新連載 ダイヴァー氏主演小説 -LIVE CARD-第一話 大盤振舞 第八幕
「大場様がお帰りです」

マネージャーはダイヴァーに一度外に出るよう依頼しダイヴァーは会計を済ませた

「帰っちゃうの?」
suwanは淋しそうに言った

「また、直ぐに来るし(笑)」


suwanは何か言いたげだった。

「ん?」

ダイヴァーが耳を寄せるとsuwanは不意に抱き付いて来た



「…待ってるから」



そう言うとクルリと振り返り店に戻った


一瞬役得感を感じてると

携帯のバイブレータが鳴る

見てみるとケッタマシンからのメッセだ

ケッタ
『今、なんかされた?』

ダイヴァー
『別に。何故?』

ケッタ
『盗聴機付けられたよ。急に声の拾いが良くなってる』

ダイヴァー
『…なるほど…ね』


ケッタ
『あんたってば本当に女にはだらしないんだから。そんなんでよく探偵なんてやってるわね!今日逃したら次は無いのに本当にお気楽なんだから…以下30行』

一瞬ビクッと怯むダイヴァー

「どうされました?」マネージャーの問いに
「いや(笑)ちょっとね(笑)」

と笑うと


ケッタ
『何がちょっとねよ大体本当にやる気あるの?あなたが受けた依頼でしょ?せっかkkjpgmajtg.a@mjtp…






すいません今パソ奪い返しました((汗))』

…どうやら痺れを切らしたかちょが近くに居るらしい…

なべさんが先程クラブ・メルキドに設置してくれたのは、あらゆるマイクの機器から出る音を拾う特殊拾音装置

スピーカーからでさえ周囲の音を拾う性能だ

アナログのツマミが付いているリモコンで調整するとクリアに拾うのだ
だからワザワザマイクを設置する必要もない
設定を変えれば隠しカメラの映像すら見ることが出来る


リモコンのツマミは


ガンダムの腕とか頭とか…

ポージングによって角度を変えると聞こえ方が違う仕様らしい

説明文には
コア・ファイターにすると携帯出来ると書いてある…。

それをケッタマシンが操作しながらダイヴァーに報告していたのだ
無論誰が聞いているか分からないので会話は携帯のメッセのみ

不審に思われないようダイヴァーは今は打ち返さない

ケッタ
『とりあえず作戦は遂行中です…』

ケッタマシンから注釈が入った


「…了解」

ボソッとダイヴァーは返答した。


マネージャーとドアマンの大男と二人になった時、ダイヴァーはエレベーターへと案内された

「おや?何処かに行くのですか?」

ダイヴァーがマネージャーに訊ねると、マネージャーは意味深な笑みを浮かべ大男に指示をした

「かしこまりました」
大男はマネージャーにそう言うとエレベーターに乗り込むと、おもむろに鍵を取りだしエレベーターの操作パネルを開けた

中には通常の特殊操作板の横に黒く塗り潰したボタンがあり、そのボタンを押すとエレベーターは下ではなく上に上がっていった。


「…こんな仕掛けが…」


「なにぶん『楽しい遊び』は特定の素晴らしいお客様にしかご案内致しませんので(笑)」

「…そいつは光栄だ(笑)」

ダイヴァーは素直にその言葉を受け入れた

『楽しい遊び』が開催される会場に着くと、いつの間にかやって来ていた来客を相手に既に催されていた

「…!こ、これは!」
驚くダイヴァー

「はい。これが『楽しい遊び』です。

普段の遊びに物足りない人々が最高の楽しみを見い出す為に
当店が用意させて頂いた娯楽場です…。
無論ご理解戴けますと思いますが、呉々もご内密に…」
「勿論だとも!こんな『楽しい遊び』をさせて戴けるなら」

テンションを上げて喜ぶダイヴァー

「しかし…こんな設備が…」



「はい。頑張って揃えさせて頂きました(笑)」

マネージャーばダイヴァーの演技に大満足のようだ。

「飲み物やフードはウエイトレスに頼んで下さい。無論無料提供ですので…あと、今日はスペシャルイベントがあります。いやぁ大場様はツイてらっしゃる(笑)」

そう言うとマネージャーはダイヴァーの元を離れた


「フゥ〜…。」

想定よりも設備が整っていることに少々驚きながらもダイヴァーはとりあえず壁際の食事用のテーブルの席に座った

喉の渇きを潤す為にウエイトレスに声をかけようとした時…


ダイヴァーは不意に立ち上がった

そしてウエイトレスの肩を軽く叩いた

「お飲み物でs…ウァァ…ウグッ」


叫びをあげようとする女性の口を押さえ物陰に引き込むダイヴァー

「…何してんだ…。」
問われた女は挙動不審に答える

「ダ、ダイヴァーこそwwwww」


慌てながらダイヴァーに言い寄る女性

「…マスターが言ってた奴がまさかお前とは…もう一度聞く…何してんだ?MNKS!」

「いやぁ(笑)ウエイトレス?」

「見りゃ分かる!ここが何する所か分かってるんか?」

やや怒り気味に問いただすダイヴァー

それもそのはず


自分の妹がヤクザの仕事…しかも賭博場に居ては流石のダイヴァーも驚きを隠せない

「あああのっ色々あっていやだからその…



ごめんダイヴァー美味しいバイトがあるって聞いて怪しいかな…って思ったけど飲み物運ぶだけだし良いかなって…まさかヤク…」

「分かったからもういい。」

そう言いながらダイヴァーは携帯を取りだし文章を打った

『今、俺は盗聴されてるあんまり喋るな』

「エエッwwwww…ウグッ」

再び口を抑えた

『だから喋るな!』

携帯に打ち込むダイヴァー

ようやく理解したMNKSはダイヴァーから携帯を奪いとり携帯に打ち込む

MNKS
『ひょっとして仕事?』

ダイヴァー
『当たり前だ』

MNKS
『ひょっとしてヤバい奴?』

ダイヴァー
『ヤクザ相手にヤバく無い仕事なんて無い』
MNKS
『あちゃー…』

「どういうことd…ウグッ」

今度はMNKSがダイヴァーの口を抑えた

MNKS
『喋んないでって言ったのダイヴァーでしょ?』

ダイヴァー
『お前があちゃー…とか言うからだ…で、なにが『あちゃー…』なんだ?』


交互に携帯を渡し合う二人

MNKS
『実は…ウエイトレスあたしたげじゃないのよ…』

ダイヴァー
『…誰を引き込んだ…』

ダイヴァーは嫌な予感が走った。

それも核心的に

MNKS
『……。』

ダイヴァー
『点々とか良いから早く言えよ!』

MNKS
『言えないわよ』


ダイヴァー
『じゃあ早く書け!』
ダイヴァーのイライラ度が120%を越えそうな時

MNKSはは思いもしない名前を携帯に記した

MNKS
『ゴメン…ちょもちゃんなんだ…』

「なっ…」

ダイヴァーは声を出してはいけない事は充分承知している

それでも声を出さずにはいられなかった…

まさかロクロママの娘のちょもがこの賭博場に居ることは占いでも読めなかった


「…本当にお前って奴は…」

ダイヴァーはこの仕事が済んだら

アイツの元に妹のMNKSを放り込む事を誓った。


続く


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