新連載 ダイヴァー氏主演小説 -LIVE CARD-第一話 大盤振舞 第五幕

「詳細が決まり次第連絡致します」

ダイヴァーからそう言われてさやは安心して帰って行った

「…さて。」

「これからが一仕事だな」
ダイヴァーはカリカリ頭をかきながら事務所を出て

喫茶店に向かった

カラン〜
「いらっしゃい(笑)」
にこやかな笑顔でダイヴァーを迎えるマスターのケッタマシン

店は客もまばらで
奥さんのかちょも居ない

いつものカウンターの角の席に座りマスターに尋ねた

「奥さんは?」

「(笑)デートですね。もう戻ると思いますよ」

普通の喫茶店では珍しいサイフォンではなくネルドリップ方式で丁寧にコーヒーをたてるケッタマシン


あぁ…。と一言漏らして正人に連れ出された事がわかり、少し考えた。



丁度いいか…


少し考えたあと
ダイヴァーはコーヒーをたてるマスターににこやかに話し出した

「マスター…。」
「何でしょうか(笑)」
「ちょっと手伝って欲しいんだけど」


ケッタマシンは相変わらずにこやかに返事をした

「喜んで(笑)」

何を?ともケッタマシンは問わない

手伝える事しか
そしてケッタマシンの力が必要な事以外はダイヴァーは頼まないからだ。

にっこり笑って
話し出すダイヴァー

そのうち最後の客も帰り、休憩の時間になったのでケッタは扉の札を準備中へと代えそうと表に出た


「ダイヴァーさん…カナペさん来てるみたいですよ?」

脳噛探偵事務所の前にHONDAジョルノが置いてある


「おっ…早いな…」
カナペからバイクを持って行くからとメールがあったのは10分前のはず…


まぁ、いいか。


そう思い外に出るダイヴァー

事務所は開けっ放しなので知り合いは勝手に入るのだ


「マスター…休憩中にすいません」

ダイヴァーが言うと

「大丈夫ですよ(笑)」
といって

中に入りカナペが好きなエスプレッソコーヒーをたてはじめた


事務所に向かい扉を開けるダイヴァー





開かない


呼び鈴を押す

ブブー。




出てこない


「…何してんだ…」

仕方なく裏から入ろうと回りかけた時

玄関からガチャリと鍵の開く音がした


振り返り扉を開けるダイヴァー




「…おい…。」

バスタオルで髪を乾かしてるカナペ


「だって暑いんだよ?」

「意味が分からん」


勝手にシャワーを浴びたカナペに奔放な彼女ならいつもの事かと諦めた。

「コーヒー入ってるぞ」

そう言うとカナペは

「あ、先に行っといて」




「…分かったよ…。」


明らかに何か間違ってるカナペを置いて喫茶店に戻るダイヴァー


「マスター…あと少しかかるみたいだよ…」
「大丈夫(笑)」

いつもの笑顔なケッタマシン

と、その時外から楽しそうな声が聞こえた

「ね〜〜〜〜安かったでしょ?」(*´∀`)♪

「ホント♪こんな時期に穴場だわw」


どうやらバーゲンセールに出くわしたらしい女性二人が帰って来た


「ただい……。ゲッ!ヘボ探偵…」
あからさまに嫌な顔をする正人

「ん?呼びましたか?」

昨日とは違い何故か爽やかな笑顔のダイヴァー

その笑顔と問いに又嫌な顔をする正人


「…手伝わないから。」

「絶対ヤだからね!」
念を押す正人


さらににこやかにダイヴァーは言った

「D-044〜056、あとシークレットジーク」


その言葉に驚きと憤りの混じった声で正人は

「ひ、卑怯者!」

と電王のレアカードを報酬にチラつかせるダイヴァーに叫んだ


「…あと、砂リュウタとか。」

正人がどうしても手に入れたかったアイテムだ

「おねぇちゃ〜ん。」
・゜゜(ノД`)

泣きつく正人

(--、)ヾ(^^ )

慰めるかちょ

「わ、分かったよ!」
半べそになりながら
ダイヴァーの要求を受け入れた正人

「で、誰なの?」

その問いにダイヴァーは
「青い娘(笑)」


一瞬ぎょっとして

うんざりしながら正人は答えた

「又詐欺紛いな事するのかよ!」


「人聞き悪いな〜。人助けだよ(笑)ママ。宜しく♪」

軽くかちょにウインクをし、何かを頼んだ

「もぅ…垂らし込みダケは上手ね…。可哀想だけど…まぁちゃん行きましょうか」

「グスン…」

促されてかちょに着いて行く正人

店の奥に消えて行く二人


「…本当は申し訳なく思ってるよ…まぁちゃん。」

ボソリと呟いたダイヴァーは哀しそうな顔をした。


その時
カラン〜

開く扉

入ってくるカナペ

だが、衣装はどうみてもダイヴァーのもの


「……。よくお似合いで」

「もうちょいマシなもの買いなさいよ!」


「…人のを着といて何をキレてる…」


何故かカナペには敵わないダイヴァー


「あ、マスター☆」
その呟きを無視し、にこやかにケッタマシンに手を振るカナペ

「いらっしゃい(笑)」丁度良い加減の濃さになったコーヒーを差し出すケッタマシン

「流石はマスター♪かちょのパパだけはあるわね(笑)」

ダイヴァーとの扱いに雲泥の差を付けるカナペは

「おいし☆」
と、上機嫌でケッタマシンの入れたコーヒーを飲んでいる

一口飲み終わったあと、カナペはふと思い出したようにダイヴァーに尋ねた


「…そういやそうと、あの綺麗な娘誰よ?」

「メルキドのホステス。」


淡々と答え、コーヒーを飲むダイヴァー



「…何かした?」

ブフォwwwww
吹き出すダイヴァー


「あwwwwwなんかしたんだ!」

「ゲホッ!ゴホッ!バ、バカを言う…ゲホッなっ!」

「そんなことしたらどうなるか位分かるだろ!」

「…冗談よ。」
何事もなかったようにコーヒーをすするカナペ

「ケホッ…ゴホッ。そ、そんな事よりアレは発注してくれたのか?」



「あ…。」
今思い出したリアクションをするカナペ

「…冗談だろ…」
狼狽えるダイヴァー


「冗談よ。」



僅かに肩が震えるダイヴァー


「…おい。」


「そんなに怒んないでよ(笑)大丈夫よ♪なべさん、3日だって」


その答えに安堵のため息をもらしたあとダイヴァーはマスターに問いかけた

「…流石はわたなべ屋(笑)マスター、さっきの話3日でいける?」
「前のを使うだけですから…うん大丈夫(笑)」


冗談のような話で計画の打ち合わせをしていく三人



「ふぅ〜…。」
息をはき汗だくで二階から降りて来たかちょはダイヴァーに向かって行った


「成功よ。先に言っておくけど…貴方は本当にか〜な〜り乱暴なんだから。まぁちゃんにはには無茶させないでよ…」

そう言ってカウンターのおしぼりで顔を拭いたあとダイヴァーの横に座ってるカナペに気付いた



「…あら♪カナちゃん☆」



「かちょ〜♪」
抱き合う二人

「さっきのドタバタはカナちゃんだったんだ(笑)」

「ううん☆ダイヴァーが一人で勝手に」
「そうよね〜ダイヴァーだったらやってそうね〜☆」

二人は親友同士

「…女運見るの忘れてたな…」

「何か言った?」
「何か言った?」

同時にダイヴァーを睨む二人

「…別に…。」
気にせずコーヒーを飲むダイヴァー

「かちょ〜聞いてよ〜ダイヴァーたらホステスに手出したんだって」

「ウグッ…おぃ!」
吹き出しそうになるのを堪えカナペに突っ込むダイヴァー


「へぇ…」
少しだけ無表情な顔に戻るかちょ

「いや!…どうしてそうなるかな。」

最早否定する気にもならず諦めてマスターに苦笑いしているとさっきかちょが出てきた奥の扉が開いた





「またやらかしたんすか?…先輩(笑)」

声の聞こえた先を見てダイヴァーは笑顔で答えた

「…二階堂さんには叶いませんよ(笑)」

スーツ姿に眼鏡をかけダイヴァーに微笑む二階堂だった。



続く


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