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-LIVE CARD-第一話 大盤振舞 第十五幕
「もう始まってるわよ!」
「やっこさん…早い…早すぎるよ!」
会場の雰囲気をインカムで聞き、
かちょとマスターは焦っていた。
「もう出番であるか!」
鼻にティッシュを詰めた鉄血が筋肉をピクピク言わしながら戦闘態勢に入る
「兄者はまだよ!…んっとに我慢聞かないんだから…」
ブツブツ言いながらかちょは電話を掛ける。
「あ、カナちゃん?…そっちは?…違うの!ダイヴァーが…そうなの、警察ってどれくらい?」
「そうね…あと、10分くらいかしら…状況は大体分かったわ。…ん。分かった。何分必要かしら?」
カナペはかちょに警察の引き伸ばしを依頼された。
「二十分か…。
楽勝ね♪その代わりアイツのお守りよろしくね☆…
うん。あと、ちょもちゃんも…(笑)」
電話を切るとカナペは腰に差した木刀を抜き、もうじきやってくる警察を出迎える準備をした。
「ふぅぅう〜。なんて強さなの…。」
ドレスが破れ、ミニスカートになったスワンは大男との対戦に手を焼いていた。
大男はやや顔を腫らし口許から血が流れている。
「ゼェ、ゼェ、…てめぇ…」
息が上がる大男。
「んもぅ…しつこい男は嫌われるのよ!」
スワンは側転のように地面に手を着き、
一度屈み込むと身体中のバネを腕に集め力一杯大男の顎を狙い蹴りをかます
「危ねぇ!」
辛うじて蹴りを避けると大男は手にしたネクタイでスワンの足を巻き付けた
「きゃぁっ!」
持ち上げられ逆さ吊りにされるスワン
そのままの勢いでスワンを地面に頭を叩きつけようとする大男
普通ならかわす為に身を屈めるのだが、
スワンは身体を反らしたのだ
逆に大男が後ろにひっくり返る。
「ゴフッ!」
その拍子に後頭部を床に打ち付け気を失ったようだ。
「…これ、持ち込みなのに…… 捜査経費出るかしら」
妙にドレスを気にしつつカジノの会場へとスワンは向かう。
クルリと入り口へ体を向けた瞬間…
「キャッ!」
意識を取り戻した大男に足を掴まれた
「テメ…警察か…」
「何言ってるのよ〜(笑) あたしはメルキドのホステスのスワンよ!」
無理矢理手を剥がそうとしたが大男の体力はまだ充分残っていた。
「あと十分で現場到着です!」
「うむ。」
刑事のフジッコは満足気に返事をし、後部座席で到着を待ち構えていた。