ルイーダの酒場殺人事件

ロクロサイド



ルイーダの酒場殺人事件-forロクロ-※かちょさんと共同企画です
第一夜
「ロクロの視点」


ようこそ「ルイーダの酒場」へ。

此処は恋に哀しみを覚え
故に恋を引きずって訪れたお客様を癒す場所
本日は開店記念として
ちょっと変わった趣向にて

お店のお話を覗いて見てください

あたくしは
ママのロクロ

少しダミ声ですが

慣れて下されれば…



「偉大であるーーーー!」

左手にあるのは数枚のDVD。
ここ数ヵ月の拙者の漢エキスが濃縮したような代物である。

右手に万鬼を持ち、いざ出陣である!!




カラン

ドアが開く音

そこには以前より存じ上げる方が。

豪快な人物のようで、人一倍気を使える心優しき方

知る人ぞ知る鉄血様が
本日の開店であるこのルイーダの酒場へと来てくださったのです。

「あら、ルイーダの酒場にようこそ。」


「やぁ。相変わらず微妙で絶妙な着物ですな。」


「…それ誉めてるのかしら?
まぁいいわ。今日は一人?」

「うむ。今日はかちょと連絡がとれなくてな。」


「かちょさん?
あの人なら今日は早くから来て今はダイバーさんとカウンターに座ってるわ。」


以前のお店で常連様だったお二人は


どうやら
本日一緒にご来店の予定だったようなのですが

かちょさんのほうは
ダイバーさんと店の近所で
ばったりあったらしく早くからお越し頂いてました。


まぁ、かちょさんらしいといえばらしいのかしら(笑

鉄血さまの優しさゆえかしら…

なんて思いながら鉄血様がケッタさんのテーブルへと向かうのを確認し、

今日は前の店の都合で開店日に間に合わなかったテツの代わりに

あたくしの娘のちょもが手伝いに来てくれている。

胸にバッヂを付けバーテンさながらの格好の娘にオーダー聞きに行くよう促す。


「はーい。パパ」

「シッ!ここではママよ」

「あ、そうだった…。行ってきます。」


危ない危ない。

こういうのは本人が信じ込まなきゃお客様がなじめないもの


あたくしはママ。

そうロクロママ。

娘が注文を聞いてくると、

カウンターにいるかちょさんとダイバーさんが
同じくしてドライマティーニを注文した。



開店祝いの和やかな空気が漂う

最高の時間は

まもなく悲劇へと変貌することを知らずに。


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