CHANGE ∀ MIND

第71話
「裏に眠る者」









            EVER SNOW


            街を行く四人は、ふと反対側の道路から聴こえるクラクションの方を向いたのだった。


ミ  「うわぁ、道路渡ろうとしてる。」



            その男は脳噛零。



運  「おい、危ねぇじゃねぇか!!」

零  「ふざけるな・・・・・信号はすでに赤だろう?」

運  「そんなに急に止まれるかよ!!」


零  「ククククク・・・・・ならば止めてやろう・・・・・・。」


            『魔人の邪眼』(イビル・バジリスク)の能力を発動!!


零  「『停止』(アガレス)!!

            両眼を見開いて、運転手と視線を合わせた。
            その瞬間から、その運転手は全く動かなくなった。

            お構い無しに、道路の反対へと来ようとする。




            その騒ぎに気付いた四人。
            アレは酒場で見たどっかの社長のはず。

ミ  「そーそー、行方不明の『のーがみだい』って人だ・・・・・。」






            交通量の激しいそこをすぐには渡れなかった。







ス  「・・・・・・。岱・・・・・。」




マ  (ん・・・・・?知り合い?????)















             総間研究所

             総間竜男は研究を成し得るうえで、
             なんらかの衝撃などを受けた者を治して行きたいとも考えた。

             精神云々で治るものと、そうでないもの・・・・・。

総  「刃吾・・・・・か・・・・・?」


             総間博士の裏人格「刃吾」は、時折、博士の脳内に語りかける。


総  「なぜ・・・その力を有効に使わぬ?」

刃  「くだらんな・・・・・むしろ他が私を有効に使いたいだけだろう?」

総  「なぜ・・・お前にそんな能力が・・・・・。」

刃  「だから言っているだろう? この能力は神にも匹敵する力!!
       人の命ですら再生できる・・・・・ある種の生殺与奪の権利・・・・・。
       解るか?この大いなる力が!?」

総  「ただ、酔いしれてるだけか・・・・・この小物め・・・・・。」


刃  「ハッハッハッハ・・・焚き付けたって無駄だ・・・・・。
      私は私の意思でしか・・・・・『手』は使わない・・・・・。」

総  「・・・・・。」










            別室で、遊んでる紅緒。




紅  「あはははははははは。燃えた燃えた〜♪」

羽  「こら!!クレオっ!!火を使ったらダメって言ったでしょ?」



            机の上の小さな火を、羽虎はどこからともなく、水を出して消し止めた。


紅  「あああああああ!!ごめんなさいごめんなさい!!
      お姉さま嫌っちゃいやあああああああ。」
羽  「大丈夫大丈夫よ。」


            紅緒の『残る記憶』と『消える記憶』のその境界線が解らない。


            時折自分のした行動を憶えている時がある。


            自分の『炎の能力』を持ってる事も憶えている。



            紅緒は生まれ付いてのパイロキネシス(人体発火能力)の持ち主。

            それを超能力と言うか、マインドと言うのか、
            コレと言った定義は無い。


            総間博士がこの子を引き取ったのは、
            発火能力の暴走で焼死するパイロキネシス能力者が居ると知っているわけで
            それを完全に予防したこの『部屋』に置く事を条件に、
            研究にも役立てていると言える。



            その際に保護者に成っていたのが、羽虎である。






            マインドが信念に影響するとするのなら、紅緒の発火能力はなんなのだろう。


            子供ながらに、何か訴えたい事があったからであろうか?





            羽虎自身は、この研究所に来てから、能力を目の当たりにして
            そこから何かが変わった能力者である。


            研究所の所員の一人が、『少量の水を出す。』という小さな能力に目覚め、
            『水』ならば、『火』を止められる。

            そう思ったのも理由であろう。




            石須 羽虎 『海神の鉄槌』(ポセイドン・ブロウ)
                 水を自在に具現化し、操作する能力。


            石須 紅緒 『熱い眼差し』(プロメテウス・アイズ)』
                 見つめた物を意識して発火させる。




            ちょうど食事を持ってきた所員が入って来た。
            燃えカスと、飛び散った水を見て状況は把握した。


羽  「あら、ありがとう。そこに置いておいて頂戴。かれんさん。」


            所員:葉飛かりん、少しだけ『水を発生させる』能力であったが、
            効果も状態も不安定なため、完全な『能力者』とは言えない。


か  「完全に定着したみたいですね。」
羽  「そうね、アナタのおかげね。クレオのためにも・・・・・。」

か  「お役に立てて何よりです。」

紅  「うぉー。やったー!今日もオムライスっ!!」








羽  「え・・・・・?」

か  「え?」

羽  「今日『も』?????」
か  「あ・・・・・・。」
















            EVER SNOW

            しばらく、かけなかった番号にかけてみるスワン。



            コールはするが、誰も出ない。


ス  「だよね・・・・・。」
























            ロイヤル

エ  「おい、ペイジ・・・・・携帯鳴ってるぜ?」

零  「放っておけ・・・・・。どうせ『俺』にでは無いだろう。」


エ  「じゃあなんで電源入れたままなんだよ!!」


零  「さあな・・・・・。」




エ  「本当にめんどくせぇ・・・・・。
      もしかして元の人格も大差無いんじゃないか・・・・・?」
文  「彼の元が云々より、僕はエースの愚痴の多さが気になるよ。」


エ  「なんでおまえはそう・・・・・。」





            脳噛零:脳噛岱の裏人格であり、
                 どうやらJOKERにより引き出され定着している様子。



文   「さて、僕も寝よう・・・・・。」














            闇に眠る・・・・・。













            続く。














おまけ。



ミ  「ついに来たっす!!CHANGE ∀ MIND 8号!!」

マ  「なぜかブルーのラインが気になる・・・・・。」













ミ  「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
      警部:蛙岩特集!?なんでだよーぅ、あんちくしょーめ!!」



マ  「でも、『交通違反もみ消し券』ついてるよ?」

ミ  「マジで!?」

サ  「い、いいのかなぁ・・・・・・。」
















ス  「普通に使えるわけないとおもうけど・・・・・。(汗)」

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