CHANGE ∀ MIND
第89話
「滴る血」
川近く
永 「さて、始めましょうか?」
真 「随分と自信がおありのようで・・・・・。」
永 「『銀色に染まる血』(メタル・ギア・ブラッド)
・・・・・身体が液化金属になる。
それが私の能力。」
真 「あら、ご丁寧に種明かしまで。
でも、それって、それでもなお勝てるという自信よね?」
永 「そうね。しかも、相性最悪じゃないかしら?
ねぇ・・・・・看護婦さん。」
相手の血を抜く攻撃の多い真菜には、確かに厳しそうな能力である。
身体が金属化するのなら、針が刺さるのかも解らない。
だが、逆に、人体がありえない状態になるが故の欠点も見出せるかもしれない。
真 「皮膚が金属だから、針が通らない・・・・・?なんて安直に決めてるのかしら?
安直な意見なら、私も出せますわよ?
その状態を維持し続けても、皮膚呼吸ができませんわよ?」
永 「うふふふふ・・・・・。」
永津子の身体が銀色に変わる。
真 「あら、映画とかなら、服も一緒に金属化するのに・・・・・不便ね。」
着ている服は、そのままであった。
銀色の手と手をぶつけると、金属音が響く。
真菜も『魔人の地獄耳』(イビル・ナースコール)を発動。
真 「インジェクションモード!!ヘルレイザー!!」
無数の黒い糸が飛び交う。
永 「髪の毛が、金属に刺さるとでも・・・・・・・・・・・・。」
と、銀色の腕に刺さっている。
永 「へぇ・・・。」
真 「ていうか、髪の毛をそのまま飛ばすだけな訳が無いでしょう?
意外に普通なのね、代表さん。」
永 「それくらいでなけりゃ・・・・・ね。」
真 「オペレーションモード!!スパイダー!!」
永津子は金属の腕でそのまま殴りつけてきた。
いち早くそれを察知して、蜘蛛の巣の網で防御をする。
真 「単純な攻撃で終わるとも思わないけど・・・。」
その豪腕は、蜘蛛の巣をブチブチと引きちぎった!!
真 「なぁるほど・・・・・。これは想像以上かも。」
真菜は再びスパイダーを複数枚張った。
そのまま、永津子を巻き込んで
横の川へと投げ込んだ。
真 「ふふん、溺れてしまいなさい。」
身体が金属のために、沈んでいく。
そのまま真菜は、水面を見張る。
小さな泡を見つけ、インジェクション・シュタインモード(投薬)を飛ばす。
真 「これじゃない・・・・・。」
あちこちから泡が出るが、どれも泡だけで、永津子が上がってこない。
真 「!? そこっ!!」
一つの泡目掛けて、インジェクション・フェアリーを連射した。
永 「くっ!!」
永津子が姿を現した。
どうやら、水面のすぐ下で景色を反射させて潜んでいたらしい。
永 「なぜ・・・・・見破った・・・・・。」
真 「あら?小学校で習わなかったかしら?
石灰水は、二酸化炭素で白く濁るって。」
永 「ま・・・・まさか・・・・・。」
最初のインジェクション・シュタインで水面に石灰水を発射したと思われる。
永 「そんな・・・・・馬鹿げた・・・。」
真 「アナタの能力の方が馬鹿げてるわよ?
どうやら、アナタじゃ、私を秘書にするにはちょっと役不足のようだわね。」
永 「たかが、これだけのことで!!」
真 「だけだと思う・・・・・?」
そのまま強襲するはずの永津子の動きが止まる。
真 「アナタが呼吸をしてる・・・・・その道は肺へと繋がってるはずよね・・・・・。」
永 「カハッ・・・・・・まさか・・・・・・肺まで・・・・・?」
真 「お望みなら、このまま肺を潰してもいいんだけど?」
結局、抵抗する永津子を止めるために、
真菜は、黒い糸に力を込めた。
真 「馬鹿な人・・・・・。」
が、次の瞬間に、真菜の腹を永津子の手の刃が貫いた。
真 「なっ・・・・・・・。」
永 「肺も、金属にできると、想像できないの?」
真 「そうか・・・一瞬なら・・・可能だったのね・・・・・。」
血を吐き、地面に倒れこむ真菜。
真 (こ、この出血は・・・・・ま・・・・・まずいかな・・・・・。)
永 「残念ね、アナタは本当に秘書にしたかったのに。」
真菜に刃を振り下ろす永津子。
岱 「貴様の秘書になられるのも・・・・・殺されるのも・・・・・御免被りたいんだがな・・・。
そこの、金属女。」
真 「岱!?」
永 「チャンス!!」
標的を瞬時に、岱へと変える永津子。
だが、その攻撃に合わせすでにカードが一枚切ってあった。
岱 「魔術師のスート!!『腐り落ちる錬金』(インベイド・ウイルス)」
その金属の刃が、一瞬で赤錆色に濁り、
岱の蹴りで崩れ落ちた。
岱 「相性が悪かったようだな・・・女。
他の能力なら、おまえの能力で充分勝てたんだろうがな・・・・・。」
永 「小癪な・・・・・。」
どんどん赤錆が侵食していくので、永津子は金属化を解除した。
岱 「メタルカラーの化粧の方が、美人なんじゃないか?」
永 「この男!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
攻撃しようと、一歩踏み込んだ永津子の足が腐り落ちた。
永 「な!?」
岱 「悪いな・・・。腐らせるのは金属だけじゃあないんだよ。」
永 「まさか、人間の細胞を腐らせる能力を・・・・・平気で使うのか!?」
岱 「おいおい、ウチの大事な秘書だけでなく、いきなり人に斬りかかる奴が言うのか?」
だが、一瞬で、その足も元に戻る。
岱 「何!?」
まだ・・・別の能力を隠している。
しかも、金属化を解いても、攻撃しようとしてきた・・・・・。
岱 「コイツ・・・ダブルキャリアか・・・もしくは・・・トリプル・・・。」
真 「だ、岱・・・・・。気を・・・つけて・・・・・アイツは・・・・・。」
岱 「解ってる、しゃべるな。」
ふと、真菜を抱えた手に、ぬるっとした血を感じた・・・・・。
続く。
おまけ。
ミ 「いやぁ〜、久々の執筆ですね。」 *実に二ヶ月。
ス 「まぁまぁ、これから私たちEVER SNOWの活躍もかかれるわけですよ?」
マ 「そうそう。物事には順番がありますからね。」
ル 「・・・・・。」
ミ 「私、結構重要キャラな気がするんだけど!!」
ス 「・・・・・。」
マ 「・・・・・。」
ル 「・・・・・。」
ス 「マドカちゃん、例の件どうなった?」
マ 「あ〜、アレはですねぇ〜。」
ミ 「無視だ・・・・・。ひどぃ・・・・・。(涙)」
ル 「ど・・・・・どんまい・・・・・です・・・・・。」