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-LIVE CARD-第一話 大盤振舞 第十六幕 2007年12月25日23:22 ざわつく会場。

「おい!早く出せ!」

「お客様落ち着いて下さい!」
「落ち着けるわけないだろ!」

喧騒も段々殺気だってくる。

その光景を後ろで見守る正人。


正人にメールが。

『まぁちゃん今着いた』

かちょからのメールを読み終えた正人はニヤリと笑うと人混みに混じる。

「ママが来たし…

癪だけどこういうの面倒くさいし


…アカに任せるか。



こういうの得意だし(笑)」

『あれ…よろしくね(=´ー`)ノ』


そうメールを返信し入り口付近に到着。

慌てふためく黒服に正人は問いかけた。

「すいません…混乱を解消する方法…見つけたんですが…」


「よ、よし任せるから何とかしろ!」



黒服に承認を得た正人は…

「行きますよ!」


何と扉を開いたのだ。

なだれ込むように出口に向かう客達

「な、何すんだ!」

「だって…混乱を解消すると言ったじゃないですか…」

シラッと答える正人。

非常階段を駆け降りる連中を停める事は出来ない。




「えぇい…処分は後だとにかく客を抑えろ!」







「そんな事言っても…ねぇ」



正人は両手を挙げて困った顔をしていた。



相変わらず大暴れのダイヴァー。
既に立って居るのは数人。



「な、なんだコイツは…」




ぴょんはワナワナと震えていた。



「どうすんの?話し合いならまだのるけど?」



息も切らさず飄々とぴょんに問いただす。


しかし変わらず大暴れ。



「…貴様…素人じゃねえな…」




「…何をもって素人と言うか知らないが…多分素人だな。」




「…何が目的だ!!!!!」



「あれ?




言って無かったっけ?」





ダイヴァーの態度に苛立ちと焦りと怒りを露にぴょんが吐き捨てる
「貴様!!!!!ふざけるのもいい加減にしろ!!!!!!」



暴れるのを辞めぴょんの前に立つダイヴァー。

立っている黒服はもういない。



「別段大した事じゃない。





クイーンとキングを返してくれればそれでいい。



簡単だろ?」


答えを聞いて全てを理解したぴょん。


「…生きて帰るつもりはないようだな…」


ぴょんは胸元に手を入れる。




「…反則には…


容赦する気はないが…









構わんか?」




ダイヴァーの形相が変化し目がつり上がり、口許が大きく笑いに歪む。




その殺気にぴょんは地獄に突き落とされたような真っ青な顔になる…




「わ、分かりました…大場様…交渉に…」

そう言いかけた瞬間。



バンッ





皆が逃げ惑う扉と反対方向の扉が開いた。




思わずぴょんに背を向けるダイヴァー


開かれた扉の前には
大男に掴まれたスワン。

「スワンちゃん?」

「イテテ…離してよ!」

「支配人…こいつサツだ!」


その言葉を聞き我を忘れたぴょん。


ズキューーーン!

響く銃声

「ダイヴァー!!!!!!」

人混みを掻き分けて叫ぶかちょ。

肩から血を吹き片膝をつくダイヴァー。



「キャーーー!!!」
叫ぶ観客

その瞬間



すざましい勢いで何かがぴょんに向かい走って来た


「ウォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
吠えるパンダ。




瞬間吹っ飛ぶぴょん。

尚も殴り続けようとする影

その時…





「西のぉ…



俺に残しとけ…」

肩を抑えながらダイヴァーは呟いた。


続く

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