CHANGE ∀ MIND
第88話
「喰い入り喰い尽くす」
EVER SNOW
ス 「しかし・・・これじゃ・・・事実上デビューは見送りでいいかしら?」
マ 「そうですね・・・。結構ゴタゴタしてますし。」
ル 「ご・・・ごめんなさい。」
ミ 「なんかこの人、謝ってばっかなんだけど。(笑)」
4人とは別行動でDCを探ろうとした拳。
だが、特に手がかりがあるわけでもなくどうする事もできなかった。
拳 「めんどくさい事になったな・・・・・。」
鳴り響く携帯。
拳 「はいよ。」
萌 『もしもし、萌だけど。どう?そっちは。』
拳 「どうもこうも、特に『護衛』も必要なさそうだしな。」
萌 『そう・・・。少し、情報を貰ってこようかしら・・・・・。』
拳 「どこにだ・・・?」
萌 『脳噛商会・・・・・。』
拳 「脳噛・・・商会?」
脳噛商会
ロイヤルを探す脳噛商会。
最近は結構別行動が多く、事務所で皆が揃うことも珍しくなった。
そんな中、真菜が偶然会った人物が居た。
真 「あ・・・あれは・・・・・。」
デザートカンパニー代表『銅鑼国 永津子(どらごく・えつこ)』である。
真菜は普段から雑誌や新聞などでの情報収集を怠らない。
有名な人物は全て覚えている。
真 「くっ・・・もう帰るのかしら・・・・・。
せっかくバイキングに今入ったばかりなのに・・・・・。」
しかたなく、目の前の巨大なロブスターを1個だけかぶりついて、
銅鑼国永津子を追う真菜。
だが、あっさりとホテルのロビーで捕まる。
永 「あらあら、ロブスター1匹だけで満足するのかしら?
砂流真菜サン・・・・・。」
真 「!! 私を知っているの?」
永 「これでもDCの代表ですよ。お噂はかねがね聞いていますわよ?
脳噛商会の敏腕秘書として。
せっかくだから、お食事同行してもらえませんこと?
ご馳走いたしますわ。」
真 「って、今、バイキングに来たんじゃ・・・。」
永 「こんなホテルごとき、付き合いでなければ誰が来ますか。」
罠だとも思ったが、なぜかそういう姑息な女には見えなかったがために
真菜は永津子に着いていった。
つれて行かれたのは・・・・・。
焼肉屋。
真 「なんだ、こじゃれたフランス料理とか行くのかと。」
永 「あんなちまちまと出されるスタイルは気にいらないの。
ロース25人前とりあえず、お願いね。」
店 「に・・・25人前ですか・・・・・。(汗)」
真 「それ、アナタ1人分だけよね?私も25人前。」
店 (な・・・何かが違うが・・・あたりまえのように・・・・・。)
呆気に取られる店員を余所に、もくもくと食べ続ける2人。
真 「あら、おいしい。」
永 「私もここの焼肉が一番良いと思ってるわ。」
真 「で・・・・・。何か話があるんでしょ?」
永 「察しがいいわね。」
何も無ければ誘うわけもないので、当然と言えばそうである。
永 「砂流真菜・・・・・月2000万で、私の秘書にならない?」
真 「それは凄まじいくらいの条件ね・・・・・。」
永 「ある程度なら、そっちの条件を飲んでもいいわ。」
真 「随分、私を高く買って頂けるのね。」
永 「ええ、色々調べさせて貰ったわ。
その頭脳、能力、そしてその食べっぷり。」
真 「即断させてもらうけど、答えは『NO』よ。」
永 「給料の問題で動くとは思わないが、結構破格を出したと思うけど?」
真 「そうね、今はその100分の1程度。
ボ−ナスもほとんど無いけど。」
永 「それは脳噛岱に対して、特別な感情があるから?」
真 「別に、そういうわけでは無いわ。
愛情では・・・無い・・・ただ・・・彼の死を看取るのは私の役目。
解りやすく言えば、そんなとこ。」
永 「全然、解らないわ。」
真 「別に解って貰う必要も無いわ。」
少しの沈黙の後に、永津子が提案した。
永 「じゃあ・・・・・。脳噛岱を殺したら・・・・・OKかしら?」
真 「・・・・・・・・・・・・。」
かなりの沈黙を置く真菜。
真 「そうね、いいわ。できるものなら。」
永 「ならば・・・・・すぐに行こう。」
真 「随分せっかちなのね。まだ、全部焼き終わってないわよ?」
永 「私は超レアが好きなの。」
真 「あら、私はじっくり焼くのが好きなの。」
交渉決裂!?
脳噛商会へと向かう永津子。
もちろん、追う真菜。
どっちが何を言い出すわけでもなく、
2人の戦いが始まるのは解っていた。
永 「私はアナタが欲しいわけ。
だから、殺さない程度にするけど、構わないわね?」
真 「どうぞ・・・・・できるものなら。」
続く。
おまけ。
苺 「うふふふふふふ。」
萌 「ん?そのニヤケ具合は・・・・・。」
風 「『週刊CHANGE ∀ MIND』か・・・・・。」
火 「そういや、オレ出てないんだけど?」
ロ 「あら。で、苺ちゃんのはどんな特集なのかしら?(ダミ声)」
苺 「なんだろう?きっとアレだ、『おいしい唐揚げの作り方』とか。」
風 「なるほど、数値変換に置ける『相対性理論』と『質量保存の法則』
並びに『フェルマーの定理』などなど。」
苺 「ええええええええええええええええええええ!?
そんなの、全然わかんないし・・・・・。」
萌 「うわぁ・・・。私買いたくないな。(笑)」