CHANGE ∀ MIND
第85話
「サムライ (後編)」
ブレード商店街
マシンガンを乱射する乱人。
魅 「仕方ないわね!!」
今度はその乱人のほぼ目の前の床から剣を召喚した。
魅 「これで何とか・・・・・。」
反射した跳弾は心が斬り落とす。
聖剣を装備している魅貴ではあるが、実は怪我であまり振り回せない。
だが、それを悟られるわけにはいかなかった。
魅 「この私が・・・これしきの事で参るはずは無くってよ!!
迸れ!!聖剣デュランダル!!」
床から呼んだ剣の影から走り、乱人に斬りかかる。
魅 「悪いけど、峰うちで済ますほど甘くは無くってよ。」
乱 「・・・・・。」
次の瞬間、腹部を撃たれ魅貴は倒れた。
魅 「そ・・・そんな・・・・・・。」
ア 「うわああああああああ!!先生!!」
心 「綾小路先生!!」
乱 「残念だね。」
体内に銃火器を仕込んでいるために、剣の刃が致命傷と成らなかった。
本気で切り込めば魅貴ならば斬れたのであろう。
だが、やはりどこかでこんな犯罪者でも殺してはならないと
ブレーキがかかったのであろう。
まして、体内に銃火器そのものが眠っているとは・・・・・。
心 「くっ・・・・・。」
乱 「別に置いて逃げてしまえばいいじゃない?」
心 「馬鹿を申せ!!人を救う事こそ『義』成れ!!」
乱 「じゃあ・・・・・皆、死ねばいい。」
乱人の膝からバズーカであろう巨大な弾丸が発射された。
心 「!! 八十一式!!『苦々蜂銃威』(くくはちじゅうい)!!」
高速の連撃でそれを停めようとはするが・・・。
ア 「爆発しちゃう!!」
その瞬間、顔に風を感じた心。
何かの突風が弾丸を押し返している。
魅 「魔・・・・・魔剣・・・・・ストーム・・・・ブリンガー・・・・・。」
ア 「嵐の魔剣・・・・・。」
ほとんど動く事もできないダメージの魅貴だった。
心 「先生殿!!」
乱 「めんどくさいな・・・・・。皆・・・早く死んじゃえよ!!」
乱人の意志で弾丸が爆発した!!
防御をすれど、心も立ち上がれないほどのダメージを受けた。
心 「不覚・・・・・まだまだ精進足らず・・・・・。」
乱 「残念だったね。
剣は銃には敵わないって解ったよね?」
また銃を手から出現させ、ゆっくり近づく。
机に隠れていたアイは震えていた。
ア 「ダメ・・・・・。こんなんじゃ・・・・・。」
床に刺さっている魔剣ストームブリンガーが砂の様に消えつつある。
魅貴の意識が遠のいていく。
ア 「!!」
アイは立ち上がった。
乱 「ん?キミも死にたいのかい?」
ア 「・・・・・誰も死なせない・・・・・。」
乱 「?」
ア 「先生・・・・・その剣・・・・・借ります。」
乱 「他人の能力は使えない・・・・・。
そんな簡単な事も・・・・・。」
ア 「そうじゃない・・・・・。」
乱 「?」
ア 「私の剣はここにある!!」
気流のような物だろうか?
魅貴と心をそれぞれ囲むように空気が渦巻いている。
乱人が銃を撃ってみるが弾かれた。
乱 「風・・・・・?」
ア 「もう、何処にも攻撃はさせない・・・・・。」
乱人が銃を乱射する。
だが、自分から数mの辺りで、叩き落される。
ア 「アナタを中心に、『竜巻』を作った・・・・・。もう其処から出られない。」
乱 「竜巻を作る能力か・・・・・。」
アイは自分自身を『芯』とし、竜巻を作った。
その内側から軽く指を触れた。
指を触れた部分が別方向の回転を生み、
『風の刃』と成って発射される。
乱 「!!」
手に携帯電話を持ったアイ。
それを『芯』にして、竜巻を作る。
まさに、竜巻の刀である。
『聖剣の疾風(かぜ)』(ストーム・ブリンガー)
特定の『芯』を選び、それを中心に廻る竜巻。
外部の攻撃を防ぐだけでなく、内部から触れる事で
風の刃を飛ばす。
ア 「絶対に・・・・・許さない・・・・・。」
銃など、あらゆる攻撃を発する乱人だが、
弾丸は竜巻に巻き込まれ、炎は防がれ
あらゆる攻撃ができない。
乱 「こ・・・・・これは・・・・・。」
ア 「そう、相性の問題・・・・・アナタがそう言った・・・・・。
銃で撃たれる気持ち・・・・・味わった方がいいよ。」
その刀が振り下ろされる。
巨大な竜巻が放たれる。
その竜巻に押され、自分の廻りの竜巻に巻き込まれる。
その竜巻の中には、自分が撃った弾丸も一緒に渦巻いていた。
数々の弾丸が自分を穿つ。
乱 「うわあああああああ!!」
ア 「自業自得。
でも大丈夫。私は殺したりなんかしない・・・・・。
しばらくそのまま地獄を味わうといいよ・・・・・。」
心 (お、怒ると怖いので御座ろうか・・・・・。)
やがて駆けつけた蛙岩達
蛙 「なんだ・・・・・これは・・・・・。
とりあえず、怪我人の救出からかかれ!!」
鉄 「コイツが犯人か・・・・・?
なんだこりゃ?自滅したのか???」
蛙 「みたいだな・・・・・。」
鉄 「銃ってのは使う人間によっては兵器と化し、
そしてまた人を守る道具となる・・・・・。
たったそれだけの事なんだがな・・・・・。」
ふと、倒れてる人間を見た。
鉄 「綾小路・・・・・。オマエほどの女が・・・・・。」
魅 「ちょっと梃子摺っただけですわ。この私を・・・・・。」
鉄 「そっちのお嬢ちゃんもブレ学だな・・・・・。
よくもまあ銃相手に・・・・・。勇気は買うが無謀な事はするな。」
心 「ここで逃げては正義が廃るで御座います。」
鉄 「死んだら・・・何にもならないぞ?」
ぼーっと立ってるアイを見つけた。
大怪我をしている様子も無い。
鉄 「確か・・・・・脳噛の所の・・・・・。」
ア 「・・・・・。」
鉄 「おい、大丈夫か?」
ア 「はっ!?あれ?????」
鉄 「おいおい、立ったまま気絶してたとでもいうのか?」
ア 「あれれれ?」
なぜか記憶が薄れてるアイ。
ア 「私の聖剣・・・・・。」
少し朧気だが、自分の能力覚醒は確かにあった。
ア 「これで・・・・・パパや真菜さんの力になるかな・・・・・。」
また一人の侍が修羅の道へと踏み込んだのである。
続く。
おまけ。
岱 「侍?まぁ、世間では勘違いした外人の様な解釈とされてる気がするがな。」
真 「そうね、チョンマゲと刀、羽織袴?」
み 「新撰組とかもそうだよね。」
真 「そうね、戦国武将とかはあまり指さないわね。」
み 「でも外国の方って、サムライ・ニンジャって好きっぽいよね?(笑)」
ア 「ハラキリー!!サムライー!!スシ!!ゲイシャー!!」
み 「うっわ・・・・・。ベタなの来たなあ・・・・・。」
ア 「ニンジャ!!アニヲタ!!キンカクジーーーーー!!」
真 「な、何かが違ったような・・・・・。」