CHANGE ∀ MIND
第66話
「心の刃」
私立ブレード学園
竹刀を持って剣術の修行をする、志堂心と、眺めるアイ。
ア 「よく頑張るなあ・・・。」
心 「何を申す!!正義無き力も無力だが、力無き正義もまた無力!!
私の能力は剣技が物を言うので御座いますよ!!」
ワラでできた練習人形を相手に、十字に袈裟斬りにする。
心 「十二式!!弥勒十字!!(みろくじゅうじ)」
ア 「真剣使ったら、死人でちゃうなー。」
心 「悪を斬りーっ!!龍をも穿ーつ!!
九式!!山茶花ーっ!!(さざんか)」
やや下から喉を突き上げるような技である。
心 「アイ殿もやるで御座いますよ。
剣舞に燃えるのも楽しいで御座いますよ。」
ア 「刀かぁ・・・・・。うーん。
私、腰悪いし?(笑)」
と、腰をトントン叩いている。
心 「おお、それはダメで御座います。
ちょうど今から、整体に行くので一緒に行くで御座います。」
ア 「え・・・・・。」
無理矢理引っ張っていかれたアイ。
学園からそう遠くないと言うのである。
と、ビルの前。
心 「ココの三階に最近移転してきたので御座います。」
ア 「ぶっ! ここってパパの事務所の上・・・・・。」
心 「ん?」
脳噛商会の上にできていたのである。
だがこれと言って外には看板も何もでていないのである。
整体『灰になれ』
ア 「な・・・なんて名前のお店・・・・・。」
心 「御免!!」
と、奥から爺さんが出てきた。
心 「モエモン先生!!」
燃 「モエモン・・・・じゃなく、燃衛門(もええもん)じゃと、言うておろう。」
ア 「え?何かゲットしちゃいそうな・・・・・?」
心の腕筋やら、背筋をマッサージしているようだ。
燃 「筋トレの後は、ストレッチを忘れぬようにな。」
心 「承知したで御座います。」
心が診療代から降りた。
燃 「ほほぅ・・・・・。」
アイを見て、燃衛門の目が光る。
燃 「なるほどのぅ・・・・・。」
ア 「え・・・・・?」
燃 「本物の金髪もええのぅ・・・・・。」
ア 「なっ!!危ない!!危ない!!」
拒否してみるアイ。
ア 「私の身体が目当てなのね・・・・・。」
心 「おいおい。(笑)」
燃 「ふぉっふぉっふぉっふぉ。心配するな
小娘共の乳など、孫娘で見飽きたわぃ。」
ア 「ある意味心配・・・・・。」
腰の矯正をされるアイであった。
時折、カエルを潰したような声が響く。
数分後、ドアを開ける者が居た。
み 「なんか、カエルが居るんですけど?」
と、矯正されてるアイを見て納得。
み 「あれ?アイちゃん?」
ア 「み、みちるさん・・・・・?ぐえっ!!」
燃 「ふぉっふぉっふぉっふぉ。みちるちゃんじゃないか、その後はどうだね?」
み 「あ、そうそう聞いてよ、燃爺。」
心 「燃爺・・・・・。(もえじい)」
み 「ファイナルストライクが『飛んだ』のよ。」
こないだのコートニーにトドメをさした技である。
みちるもまた波動を能力と合わせて戦うスタイルである。
燃 「結局、みちるちゃんのも能力自体は補助に過ぎんのじゃ。
能力に頼らず、己の技を精進するのじゃよ。」
心 「!!」
み 「なんとなく解ったかも・・・・・。でさっ、燃爺、あの波動拳の続き教えてよ!!」
燃 「だから、何度言ったら解るんじゃ、ゲームのような飛び道具が本来の使い方ではない。」
み 「だって、飛んだもん!!」
燃 「解った解った、あとで拳に宿らせるコツを教える。
だが、忘れるな、『技は魂に在り。』じゃ。」
み 「はーぃ、じゃゴハン作ってきまーす☆」
燃 「シーフードは無しでな。」
み 「はぃはぃ、ちゃんと燃爺のも作って来ますよ〜☆」
慌しく走り行くみちるだった。
ア 「いつのまにそんなに親しい仲に・・・・・?」
心はみちるの能力を聞き、少し自分にかぶらせた。
『拳』と『剣』の違いはあれど、己の技が直接反映する能力だからである。
自分の強く在りたいと願う信念が一番反映される能力。
燃 「何か思う所在りじゃな?」
心 「そうで御座います。私は自分の道が正しいのか日々悩んでいました。
剣とは言え、人を傷つけるものなのではないかと。」
燃 「人を傷付けるのは剣じゃなく、心じゃよ。
剣の傷は塞がれど、心の傷は塞がりにくい。
弱きものを守る信念は、ワシがよく解っておる。
悪しき者を挫く『剣』を手に入れた、その今の道を間違う事ないようにな。」
心 「心得ているで御座います。」
ア 「あら〜、ただの変態爺さんじゃないんだ。」
燃 「な!!」
ア 「お爺ちゃん〜〜〜〜〜♪」
燃 「ところで、心ちゃんよ、この娘もブレ学じゃよな?
どんな剣を持っているんだ?」
ア 「え?」
心 「多分・・・・・覚醒してないかと。」
燃 「そうか・・・・・。」
階段をけたたましく登ってくる音。
ア 「ん?」
心 「食事で御座いますか?」
燃 「いや、今日のメニューはパスタだから、まだできていない。
それにあの娘は格闘家だから、ヒールは履かぬ。
と、なると、この足音は・・・・・。」
「お爺ちゃーーーーん!!」
燃 「ああ、やっぱりオマエか。
なんじゃ、なんのようじゃ?」
孫 「仕事までちょっと時間あるから、寝させてね〜。」
燃 「また、患者用のベッドを!!」
孫 「いいじゃん、そんなに誰もこないんだし・・・・・。」
燃 「なんじゃ、そのチャラチャラした装飾品は!!」
孫 「も〜、うるさいなあ。仕方ないでしょ〜仕事も、の・・・・・・っと。」
心 「どっかで見たような・・・・・。」
その孫娘は布団をかぶって寝てしまった。
燃爺が言うにはここに引っ越してからは、
仕事場の近い孫娘が寝床に使うので困ると。
燃 「全く・・・・・。」
ア 「あいたたたたた。」
燃 「今日は安静にしておれ。整体した日はとくにな。
腰は油断すると永遠に友達になるぞ?」
ア 「そ、そんな友達は要らない・・・・・。」
心 「モエモン先生!!」
燃 「燃衛門・・・・・。」
心 「さっきの格闘家の女性と、修行を一緒に受けたいで御座います。」
燃 「まぁ、それはワシが決める事じゃないが、言っておこう。」
心 「よろしくお願いするで御座います。」
ちょうどドアを開けるみちる。
み 「出来たよ〜☆」
燃 「待っておったぞ!!(笑)」
ア 「私の分は〜〜〜〜!?」
み 「あるわよ。(笑) そちらのお侍さんも。」
心 「え?」
み 「あれ?違うの?」
心 「何故・・・・・?」
み 「なんとなく☆」
その後の内容は明かせないが、その2人の闘いの指導をする燃衛門であった。
アイはここでも、見学してるだけだった。
ア 「私には何か眠ってるのかな・・・・・。」
続く。
おまけ。
み 「でででででででで出た〜〜〜〜〜〜☆」
真 「幽霊・・・・・?」
み 「違いますよっ、私が主役の『週刊CHANGE ∀ MIND』 3号ですよ☆」
真 「そして、気になる付録は。」
み 「おりょ?」
真 「まぁ、カワイイ水色の・・・・・。」
み 「うわああああああああああ!!
誰だ!!この付録考えた奴!!」