CHANGE ∀ MIND
第84話
「サムライ (前編)」
デザートカンパニー
真 「様筬さん、戻ってましたか?」
様 「なんだ灯篭環。何か用か?」
真 「いつも何処にも居ないんで。
社長が探していましたが?」
様 「用件なら携帯にかければ済む事だろう・・・・・。
時に燈篭環、自分直属の配下をなぜ持っていない?」
真 「なぜ・・・と言われましても?」
様 「必要ならば私に言え。
じきにあらゆる能力を揃えて見せる。」
真 「わ、解りました。その時はよろしくお願い致します。」
自室に戻る様筬。
様 「もう少し、忠実な部下が欲しいものだな・・・・・。
能力は高くても、馬鹿だからな・・・・・アイツらは・・・・・。」
タバコに火をつけ、あの凛華とのやりとりを思い出す。
様 「フン、全くヌルイな・・・・・。
憎悪を抱かぬ人生を歩んで来たというなら、
それはそれはぬるま湯のような恵まれた人生だったんだろう。」
警視庁
凛 「・・・・・。」
鉄 「まぁ、気にするな。
いかなる信念の元でも犯罪を取り締まるのが我々の役目だ。」
凛 「ですね。
でも、そんな理念を掲げてもやってるのは大量殺人と変わらないんじゃないですか?
殺される側からすれば、同じなのでは?」
鉄 「んー。」
蛙 「一概にそうとは言えないかな。
悪行の境界線が曖昧だけど、奴等の言い分だと、『悪』を除去するわけだよね。
そして、その悪の大半は『自分が悪』と認識している。
社会で悪だと、重かれ軽かれ犯罪だと認識している事をわざと破ってる人間はいるよね?
交通ルールなんかそう。」
凛 「いますね。」
蛙 「そういう心に罪悪感ではないけど、『悪の認識』を持った人間を『悪』としてるんじゃないかと
俺はそう分析できるかな。」
凛 「それは・・・『正義』なんですか?」
蛙 「俺らの立場から言えば・・・・・『悪』になるのかな?」
エマージェンシーコールが鳴る!!
蛙 「どうした!? 何?拳銃乱射事件!?解った!!
とりあえず、周囲の封鎖と住民の避難を。
犯人の状況を調べて様子を見るんだ!!」
鉄 「!!行くか?警部。」
蛙 「そうだね。行こう!!」
凛 「警部!!」
蛙 「ダメダメ、君達はまだまだ危険だから、ここで待機だ。
この件は俺と、警部補で行く。」
凛 「解りました・・・・・。」
ブレード商店街
ブレード学園へと続く道にある商店街である。
何者かが突然銃を乱射しだした。
何人かのブレ学生徒が撃たれ、重傷者もいる。
すぐに走って逃げる者も居たが、
ファーストフードコートの中に居た人間が事実上人質となった。
A 「うわ・・・・・・。殺される・・・・・。」
店員の方に向かう男。
男 「・・・。」
店 「あ・・・・・ひぃいいいい・・・・・。」
男 「チーズバーガー2つとポテトとコーラね。」
店 「え・・・・・。」
男 「ここはハンバーガー売ってるとこだろ?」
店 「は、はい・・・・・。」
男 「早くしてよ、腹減ったんだから。」
店 「ははははははい。」
怯えながらも言われた通りにする店員。
男 「あ、そっちの人たち、死にたかったら逃げていいよ。」
そう言われ、全員平伏せている。
その中に居たのは・・・・・。
ブレード学園教師、綾小路魅貴(あやのこうじ・みき)である。
魅 「この私を跪かせるなんて・・・・・。」
その横に居たのは生徒のアイフィ=カルティア=ガックスヘッジと
志堂心(しどう・こころ)である。
ア 「先生、ヘタに抵抗したら皆撃たれちゃうよ・・・・・。」
魅 「だから、屈辱だけどこうしてるのよ・・・・・。隙を見て必ずブッちめるわ・・・・・。」
心 「なんとも許せない奴で御座いますね・・・。」
心の正義がかなり震えている。
心 「何故こんな事をするので御座いますか!!」
いきなり立ち上がり叫ぶ。
ア 「うわっ。」
男 「どうしてかって?」
持っていた銃を心に向ける。
男 「別に?なんとなく。」
心 「な、なんとなくでこんなに人々の命を奪うので御座いますか!?」
男 「今の世の中、これくらいで死ぬようじゃこの先生きていけないからね。」
心 「アナタには自分の大事な人が同じ目にあってもなんとも思わないので御座いますか?」
男 「大事な人? あっはっはっは。カンベンしてよ?
キミもアレ? 愛とかくだらない事言う人?」
心 「何故にくだらないと・・・・・。」
男 「あっはっはっはっは。『この人が居なきゃ生きていけない。』とか言うんだろ?
愛と依存がごっちゃだね。」
心 「そうだとしてそれが何か悪いというので御座いますか?
人を好きになって何か迷惑かけたので御座いますか?」
男 「ウザイんだよね。ロクに受け止めもできない者が愛だのなんだの。
結局時が埋めるほどのモノがほとんどだろ?
恋と愛の区別もいまいち解ってないようだし?
愛してないなら大事じゃないとでも言うのかい?」
心 「・・・・・。」
男 「くだらないんだよ。
さっきから自分の恋人なんか置いて自分だけ逃げ出す奴も何人もいたけど?」
心 「アナタは本当の愛を知っているとでも言うので御座いますか?」
男 「くだらない・・・。そんな事も言ってない。
人を好きだという自分に酔ってるだけの者が愛だの言うのが・・・
虫唾が走るんだよ!!」
心に向けた銃を撃った!!
魅 「!!」
ア 「!!」
心 「別に、そういう価値観の違いはそれぞれ・・・
だからって人を殺して良い理由にはならないで御座います。
志堂心・・・・・参ります!!
いざ!!尋常に勝負!!」
『龍穿滅光』(ドラゴンスレイヤー)
一式:「陰一牙」(いんいちが)の高速の居合いが弾丸を叩き落す。
男 「なるほどね・・・能力者だったんだ・・・・・。
それは面白いね。」
馬籐乱人(ばとう・らんど)
能力名『天に撃つ弾丸』(ヘブンズ・ガンナー)
体内に銃火器を所持している。
乱 「たまには骨のある獲物もいいもんだね。」
手を心に向ける。
腕からライフルのようなものが現れた。
心 「!!能力者で御座いますか!?」
そのまま標準をずらし、床で蹲ってる生徒を狙った。
心 「!!」
幾多もの剣などが床から生え、弾丸を弾いた。
心 「こ、これは?」
立ち上がったのは綾小路魅貴。
魅 「もう、私の射程内だから何もさせませんことよ?」
乱 「へぇ、結構居るんだ能力者。面白くなったね。
でも、二人共、剣で銃に勝てるのかな?」
綾小路魅貴
能力名『聳える剣の摩天楼』(ギルガメッシュ・スカイスクレイパー)
あらゆる伝説の剣を召喚する。
ア (や、やっぱり能力者だったんだ・・・・・。)
魅 「残念ね、私は『剣』に限ったわけじゃなくってよ?」
魅貴の頭上に三本の槍が現れる。
魅 「戦国魂でも見せましょうか?
『蜻蛉切』 『御手杵』 『日本号』!!」
乱 「切れ味よりも問題があるはずだよね・・・・・。」
左腕からもマシンガンが現れ乱射する!!
心 「!!」
さすがにそれを叩き落すのは不可能だった。
魅 「槍は突くだけが能じゃなくってよ?」
槍が回転しながら弾丸を叩き落す。
その隙に別の槍が乱人へと向かう。
乱 「まぁ、その程度だよね・・・・・。」
妙な角度へ銃を乱射する。
壁などに反射した弾丸が様々な角度から降って来る。
ア 「うわあっ!!」
心 「えいっ!!」
心は自分に向かった弾丸を弾き落とした。
魅 「!!」
なぜか魅貴はそのまま一発喰らってしまった。
肩から血が流れる。
乱 「あっはっはっは。その槍を豪快に振り回したら、他の人斬っちゃうもんねぇ。」
心 「!!私が邪魔で御座いましたか・・・。」
魅 「いえ、私は周囲をガードする『剣』を呼ばないとならないからね・・・。」
正確に弾丸を落とす集中力を持つと、
さすがに周囲全体をカバーできない魅貴。
かと言って心では数発が限度である。
さらに言えば、まだ乱人の能力が『銃だけ』と確定していないので
迂闊に飛び込めないのである。
魅 「聖剣デュランダル!!」
一本の聖剣を召喚して構える。
心 「先生、ここは私に任せるで御座います。」
乱 「しかし、銃を前に怯まないなんて、ある意味教育間違えてるんじゃないの?」
心 「馬鹿を申せ!!悪を駆逐する力があるなら立ち向かうのが使命であろう!!」
乱 「ホント・・・・・ウザイ・・・・・。」
乱人が両腕からマシンガンを撃った!!
続く。
風 「ほぅ、なかなかの刀だ。」
ロ 「風月ちゃん、何してるのっ!!危ないわよっ!!(ダミ声)」
風 「大丈夫だ、扱いには慣れてる。」
ロ 「ブ、ブレ学生徒みたいな事言うのねぇ。(ダミ声)」
苺 「なんで、お店に日本刀が・・・。」
萌 「最初にツッコむの、ソコだよね・・・・・。」