CHANGE ∀ MIND
第79話
「月に」
EVER SNOW
突然決まったメジャーデビュー。
だがしかし、すぐに明日!!と言うわけではない。
萌 「えーっと、もうすぐマネージャーがココに来るから。」
ス 「あ、はい!色々有難う御座います。」
萌 「いえいえ、これからだよ。」
と、メニュー表を見る萌。
そうここは・・・・・。
ラーメン『鰤熊』
サ 「な・・・なんでラーメン屋さんなんだろう・・・。(汗)」
ミ 「あ、アタシ、ミソチャーシュー麺硬めで、ナルト10枚増しで。」
マ 「なぜ、ナルト10枚・・・。」
ミ 「いいじゃん!!なんかグルグルな気分なのよ!!」
サ 「ど・・・どんな。(汗)」
萌 「何にしようかな・・・。
んー、じゃ、林檎ジュースラーメンで。(笑)」
ス 「どんなよ。(笑)」
架 「あいよっ!!林檎ラーメン一丁!!」
サ 「あ・・・あるんだ!?」
萌 「ウソっ!?」
冗談のつもりがとんでも無い事になった萌だった。
ちょうどラーメンが出来る頃に2人の男女が入って来た。
架 「らっしゃい!!」
女性の方が『ただいま』と応える。
葉飛うらら(三女)である。
萌 「あ、うららちゃんと、大神君。」
うららは女優の卵として、拝神プロにレッスンに行っているようである。
紹介された男は、大神拳(おおがみ・けん)
そう彼がEVER SNOWのマネージャになる男だった。
ス 「諏訪雲白奈です、よろしくお願いします。」
サ 「羽桔沙夜です、よろしくお願いいたしますです。」
ミ 「もっちゃもっちゃもっちゃもっちゃ。」
マ 「猫野まどかです、よろしくお願いします。」
もぐもぐ、ゴクン。
ミ 「ふー、ゆっ雪眞美奈です。よろしくお願いしますっ!!」
拳 「これはこれは、美女でナイスバディ揃いで。」
ス 「え・・・。」
サ 「全然・・・。」
拳 「いやいや、このお尻は・・・。」
萌 「大神君・・・・・。」
拳 「おっと、失礼。(笑)
つい美しい女性を前にすると。」
妙な話を見事にカットされる大神拳。
ス (だ、大丈夫なの・・・・・この人。)
萌 「と、まぁ、人格に相当問題はあるけど・・・・・。(汗)
色々な管理能力と・・・・・危険感知能力に関しては素晴らしい人よ。」
マ 「ある意味、一番危険なんじゃ・・・・・。」
萌の林檎ラーメンを横目に鼻が反応する。
拳 「なるほど、林檎ラーメンといえどスープを林檎で作るという奇抜なもんじゃなく、
醤油ラーメンに使われがちな林檎の風味を少し強めに・・・
それでいて邪魔にならず・・・この匂い・・・隠し味は・・・。」
と、そこまでで架明の包丁が拳に伸びる。
架 「いい『鼻』だな兄ちゃん。
同じ系統の能力か?」
う 「ちょっ、パパ!!お客さんに包丁向けちゃダメですっ!!」
サ 「え・・・今。」
架明の言葉に反応する4人。
ス (『同じ系統の能力』って・・・・・。)
マ (『鼻』関係の能力者なの・・・・・?このマスター。)
ミ (隠し味は何なんだよ・・・・・。)
萌 「とりあえずっ!!そういう事なんで。」
ス 「あ、ハイ。」
拳 「こちらこそ、皆さんよろしく。
で、突然だけどデビュー曲創ってもらえるかな?」
ス 「です・・・・・よね。
サ、サヤちゃんど・・・どう?」
サ 「あ・・・ちょこちょこと詩を書き留めてはいますけど・・・・・。」
マ 「私も協力したいんですが・・・。」
ミ 「詩・・・アタシも少しなら書けるけど・・・・・おやっさん!!替え玉っ!!」
拳 「ああ、別にいつまでって時期は無いから。
ウチは急かして曲をただ出せばいいプロダクションとは違うんで。」
サ 「そ、そうなんだ。」
マ 「でも逆に焦らなきゃならないような・・・・・。」
ス 「とりあえず今月はまだ勤務先で色々あるので、
そこをしっかりけじめ付けてから、本気で取り掛かりますので。」
拳 「OKOK。」
そして、ES4人を残して、萌と拳は店を後にする。
萌 「じゃ、よろしく頼んだわよ。」
拳 「ああ。」
萌 「能力については説明した通り。性格上、攻撃系じゃないから
キツくなったら呼んでね。」
拳 「解ってるさ。」
萌 「音楽も・・・趣味程度でやってたら勿体無いくらいだから。
そっちもよろしくね。」
腕時計を見る拳。
不思議なセンサーがついている。
『月』の形に光り輝くセンサー。
拳 「あの4人の誰か・・・・・『月』のエネルギー・・・・・?????
まぁ・・・・・いいか。」
萌 「あ、あとセクハラはダメだかんね。
すぐ給料に響くようにするからね。」
拳 「はいはい。(笑)」
萌 「あれ?今・・・新月期だよね?」
拳 「ああ。」
萌 「それでもそんなに・・・蓄積されてるの?」
拳 「いや・・・よく解らないが・・・なぜか・・・溜まった。
まぁ、理由はなんでもパワーが満タンなのはいい事だ。」
大神拳(おおがみ・けん)
能力名『月夜に吼える狼』(ハウリング・ムーン)
身体能力(筋力・嗅覚など)が月の満ち欠けで影響する。
力の薄い新月期の対策のため
ある程度、その月の力を蓄積しておく事ができる。
萌 「まぁ、四人だけど・・・護衛・・・頼むわよ・・・。」
拳 「給料次第で?(笑)」
萌 「こっちはこっちでやることイッパイなんだから・・・。」
再び、腕時計を見る拳。
拳 「新月期か・・・・・。」
萌 「ん?」
拳 「いや・・・あれから何年経ったんだったかな・・・・・。」
萌は思い出し、笑いながら言う。
萌 「そういえば、オガミとオオガミをウチのスタッフが聞き間違えたのが、きっかけだったわね。」
拳 「そうだな。掃除のバイトだったはずなのにな。」
萌 「いつしか、うちの会計みたいなものだものね。」
拳 「わかんねぇよな・・・・・。人生なんて。」
萌 「そうよ〜。だから面白いんでしょ?
たとえ幸福だと言われても、『先が見えてたら』面白くないわよ?」
拳 「『見る』か・・・・・。」
と、狙ったように現れるのは蓮河寧音。
すれ違いざまに会話を聞き取ってしまい、
届かない声で呟く。
寧 「世の中・・・・・必ずしも全て見える事が良いとは限らないの・・・・・。」
『視線の様に刺さる太陽光』(サテライト・アイズ)
で、世界のあらゆる情報bを『見る』事のできる彼女の苦悩とは・・・・?
そして彼女の目的は・・・・・。
『月』に集う者達が・・・・・何かの歯車を廻す。
続く。
おまけ。
ミ 「うおおおおおおおおおおおお!!今度こそ買ったぞ。」
マ 「性懲りも無く・・・・・。」
サ 「うわあ・・全国のイカ焼き屋台のポイントが全部載ってる・・・・・。」
ス 「色んな意味でマニアックね・・・・・。」
ミ 「もう、これで、チェンマイ=ミナじゃね?」
マ 「あれ?でも・・・。」
マ 「この本 『週刊イカ焼き』だけど・・・・・。」
ミ 「ま・・・間違えた・・・・・。」
ス 「そんな本あるの!?」
サ 「需要あるのかなあ・・・・・。」