新連載 ダイヴァー氏主演小説 -LIVE CARD-第一話 大盤振舞 第九幕
妹のMNKSの出現で
ダイヴァーが戸惑って居るとき

ケッタマシとかちょは近くの大通りの車の中に居た

「…MNKSちゃん…」

「ですね…ダイヴァーさんどうするんだろ…」


ダイヴァーとMNKSの
携帯での会話はメッセ上で交わされている

つまりこの二人も読んでいるのだ。

「とにかく、イベントが始まる前にちょもちゃんと接触しなきゃ…」

「言ってみれば人質が二人も増えた訳だからね…」

ケッタマシもかちょも不安がよぎる

その時
ギシッ ギシッ!

と車が揺れる

「…か!今か……

…からだ!…このビリ…じゃない!…ったか!」

「はいっ!」

ギシッ ギシッ!

「体力持て余してるのは分かるけど…本番大丈夫かな…」

「…大丈夫よ!兄者だもん…多分」

ギシッ ギシッ


二人が乗っている車は10tトレーラー

荷台に居る人達の事を話しているようだ…

その時かちょの携帯が鳴る

相手はカナペのようだ

「もしも〜し☆
うん♪そうなんだけど、実は現場に…え?どうしたの?…本当に?何処で?」

にこやかに電話に出たかちょは真剣な顔でメモを取る

「…わかった。ママによろしく…あ、ちょっとちょもちゃん遅くなるとか聞いてる?

……そう…

やっぱり…うん実は…ママに内緒に。
大丈夫よ〜

そんときはかなちゃんに頼むから(笑)うん。ありがとね!」

電話を切ったかちょは少し青ざめていた

「どうした?」

やや深刻そうにかちょに訪ねるケッタマシン


「…警察が出動してる…
うちの近くで待機してるみたい…」

青ざめるケッタマシン


「…今日かよ…なんてこったい…」

ケッタマシンは慌てメッセをダイヴァー送る

ケッタ
『ヤバいですポリス待機。レッドカード前』

ダイヴァー
『…了解』


ケッタ
『ひょっとして…

予想範囲内?』


すんなり返事が返ってきて驚くケッタマシン

ダイヴァー
『まあね』


ダイヴァー
『け、警察ぅ?』


ダイヴァー
『MNKSは黙ってろ』


ダイヴァー
『チョチョチョッとwwwww』


「…ウググッ」

盗聴機から聞こえるドタバタ音


ダイヴァー
『すまん。作戦は遂行してくれ。こっちは何とかする』


あちらでも色々揉めてるようだ


ケッタ
『ちょもちゃんは?』

ダイヴァー
『MNKSによると厨房らしい』


ケッタ
『接触は大丈夫?』


ダイヴァー
『まぁ…なんとかなるよ』


ケッタ
『分かった』


やや冷静にかちょが打ち返す。


「間に合えば良いけど…」


かちょは嫌な空気を払拭する材料を見付けれずにいた。


その頃
ダイヴァーはMNKSとまだ携帯で会話をしていた


『MNKS…オーダーの時ちょもちゃんに近づけるか?』

ダイヴァーはMNKSにメッセで問いかけた


『う〜ん…微妙…』

やや困り顔のダイヴァー


『基本オーダー通すのは厨房の外からだし…』


「全く使えねえ奴だ」


「なっ…ウググッ」

口を抑えるダイヴァー
慌て携帯をブン取るMNKS


『使えないって何よ!ヾ(`Д´)ノ』
『あたしがわる…』

まだ書き足りないMNKSを無視し話しかけるダイヴァー


「烏龍茶が欲しいんだ。持って無いのか?…
しかし、酔ってるせいかな…暑いな…」



「はぁ?何言って…ウググッ」

唐突に話しかけられ
思わず言い返そうとしてまた口を抑えられるMNKS


『馬鹿か貴様は』

そう書いたあと



「上着を預けたい」

そう言いながらダイヴァーはジャケットを脱ぐ


近くの椅子にそのジャケットを掛けるとMNKSに耳打ちした

ダイヴァーの命令に納得のいかないまま
ウエイトレスは返事をした

「も、申し訳ござ…いま…せ…チクショウ…ん

当楽しい遊びの場所はドレスコードがございまして…」

盗聴器がついたジャケットを遠のかせ

短く指示を出したダイヴァーに仕方なく従うMNKS

三十秒程打ち合わせたあと


「そうか…仕方がないな…では烏龍茶を」

そう言いながらMNKSにあるものを渡した

「頼むよ」

ダイヴァーは眼力で
再確認を確かめ

MNKSの手を強く握った


「かしこまりましたー」

棒読みでMNKSはそう言うと口元でボソボソ呟いた


…なんてついてないンダロ…わたし…


厨房へと向かうMNKS


「やれやれ…」

苦悩を隠せないままダイヴァーはジャケットを再び着た

その時
突然照明が暗くなる

中央に寄せられるスポットライト

「お待たせ致しました!
今夜は特別な催しを企画しておりましたが準備が整ったようです!」

スポットライトが集中した先で
マイクを持つのは店長
客の皆が注目する

「本日のメインイベントは…」

期待に満ち、どよめく会場

「伝説のディラー…クイーンさや嬢です!」


会場に緊張したさやが現れると


会場の空気は更に高揚した

「あれがクイーンさや…」


「あんな華奢で可愛らしい女性がトップクラスの腕があるなんて…」

この世界ではやはり名の知れたさや

人々のザワツキは収まらない

ダイヴァーの居場所を発見し一瞬チラッとダイヴァーを見るさや


ニッコリ笑い組んだ腕から親指を突き上げるダイヴァー


「大丈夫…大丈夫よ。」
そう言い聞かせ

ダイヴァーのサインを受け取り

徐々にに勝負師の仮面に変わるさや



「不安はあるけど…始まったわね」

「ですね…戦闘準備完了です(笑)」

車中でマネージャーのアナウンスの音を拾い
さやが登場したことを知り

準備に取り掛かるかちょとケッタマシン




ギシッギシッ

揺れる荷台では

「ワンモワ・セット!!!!!!!!!!」

と、パクパクと口を空け

剛腕の腕にさしこまれたパンダが叫んだ


続く

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