CHANGE ∀ MIND

第70話
「重なり合う視線」









            EVER SNOW


ミ  「皆タヌキだぁよ〜〜〜〜♪」

サ  「!!」


ミ  「ん?また、『見られてる』?」
サ  「うーーー。」


             道を行く、ミナ・サヤ・マドカ


ミ  「ウチのSコンビは、なんか敏感だなぁ・・・・・。」


             S=スワン・サヤ
             M=ミナ・マドカ

ミ  「アタシなんか、もう『皆、アタシを見て!!』ってなもんですよ?」

マ  「それは・・・・・ちょっと・・・・・。」
ミ  「エええええええええええええ!?」




             なにげにミナが言った『月が見ている』の表現。

             なぜかサヤにはそれがしっくり来ていた。









             その夜、サヤは外に行った。

             ちょうど満月だったのだが、月の光が自分を包み込むような感覚を覚えた。


サ  「儚く〜舞い散る雪を〜見ていた〜〜〜〜♪」





             誰も居ないはずの河原で小さく歌ったサヤだった。

             それを聴いていた人が居た。



             蓮河寧音だった。


寧  「こんな時間に・・・・・?」

サ  「え・・・あ・・・ごめんなさぃ・・・・・うるさかったですね・・・・・。」
寧  「ううん、そうじゃないけど。」



             と、寧音が傍に座った時に不思議な感覚になる。

             サヤの一定範囲内に入ったからである。

             突然の覚醒 『オーパス・2』 一定範囲内の人間を感知する


             断片的に映像が脳内に浮かぶ・・・・・。

サ  「アナタ・・・・・太陽の眼・・・・・。」
寧  「あら・・・・・。アナタも能力者なのね。
      もしかして、月の大きさに能力が比例するタイプかしら?」
サ  「!!」


             少し、思い当たる節はあった。

寧  「結構居るのよ、『月の力』に左右される人。
      そういう人達は、独特の感覚で繋がってるから・・・・・。」
サ  「じゃあ、アナタも?」

寧  「私はどっちかと言えば逆の意味でかな・・・・・。
      月の大きさというより、昼夜って意味でね。」


             寧音は自分の能力の事を少し話した。
             『視線の様に刺さる太陽光』(サテライト・アイズ)を。



サ  「太陽を・・・・・。なんかスゴイですねぇ。」
寧  「まぁ、太陽に自分の眼を反射させるイメージかな。」

サ  「あんな大きな星の能力なんて・・・・・。」



             その能力の使い道などを聞く事は無かった。
             だが、寧音が訪ねてきた。


寧  「見えなかったのは、アナタだったのよね・・・・・。」
サ  「え?」


             サヤの「オーパス・1」の『部屋』の中は見えないらしい。

             たまたまサヤが『部屋』を作っている間に、寧音が能力を発動した事があったようだ。

             『見えない空間』の存在に驚いていたのである。


寧  「多分・・・・・居るのよね、月を媒体にしてる『眼』が・・・・・。
       そこから、私も目覚めた気がするし。」

サ  「お月様の光が・・・・・覚醒のきっかけって事ですか?」

寧  「だから最近、『能力者』が生まれるんじゃないかな?なんて。」
サ  「そっかぁ・・・・・。」





   「サーヤーさーーーーん!!」


サ  「あ。」
寧  「ん?」

サ  「あ、ごめんなさい、お友達が呼んでるから・・・・・。」
寧  「そ。じゃ、頑張ってね、詩歌いさん♪

サ  「あは♪ ありがとう!!」






             サヤを探してるのはマドカだった。


マ  「こんな時間に何処行ってたのよ。
      全然帰ってこないから、魔物に食われたかと・・・・・。」
サ  「えええええええええええええええ!?」






             宿に戻ったサヤ。


             マドカは安心したのか、また眠りに付く。


ミ  「むにゃむにゃ・・・・・おじさぁ〜ん、イカ飯まだぁ〜〜〜?むにゃむにゃ。」


             サヤは布団の中で、窓からの月明かりに、
             微妙な恐怖と、不思議な期待を感じていた。


サ  「私の能力は・・・・・なんのために・・・・・。」



             実は隣のベッドで、スワンも起きて考えていた。


ス  「私の能力は・・・・・なんのために・・・・・。」


             完全にスヤスヤモードのミナだった。



ミ  「私の弁当箱は、なんのためだと思ってるのよ・・・・・むにゃむにゃ・・・・・。」












             ロイヤル

             電話をしているエース、電話先の『女王様』はお怒りのようだ。

エ  『強引に拉致してどうにかなる問題じゃないんだよ!?』


             携帯を投げつけるエース。


エ  「ちくしょう、こっちの話なんざ聞きもしない。」

文  「まぁ、そんな都合を聞く人じゃないからね。」



零  「・・・・・・。」


             零は今自分の存在意義を考えていた。



             何を成し得るためへの正義なのか・・・・・。

             その正義を貫く先に、何を求めるのか・・・・・。



             世界の統治か、自分の行動権限の拡大なのか・・・・・。

             それとも、誰かのためなのか・・・・・。






             羽虎姉妹の存在が、何かを揺るがせる。




零  「おい、ナンパ野郎。」

エ  「それは俺の事か!!」
文  「僕じゃ無いでしょう・・・・・。」


零  「愛情とは・・・・・なんだ?」


エ  「はぁ!? 何を言い出すんだ・・・・・オマエが・・・・・。
      ワケ解らねぇよ・・・・・。」












             総間研究所


紅  「おはようです。お姉様。」
羽  「おはよう、クレオ。」


             いつもどおりに食事を支度し、いつもどおりの仕事。


羽  「さて、今日は何しようか?」


             部屋の窓から見える研究所の水の詰まったプランターを見てる紅緒。


紅  「なにアレ!?」

羽  「『また』アレを見に・・・・・ああ・・・・・そうね、今日はあそこに行ってみましょうね。」
紅  「うんうん。」



            いつも紅緒は、そのプランターの研究所に興味があり、
            毎日連れて行く。



            なぜ、研究所はそんな彼女をここに住まわせているのか・・・・・。



            もちろんそれは、紅緒の持つ力の研究であった。











            そんな日が数日続いた・・・・・。









            研究所の対応にどうにもできないロイヤル。

            そして、零は時々姿を消した・・・・・。





エ  「おい、ペイジの野郎、またどっか行ったな・・・・・。」
文  「ま、ゆっくり行こうよ・・・・・。」










            街を徘徊する零、そして・・・・・・・・。















            解れた糸が、再び・・・・・・。










            街を行く零・・・・・・その視線の先に居るのは・・・・・。















            EVER SNOWの四人だった・・・・・。


零  「あ・・・・あれは!!」














             続く。
































おまけ。

ミ  「おっと、またまた新刊出てるよ〜〜〜。」

マ  「週刊CHANGE ∀ MIND!!第7号!?」

ミ  「表紙の色がまたまたまたエバスノっ!!
     コレキタヨ、登場ですよ、ついに!!」

             ページをめくるミナ。















ミ  「ぬああああああああああああああああああ。」







ス  「あ、マドカさん特集だ。」
サ  「ですです。凛々しいです〜♪」」


ミ  「なーんーでーアーターシーはーーーーーーっ!?」
マ  「うふふふふ。」





ミ  「付録は、マイハバネロとかでしょ?」



サ  「あ、戦闘用ルージュの形のリップクリームですぅ♪」
ス  「わぁ、なんかかっこぃぃ。」

ミ  「いっきに使ってやる!!ぬりぬりぬりぬりぬりぬりぬり。」






































サ  「ミナちゃん・・・・・なんか、タラコ唇になってるよ・・・・・。」

マ  「あ、ハバネロ味のリップだってさ・・・・・。(笑)」



ミ  「ひいいいいいいいいいいいいいい!!(タラコ唇)」

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