクロ-【パね〜ブラック夢島の視点】 ※かちょ様共催イベント






「まったく…ロクロママめ…。」

夢島は焦っていた。

「これでどうやったらたどり着けるんだよ…。」

そう呟きながら
手にしたメモ書きを何度も見る。

「ごめんなさいね。チラシみんな撒いちゃっててもう無いのよ(ダミ声)」

とか言って手渡された紙には

線が二本引いてありその交差する場所に
ココ(ハート)

とだけ書かれている

これで行ける奴が居たら俺は結婚してやる。
なんて思いながら
もう帰ろうかな…と諦めかけたとき

不意に後ろから声をかけられた。

振り向くと、何処かで見たことのある女の子が立っていた。

「あの…夢島さんでしたっけ?」

「そうだけど?君は…?」

「思い出した!確か、去年僕と一緒に信州にスノーボードをしに行った…」


「行ってません(笑)」
女の子は笑いながら続けた
「あゆみです(笑)ロクロママの姪の」

「あー!そうか。」

「ひょっとしたらママの店に?」

「そうなんだけど、見てよこれ(笑)」

「ママらしい(笑)案内しますよ!」

あゆみはそう言うと、さっきから四度ほど曲がった記憶のある角に向かって歩き出した。

「本当に助かるよ。」
「いえいえ(笑)ママが悪いんだし。」
「だとしたらママに感謝しなければ…」

「何か言いました?」
不思議そうにあゆみは振り返った。

「ママには勿体無い姪っ子だなって(笑)」

「…絶句」
驚いているあゆみに慌て付け足す
「冗談だよ(笑)」

そんな会話が二三度続いた頃
ド派手な花が飾られたお店が見えて来た。

「ここです(笑)」
「みたいだね…」

この一本前の道を何回回ったんだろ…

安堵とこんな分かりやすい道に辿り着けない地図にやや怒りを覚えていると
「じゃあ、ここで」

「あれ?あゆみちゃんは行かないの?」

「さっきまで手伝って帰る途中だったの(笑)」

「申し訳ないないね」
「ママが悪いのよ(笑)」

夢島がお礼を言うとあゆみは先ほど通って来た道を引き返した。

「さて、文句行ってやるか。」

夢島は半分冗談気味に怒った振りをしようと扉に手をかけた時

不意に背中に衝撃が

ドスンっ

「あぁぁっご、ごめんなさいっ急いでいるのぉー。」

汗をたくさんかいた
トンガリブーツの女性が
謝りながらあゆみが帰った方向へはしり去った。


そのまま扉を開いてしまい
つんのめるように入ったら

かちょさんが死んでいた。

店はパニックになりながら

ようやく落ち着いた時


警察を呼んで少し経ち
犯人と名乗る男に
綺麗な女性が驚きと怒りの表情を露に問い詰める

「ダイ兄何言ってるの」

男は答えようとしない

先ほどの皆の会話で
大体の話は分かった

分かったが

なぜ、彼が犯人なんだ?

かちょさんは毒を入れられたんだよな…

だとしたら…
アイツの行動はおかしい。

あまりにも
おかしい。

「ちょっと待ってくださいよ!」

夢島は疑問の答えを解消せずにいられず

ツカツカと歩き出し女性に向かって叫んだ

「結婚してください」
swan「はい?」
驚く一同の隙を与えず鳴り響く頬を殴る男

「あなた…何考えてるの!人が死んでるのよ!」


「冗談が過ぎました。」

手形がついた頬をナゼながら

体をクルリとカウンターの方へ向け

kanappeさんの方を見た

「あら、私にも告白してくれるの?」にこやかにkanappeは答えた。

「残念ながら…」

夢島は灰皿を指さして続けた

「カナッペ…さんでしたね。
この二本のフィルターはどうして燃えてるのですか?」

にこやかな表情のまま「あら?どうしてかしらね?」

「あなたが燃やしたからですよね?僕、見てましたから」

「だとしたらどうなの?」相変わらず笑みを崩さずにkanappeは答えた


「あなたにどんな趣味があるのかは知らないけど、
人が倒れて死んだと分かった瞬間にフィルターを燃やす意味が僕には分からないんですよ。」

更に夢島は問いつめる
「僕は最後に入って来たからあなたがどんな人か知らない。
だけど、どう見ても人が死んだというこの事態にはあなただけ表情が浮いているんだ」

「…最後はわたしなんだけどな…」

MNKSの声が回りに届く前に


kanappeは、突然笑い出した


「そうよ。グラスに薬を注いだのは私よ」

どよめくルイーダの客達

「やめて!!嫌よそんなの嘘よ!!」

続けて話そうとする声を遮ったのは

kanappeの妹のゆきむだった。

「ゆきむちゃん。ごめんね。本当なの」

「でもね、かちょさんではないの。私が死んで欲しいのは。」

そう言うと

kanappeはカウンターから立ち上がりダイバーの前に立ち

「どうして。
どうしてあなたは死なないの?

ねえ?
あの人は死んでしまったのに

あなたのあの人も死んだのに


何故なの?」


カナッペの問いにダイバーは

「俺が知りたいよ。」
と一言だけ呟いた







夢島は立ちつくしてかんがえた







…え?もう俺の回終わり?




続く


inserted by FC2 system